外国人人材へ期待します
新たな在留資格「特定技能」を創設する出入国管理法改正案は臨時国会を揺るがした。14分野の一つに介護も位置づけられた。昨年12月25日には新制度の各分野の運用方針などが閣議決定されたが、未だに詳細は不明だ。今回の措置は特に人手不足の深刻な分野限定だ。生産性の向上や人材確保のための取り組みを業界をあげて行っていることが前提だ。厚生労働省の運用方針では、生産性向上の取り組みとしては、これまで行ってきた介護ロボットやICTの活用による業務負担の軽減、職場環境の改善に引き続き取り組むとともに、今後は組織マネジメント改革を推進するための「生産性向上ガイドライン」を策定するとしている。受入れ上限の6万人は、5年間で1%程度(2万人程度)の生産性向上を実現してもなお不足すると見込まれる人数と説明する。「生産性向上」へのインセンティブは今後より強く働くことになるだろう。
問題は外国人が介護に来てくれるかだ。ICTを導入したり、業務を整理し、効率化することや、経験やカンではなく根拠に基づく介護を行うことは、外国人を受け入れる場合にも重要な要素となる。期待したいのは、介護福祉士だ。在留資格「介護」を実のあるものにするには、専門性やマネジメント能力を磨き、一人ひとりが職場や社会で認められる存在になる必要がある。毎日の積み重ねの中で、多様な人材を受け入れることのできる職場、業界へと成長していくのが大切だ。外国人受け入れが、改革の契機となることを期待している。(シルバー新報2019年1月1日号)