2019.09.20
トピックス

「ムーンショット」その前に 未来に向かって今できること

移動は飛行機や電車じゃなくて「空飛ぶタクシー(有人ドローン)」で。健康で長生きしたければ運動より冬眠――。何のことかと思うかもしれないが、これらは今、政府が進めている「ムーンショット型研究開発制度」で、2040~50年にかけて実現が目指されている研究テーマの一部だ。 かつて、アメリカがアポロ計画で宇宙飛行士を月に送り込んで世界中の人の度肝を抜いたように、できるわけないと思っていたことが当たり前になる。すでに身近になった人工知能(AI)やロボットも同じこと。テクノロジーは日々目覚ましく進化し続けている。
 巨額の予算を投じる研究開発には一般メディアも批判的な見方が多いが、地球上からプラスチックごみがゼロになり、重い障害を持ってもなんら不自由なく生きられる社会が実現したら?障害者という言葉自体がなくなる日がくるかもしれない。そんな明るい光が感じられる未来を創れるかどうかは、政治家や研究者任せの問題ではなく、私たち1人ひとりがどういう社会を目指すのかにかかっているはずだ。
 今現場に求められている生産性向上も、そんな視点で取り組んでもらえたら。特集をぜひ。(シルバー新報2019年9月20日号)