新型コロナ特例対応の電話/オンラインによる診療と調剤
Q2電話やオンラインによる初診を含む「診療」はどのような患者でも実施可能か?
Q1の全体像を踏まえ、ここでは医科の診療におけるポイントを確認していきます。
この特例的な制度の仕組みは、感染リスクを回避するため、医療機関と薬局両方の非対面の形式が想定されていますが、患者によって医療機関の受診は非対面、薬局の医薬品の受渡しは対面、逆に医療機関の受診は対面、薬局の医薬品の受渡しは非対面などと希望することも想定されます。こうしたイレギュラーな希望に対しては感染リスクを考慮し、オール非対面を推奨しつつ、患者の希望に沿って柔軟に対応し、薬局の医薬品の受渡しを非対面と希望する場合には、処方箋の備考欄に「0410対応」と明示して薬局へのFAX送付を徹底すれば大きな混乱を防ぐことができるでしょう。
医療機関では、患者から電話/オンラインによる診療の求めを受けた場合、電話等による診断や処方が医学的に可能と判断した範囲において対応が可能となります。電話/オンラインによる診療実施の前提は、電話等の診療に適さない症状や疾病等には対応できない旨の患者への説明(診療が不要な場合は自宅療養、対面診療が必要な場合は受診勧奨)のほか、急病急変時の対応方針や対応が困難な場合の他医療機関への紹介ができることが求められるなど、通常の診療と同等の責務が課せられています。
今回の電話/オンラインによる診療は、「患者の診療録等の基礎疾患の把握」の有無を起点に、「新患or再来、初診or再診」を判断し、なりすましを防ぐため「健康保険証の確認」をはじめ、「患者負担金の支払い方法」や「医薬品の受け渡し方法(処方日数や処方薬は一部制限)」などの確認を要し、診療の可否を判断する必要があります(下図)。
厚労省資料をもとに医療経営研究所作成
なお、「電話」と「オンライン」の患者希望の媒体としては、慢性疾患の高齢者が多い内科などでは「電話」、小児科などでは「オンライン」の割合が高まると予想され、患者の年齢層や診療科目により異なる点に着目し、特長や確認事項に留意しながら対応していくことが肝要です(下図)。
医療経営研究所作成
- 参考サイト:厚労省「令和元年度 全国厚生労働関係部局長会議資料(老健局)」より一部引用
https://www.mhlw.go.jp/topics/2020/01/tp0107-1.html
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ワイズマン編集部