臨時・特例的なオンライン診療の初診実施を検討、対象先の選定が難航 厚労省
厚労省は4月2日、オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会を開催し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえたオンライン診療の見直しについて議論した。
現行のオンライン診療は、最低限遵守する事項及び推奨される事項並びにその考え方が示された「オンライン診療の適切な実施に関する指針」をもとに診療を実施する必要がある。本指針は、安全性・必要性・有効性の観点から、医師、患者及び関係者が安心できる適切なオンライン診療の推進のため、今後のオンライン診療の普及、技術革新等の状況を踏まえ、定期的に内容を見直すことを予定しており、今般の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえた初診の対応が議題となった。
新型コロナウイルスの感染拡大に対する現在の対応状況としては、慢性疾患を有する定期受診患者に対する電話等の再診による処方・調剤が特例的に認められている。また、かかりつけ医等が帰国者・接触者相談センターを委託された場合等において電話による相談やオンライン受診勧奨を行うことや、感染が拡大した場合において新型コロナウイルス陽性の無症候・軽症患者に対し、対面診療による診断後、在宅での療養が必要な期間中、電話による相談やオンライン診療等を用いて在宅での経過観察を行うことも認められている。
新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、「対面診療を行わないことによる重症化や見逃しのリスク」と「対面診療を行うことによる感染拡大のリスク」との比較考量を行う中、医師患者関係が醸成されており、基礎疾患等が把握されている場合においては、初診オンライン診療のリスクを一定程度軽減できると考え、医学的に電話やオンラインでの診断が可能であると医師が判断した範囲で、診断・処方を認めることを前提に、特例的なオンライン診療の初診を認める方向で最終調整している。
これにより、慢性疾患などの受診履歴のある患者に対しては、新たに生じた症状に対してのオンライン診療を行うことが可能となる見込みとなり、初診からオンライン診療を行うべきではない症状や状態のリスト作成なども検討されている。
■関連サイト: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10663.html
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