訪問介護のヘルパーによくあるお悩みは?対処法とともにご紹介
2023.02.27
訪問介護のヘルパーとほかの介護施設のヘルパーとの違いは、利用者の自宅で介護サービスの提供を行う点です。利用者の生活に合わせた介助が必要なため、訪問介護のヘルパーは非常に気を遣います。新しく訪問介護ヘルパーとして働きはじめた方は、利用者の意外なこだわりに驚かれるかもしれません。
また、訪問介護のヘルパーは一対一で利用者の介助を行うため、やりがいを感じる方が多い一方で、さまざまな悩みを抱えるヘルパーは少なくありません。そこで、訪問介護のヘルパーによくある悩みとその対処法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。
訪問介護のヘルパー(訪問介護員)の仕事内容
訪問介護のヘルパーの仕事内容は、決められた時間に利用者宅を訪問し、身体介護または生活援助の介護サービスを提供することです。
身体介護とは、入浴や更衣、排泄など利用者の肌に直接触れる介助を指します。対して生活支援とは、洗濯や掃除、調理や買い物など日常生活に欠かせない家事の支援を指します。
ホームヘルパーについて詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。
関連記事:「ホームヘルパーとは?仕事内容や必要な資格をご紹介」
訪問介護のヘルパーによくあるお悩みと解決方法
訪問介護のヘルパーが仕事を行ううえで抱えがちな、よくある悩みと解決方法を以下に紹介します。
業務範囲外の仕事を頼まれることがある
訪問介護のヘルパーの仕事内容をよく分かっていない利用者やご家族から、業務範囲外の仕事を頼まれるケースです。
利用者やご家族にとっては、ついでの頼みごとのつもりかもしれません。しかし、ヘルパーの仕事はお手伝いさんや家政婦とは違います。訪問介護のヘルパーの業務範囲は介護保険制度に定められており、その範囲を超える仕事は行うことができません。
安請け合いしてしまうと、「前のヘルパーさんはやってくれたのに」と利用者やご家族とのトラブルが生じる恐れがあります。
もし利用者やご家族から業務範囲外の仕事を頼まれたら、以下のいずれかの方法で対処しましょう。
きっぱりとお断りする
介護保険が適用される介護サービスは、日常生活を送るうえで最低限必要となる自立支援を目的としたサービスに限定されます。介護保険の適用外となるため、できない旨を伝えてきっぱりとお断りすることが大事です。
お断りするには、ヘルパー自身が業務範囲外のサービスについて知っておく必要があります。そこで訪問介護のヘルパーができないサービスの例を挙げます。
【訪問介護ヘルパーができないサービス】
- 利用者以外のご家族やペットに対するサービス
- 庭の手入れや草むしり
- 大きな家具の移動
- おせち料理や恵方巻などの行事食の調理
- 預金の引き落とし代行
etc.
サービス提供責任者に断ってもらう
業務適用外である旨をいくら説明しても、聞き入れてもらえなかったり、どうしてもとお願いされたりするケースもあります。そんなときは、サービス提供責任者に連絡して代わりに話をしてもらうことをおすすめします。
サービス提供責任者とは、ヘルパーが利用者に適切なサービスを提供できるように責任を持つ担当者です。いうまでもなく、ヘルパーが困ったときのサポートはサービス提供責任者の業務範囲となります。
ヘルパーは訪問先で何らかの問題が生じた場合は、サービス提供責任者に必ず連絡する必要があります。
基本的に一人で業務を行うため頼れる人がいない
訪問介護のヘルパーは1人で利用者宅を訪問してサービス提供を行うため、近くに相談相手がいないことを悩む方もいます。
高齢者相手の仕事であるがゆえに、介助中に急変が起きないとも限りません。特に一人暮らしの利用者宅の訪問中に急変が起きた場合、自身で判断して対処しなければならないことも起こりえます。
万が一の事態に備えて、キーパーソンとなるご家族やかかりつけ医院の連絡先は最低限把握しておくことが不可欠です。
同行訪問をしてもらう
初めての訪問先はヘルパーだけでなく、相手の利用者も緊張したり不安な気持ちで一杯になったりするでしょう。そのため、初めての訪問先にはサービス提供責任者が同行することが一般的です。
初回訪問ではサービスの手順を覚えることはもちろん、生い立ちや嗜好などを色々尋ねて利用者に関する情報を入手しておきましょう。会話を通じてヘルパーの顔を覚えてもらえば、次回以降一人で訪問する際もスムーズに介助を行うことができます。
また、訪問介護のヘルパーにとって何よりも大事なことは、”利用者に安心して介護サービスを受けてもらうことである”と頭に入れておきましょう。
自分のスキルにあった仕事を担当する
自宅で介護サービスを受けられる高齢者の中には、体の大きい方や認知症を患っておられる方など、介助に特別なスキルが必要な利用者もおられます。
利用者の体格や要介護度の問題もありますが、利用者との相性の問題の方がはるかに重大です。技術的な問題であれば経験を重ねることで解決できる場合もありますが、相性の問題はそう簡単に解決できません。
仕事が体力的にキツいと感じたり、精神的なストレスが辛かったりして一人で訪問するのが難しいと感じたら、サービス提供責任者に訪問先の変更の打診を試みてください。必ずしも問題が解決するとは限りませんが、一人で悩みを抱え込むのは一番よくありません。
訪問介護のヘルパーには、それぞれ得意な分野と苦手な分野があります。仕事を長く続けるにも、自分のスキルが活かせる仕事を担当する事が必要であることを覚えておきましょう。
スケジュールの管理が難しい
スケジュール管理も訪問介護のヘルパーの悩みの一つです。訪問介護のヘルパーは1日に複数の利用者宅を訪問するのが一般的です。そのため、移動時間や記録書類の記入時間を考慮したうえで、介護サービスを提供する必要があります。
一人ひとりに寄り添った介護をイメージして、訪問介護のヘルパーを始めた方は理想と現実とのギャップにショックを受けるかもしれません。
利用者の中には、介助だけでなく話し相手を求められる方もおられます。話をゆっくり聞いてあげたいのに、途中で切り上げて次の訪問先に向かわなければいけないジレンマを抱える方もいるでしょう。
もしスケジュール管理の難しさに悩まれているなら、以下の方法を試してみてください。
仕事量を見直す
スケジュール管理を難しくしているのは、担当件数が多すぎるのが原因になっている場合があります。
そんなときは1日の訪問件数を減らしてもらえないか、サービス提供責任者に相談してみてください。
タイトなスケジュールで訪問時間に遅れると利用者に迷惑をかけることになり、事業所にとってもマイナスになります。
利用者にとって安心で安全な介護サービスを提供するには、ヘルパーがある程度ゆとりを持ったスケジュールで稼働することが重要です。
介護ソフトを利用する
そのほかの解決方法として、介護ソフトの利用が挙げられます。
訪問介護では、急なヘルパーの欠員や利用者都合によるキャンセルなどスケジュール変更がよく起こります。スケジュール変更が生じる度に各ヘルパーに電話で伝えるのは、時間がかかるうえに非常に手間です。
そんなとき、介護ソフトを使えばスケジュール変更が簡単にでき、変更後のスケジュールを各ヘルパーに迅速に共有できます。
ワイズマンの訪問介護ソフトの詳細はこちらからご覧いただけます。>>「訪問介護ソフト(ホームヘルプサービス管理システムSP)」
訪問する家庭ごとにルールが異なる
訪問先の家庭ごとに、ルールやこだわりがあることに戸惑うヘルパーもいるでしょう。内容に納得できなくても、訪問介護のヘルパーは各家庭のルールを把握して従わなくてはなりません。
良かれと思ってしたことが逆に利用者を怒らせ、クレームにつながるケースもあるため十分に注意が必要です。
家庭ごとの異なるルールについて、悩まれている方は以下の方法をおすすめします。
利用者とのコミュニケーションを徹底する
初回の訪問時に、利用者と十分にコミュニケーションを取ることは必要不可欠です。育ってきた時代も生活環境も異なる相手のことを知るためには、積極的に質問したり確認したりする姿勢が大事です。
お互いに何でも言い合えるような信頼関係を築ければ、利用者のこだわりや家庭のルールは無理に覚えようとしなくても自然に覚えられるでしょう。
前回の訪問記録を確認する
まったくの新規の利用者でない限り、前回の訪問記録があるはずです。訪問記録ファイルや介護ソフトを確認して、特記事項がないか事前に情報収集しておくことをおすすめします。
サービス提供責任者から情報収集する方法もありますが、情報が最新ではない場合があるため注意が必要です。
自分が訪問した際に新たに気付いた利用者のこだわりやルールについても記録を更新していくことで、次回訪問するヘルパーにも最新情報を共有することができます。
訪問介護のヘルパーのやりがい
訪問介護ヘルパーの仕事にはさまざまな悩みがつきものですが、一方でやりがいを感じて働き続けられている方もたくさんいます。
そこで訪問介護ヘルパーのやりがいについて、ご紹介します。
一人ひとりに合ったサービスを提供できる
訪問介護の良いところは、提供する介護サービスを利用者ごとにカスタマイズできる点です。
決して望ましいといえませんが、介護施設ではどうしても利用者に対して施設ごとのルールに従ってもらいがちです。一人ひとり性格も考え方も異なる利用者に対して、画一的なサービスでは満足してもらうことはできないでしょう。
その点、訪問介護ではサービス提供中は利用者と一対一になるため、利用者の介助に集中して取り組むことができます。そういう意味で、利用者との信頼関係は欠かせません。
感謝の言葉を直接もらう機会が多い
訪問介護のヘルパーが一番耳にする言葉は「ありがとう」です。基本的に複数の利用者宅を訪問するため、「ありがとう」と声を掛けられる回数は1日で10回を優に超えます。
感謝の言葉をかけてもらうことで、利用者の役に立てた実感がやりがいにつながるケースもあるでしょう。
まとめ
訪問介護のヘルパーは一人ひとりの利用者と向き合う仕事であるため、さまざまな悩みを抱えることが多いです。一人で働く時間は長いですが、見えないところでサービス提供責任者のサポートやほかのヘルパーの情報共有によって支えられていることを忘れないでください。
限られた時間の中で一人の利用者をチームでケアしていくには、迅速なスケジュールの変更や情報更新が欠かせません。そういった場合、「介護ソフト」をお使いいただくことで、急な訪問介護ヘルパーの勤務変更や訪問スケジュールの変更があってもスムーズに情報共有することが可能です。
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