医療費適正化には診療報酬本体のマイナス改定を続ける必要があると示唆 財務省
財務省は11月8日、財政制度分科会を開催し、社会保障について審議した。 社会保障関係費は、今後3年間「高齢化による増加分に相当する伸びにおさめる」方針を継続することとしている。2021年度の「自然増」は+4,800億円、制度改革・効率化で▲1,300億円程となり、高齢化による増加分は+3,500億円程度となり、2022年度の概算要求段階の「自然増」は+6,600億円と見込まれていることから、制度改革・効率化が不可避である点を確認した。診療報酬改定に関しては、本体改定率が医療費の適正化とは程遠い対応を繰り返してきたため、診療報酬本体の「マイナス改定」を続けることなくして医療費の適正化は到底図れない点、診療報酬改定で医療費をコントロールすることも、医療機関の経営を安定させることも難しく医療費そのものへの直接的な規律が必要であると示唆した。また、新型コロナ感染症対策の診療報酬における加算に関して、診療報酬は補助金等よりも政策目的実現の実効性に劣る面があることにも留意する必要があるとした。