看護システムの種類とは?標準機能と導入効果、選び方を解説
2023.12.06
訪問看護や病棟看護など、患者の希望するケアが多様化する一方で、看護業界における人手不足が深刻化しています。
このような状況で、看護業務の効率化のために、看護システムの導入を検討する事業者も多いでしょう。
看護システムを導入すれば、これまで人手で行っていた業務を自動化でき、看護スタッフの負担を軽減できます。
業務効率を向上させるためにも、看護システムの導入を検討しましょう。
この記事では、看護システムの種類や機能、導入による効果などを詳しく解説します。
看護システムを選ぶ基準についても紹介しますので、最後まで読んで自施設に合ったシステムを導入してください。
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目次
現場業務を支える2種類の看護システム
看護システムは、看護に関する事務業務をデータ化し、業務効率を向上させるシステムです。
従来の紙媒体のカルテ・書類をシステム上で管理します。
具体的には紙媒体からシステムによる事務業務へ移行し、一度の入力で関係部門への情報共有を可能にすることで、入力ミスを防いだりレセプト業務にかかる負担を軽減できたりします。
さらにクラウド上でデータを一括管理するため、情報共有を効率化し、看護従事者間で患者のカルテ・治療状況をスムーズに共有できるでしょう。
看護の現場では、形態によって2種類の看護システムが導入されています。
- 訪問看護・介護システム
- 病棟看護システム
施設の形態に合わせて必要な機能が異なるため、それぞれの機能や特徴を把握しておきましょう。
まずは、それぞれの特徴について紹介します。
1.訪問看護・介護システム
訪問看護・介護では、これまで1つの訪問において下記のような工程が踏まれていました。
- 訪問記録を訪問先でメモとして記録
- 事務所で訪問記録・介護実績の記録を作成
- レセプト作成のためにデータ入力
上記のような工程を踏んだ場合、同じ記録を何度も記入しなければなりません。
数回にわたる記入は、手間も時間もかかってしまい、看護師やスタッフへの大きな負担となっています。
また、転記ミスや漏れのリスクが高いことも課題とされてきました。
訪問看護・介護システムでは、訪問先で記録を入力すれば、そのまま看護記録として保管され、レセプト作成にまで自動でデータが反映されます。
端末で持ち歩けるため、患者の自宅を訪問する際には、訪問の予定や実施報告を現地で確認が可能です。
訪問の直前にその日のケア内容を確認できることで、訪問したら看護サービスをすぐに開始できることも、看護師の業務の効率化につながっています。
その日のケア内容など、看護実績を施設内へ正確に情報共有できるため、担当者が変わっても、同じ質のサービスの提供が可能です。
患者へのケア内容に不明点があっても、その場で確認・解決できるため、サービス漏れを防げます。
また、記録を医師へスムーズに共有できるため、患者の状態に合わせた臨機応変なケアも可能にします。
2.病棟看護システム
看護計画の作成から実施、評価、看護記録といった病棟における事務作業のサポートを行うのが病棟看護システムです。
患者一人一人の情報管理や看護計画、看護記録といったケアにかかわる情報を一元管理できます。
また、病棟全体の空床や看護状況などを把握しやすくなり、看護スタッフの業務効率化や、病棟の運営サポートにも役立ちます。
電子カルテシステムなどと共有すれば、院内での情報共有がスムーズになるでしょう。
入退院など、病棟に限られる業務については会計部門との連携によ
訪問看護・介護システムの標準機能
訪問看護・介護システムに標準的に備わっている機能は、以下のとおりです。
- 利用者管理
- レセプト作成
- 予実管理
- 利用料請求管理
- 看護・介護記録
患者の情報管理や看護記録、レセプト業務など、訪問看護・介護事業における機能を搭載しています。
ここでは、それぞれの機能について解説します。
利用者管理
電子カルテの記載情報と同様、患者(利用者)の情報を管理します。
患者の基本情報や看護オーダー、履歴情報などから患者情報を自動で取得し、データベースを構築します。
訪問看護計画書は、患者の情報から自動作成されます。
レセプト作成
レセプト業務とは、医療機関が保険者に医療報酬を請求する業務です。
訪問看護・介護では、医療保険と介護保険、それぞれの保険内容に応じたレセプトを作成しなければなりません。
レセプト作成は個別に実績を収集して、反映させなければならず、大きな負担と専門的な知識を要していました。
訪問看護・介護システムでは、訪問記録・実績から自動的に反映された療養費明細書の作成が可能です。
予実管理
訪問看護・介護システムでは、スタッフの稼働率や訪問数、人件費率といった、施設の稼働状況をデータ化できます。
また、請求状況や売り上げ推移などを統計データとして自動作成し、CSV出力します。
システムで自動計算をしない場合には、Excelなどを用いて手作業で集計しなければなりません。
手作業での集計は、経営における知識が十分になければ、正確な情報を得るまでにかなりの労力がかかるうえに、属人的な方法となってしまいます。
経営にかかわる集計が手軽に行えることで、都度、経営状況を見直し、適切な経営判断に役立てられるでしょう。
利用料請求管理
訪問看護療養費請求書や訪問看護療養費明細書の作成・発行が可能です。
請求管理と入金管理を一連して管理できるため、未払金の再請求なども一目で把握できます。
看護・介護記録
看護・介護のケア内容を記録することが可能です。
記録した内容は即座にシステムにアップロードされるため、常に最新の情報がどこからでも確認できます。
訪問看護・介護においては、医師との連携がスムーズに進まないことで、看護師への精神的な負担が大きいことも課題のひとつでした。
訪問看護・介護システムの記録機能によって、医師へも、常に最新の情報を共有できます。
医師へスムーズに状況を共有できることで、臨機応変なケアも可能です。
また、入力した看護・介護記録はそのままレセプト作成に自動反映されます。
一度の入力で記録~レセプト作成の実績入力までが済ませられます。
訪問看護・介護システムの導入効果
訪問看護・介護システムの導入によって、業務の効率化が期待されます。
具体的には、下記のような変化をもたらすでしょう。
- 訪問先で利用者データを確認できる
- 保険の変更にも柔軟に対応可能
- 文書の作成業務を効率化
- 経営判断の精度が向上
訪問看護・介護システムの導入に迷っているのであれば、上記のような導入効果によって、自施設の課題を改善できそうか、検討してみてください。
それでは、それぞれの効果について、より詳しく見てみましょう。
訪問先で利用者データを確認できる
訪問看護・介護システムでは携帯できる端末に対応しているものがほとんどです。
紙媒体の記録では、持ち運びが容易でなかったり、記録紛失のリスクから情報ファイルを持ち出せなかったり、という不便さがありました。
訪問先で確認事項が出てきた場合には、事業所や医師へ電話連絡をしなければならず、時間もかかり、非効率的な状況が続いています。
訪問看護・介護システムを導入し、端末の連携をすれば、訪問先で電子カルテを確認できるため、抜け漏れやミスを防止できるでしょう。
また、確認事項が生じてもすぐに確認できることで、業務の効率化にもつながります。
訪問時に異変を感じることがあっても、患者の過去の記録を確認し、医師へ相談すべきかどうかの判断も即座に可能です。
利用者の状態に即した、より丁寧な看護サービスの提供につながるでしょう。
保険の変更にも柔軟に対応可能
訪問看護・介護システムの標準機能にあるレセプト発行にともない、介護保険サービスと医療保険サービスの管理もおこないます。
医保療養費明細書の作成は、多くの事業所で、対応に追われ、スタッフの大きな負担となっているケースが多い業務の1つでした。
特に保険サービスが変更となった場合には、実績の書き換えも必要になるなど、切り替えには手間がかかってしまっていました。
システムによっては、特別指示書や難病認定によって介護保険から医療保険に切り替わった場合に、色分けして表示され、見落としを防げます。
訪問予定・看護(介護)実績から、それぞれの区分に自動で振り分け、反映されるため、スムーズに療養費明細書の作成が可能です。
文書の作成業務を効率化
訪問看護・介護システムは、現場で記録することを想定して構築されています。
このため、共通の書式が可能な項目は選択式になっていたり、音声での入力が可能だったりする製品もあります。
また、訪問看護スタッフの大きな負担となっている訪問予定の作成では、過去の訪問記録から自動で作成される機能が備わっています。
自動作成された予定をベースにして患者の状態や医師の指示を反映させるため、作成する時間が大幅に短縮可能です。
文書作成業務の効率化については、年代別でのアンケート調査の結果、最大25分もの時間の短縮につながっているデータも発表されました。
参照:「訪問看護業務支援システム導入による訪問看護師の書類作成時間の変化と効率化についての認識に関する調査研究」
経営判断の精度が向上
訪問看護・介護システムでは、経営にかかわるさまざまな集計を自動で算出、出力することが可能です。
主に下記のようなデータを自動で算出します。
- スタッフ稼働率、人件費率
- 訪問状況
- 請求状況
- 売り上げ推移
各種統計を手入力で算出しなければならない場合には、集計をとる作業時間を十分に確保できず、経営状況をリアルタイムで把握することが困難なケースがありました。
もしくは、経営についての正しい知識が不足していることにより、必要なデータを出せない、手間取ってしまうといった問題を抱えている場合もあったでしょう。
システムの導入により、経営にかかわる判断材料を適宜、算出でき、経営上の問題点により早く気づけます。
統計データは、要介護度別などで分析することも可能なため、経営上の課題があった場合、改善すべき点をピンポイントで探し当てることもできます。
病棟看護システムの標準機能
病棟看護システムの機能は、訪問看護・介護システムに比べて、病棟における看護業務に特化しています。
主に、下記のような機能が搭載されています。
- 看護計画書の作成
- 看護オーダー発行
- 看護状況の記録
- 看護過程の評価
- 看護指示・実施
- 看護必要度・日常生活機能の評価
- データベース・サマリの作成
- 業務日誌作成・勤怠管理
各機能について詳しく解説します。
看護システムを導入する参考にしてください。
看護計画書の作成
病棟看護システムの主な機能として、看護計画書の作成機能があります。
臨床症状・診察所見・検査値などから作成した患者のプロブレムに沿って、看護計画書を作成できます。
看護計画書の作成業務は、書面への記入作業・書類管理など看護師に負担がかかっていました。
看護システムを導入すれば、看護計画書をシステム上でスムーズに作成でき、記入間違いや漏れを防いで業務効率を向上できます。
さらにクラウド上で看護計画書を共有できるため、効率的にワークフローへ反映できます。
看護オーダー
看護システムでは、看護計画書の作成だけでなく看護オーダー発行機能が備わっています。
オーダー発行機能すれば、日々の看護介入項目に詳細なスケジュールを行って、オーダー内容や看護指示を共有可能です。
処方箋や検査伝票・画像指示箋・食事指示箋などの紙の手書き伝票では、各部門への伝達に時間がかかり、患者を待たせる点が課題でした。
システムの機能のうち、看護オーダー発行機能を活用すれば、多忙な医療現場でスムーズな業務連携が可能となり、患者を待たせる時間を軽減できます。
看護経過の記録
看護システムでは、看護状況の記録が可能です。患者の経過表に経過記録を入力することで、誰が見ても患者の看護状況を瞬時に把握できます。
連絡伝達や業務連携が必要な医療現場では、看護状況を適切に記録し従業員間で共有することが大切です。
システムによっては、看護計画の実施状況を看護経過記録として自動転記するものもあり、事務業務のリソースを軽減できます。
看護状況の記録を自動で行えれば、看護サマリの作成もスムーズにおこなえて便利です。
また、訪問先や出先でも看護状況をスムーズに確認できる「電子カルテ」としても活用できるので、効率的に患者を訪問・診察することが可能です。
患者分類・評価
看護システムを活用すれば、看護過程の評価ができます。
看護サマリの結果を確認し、システム上で結果を入力・プルダウンの選択でスムーズに評価可能です。
また、看護過程の評価機能を活用すれば、医療区分評価やADL区分評価の入力・参照をスムーズに実施できます。
評価結果はクラウド上で確認できるため、次の看護計画を立てやすく業務効率の向上が期待できます。
看護システムを活用すれば、クラウド上で患者の容態・治療結果の評価を確認して、訪問先であっても迅速な対応を実現可能です。
院内管理
病棟看護システムでは、看護度やオーダー情報などを患者ごとに表示されます。
空床情報や移動者情報など、部屋の使用状況も表示されるため、院内の状況を把握できます。
掲示板機能を搭載していれば、病棟全体にかかわる連絡などを、即座にシステム上で共有可能です。
業務日誌作成・勤怠管理
看護システムは、看護計画書やオーダー・サマリを作成するだけでなく、業務日誌の作成機能や勤怠管理機能が備わっています。
業務日誌をシステム上で作成できれば、手書きで日誌を記載していた時間と手間が減るため、従業員の負担を軽減できます。
さらに以下の勤怠管理機能も備わっているため、適切に従業員の勤怠状況を管理できるでしょう。
- 出勤や退勤
- 遅刻や欠席
- 有給休暇の取得有無
- 残業時間
- 出勤回数
従業員の長時間労働や過労働を防止し、働きやすい職場づくりにつなげられます。
看護システムを活用して、業務日誌作成・勤怠管理を効率化し従業員の負担を軽減しましょう。
病棟看護システムの導入効果
看護システムを導入することで得られるメリットは、多岐にわたります。
看護システムを導入するメリットは、次のとおりです。
- 情報の一元化により病棟業務が効率化
- 看護師の負担を軽減
- 他部門とのデータ連携を強化
- 患者の容体を可視化でき看護の質が向上
それぞれのメリットを確認して、病棟看護システムの導入を検討してください。
情報の一元化により病棟業務が効率化
看護システムを導入すれば、看護記録の作成・共有を効率化できます。
看護システムを活用することで、看護記録をスムーズに入力し状況記録・サマリの作成が可能です。
患者データベースから情報を連携させて、患者情報を自動入力できるため、入力作業の手間を軽減できます。
そのため、関係者間での情報共有を円滑化して、業務効率を向上できます。看護システムは、情報入力・記録・共有業務を効率化できる点が大きなメリットです。
さらに、情報を一元管理することにより、レセプト業務の効率化にもつながります。
従来の方法では看護記録を集め、Excelやスプレッドシートなどで計算するなど多くの手間がかかっていました。
しかし看護システムを活用すれば、看護記録・実績から自動的にレセプトや請求書を作成できます。
情報の一元化によって、記録業務やレセプト業務の効率化が、病棟看護システム導入の大きな効果です。
看護師の負担を軽減
病棟看護システムは、看護師の負担軽減につながるメリットがあります。
看護業務は膨大なタスクが問題視されており、国から2024年に時間外労働の上限規制の適用が設けられます。
さらに、医師の働き方改革のためにタスク・シフト/シェアが国によって推奨されています。
2021年5月には関連する法律が改正されました。
参照|公益社団法人日本看護協会:役割分担(タスク・シフト/シェア、看護補助者)
看護従事者の負担は大きく、軽減するための施策が求められています。
看護システムを導入すれば、事務業務にかかるタスクを軽減し情報共有をスムーズに行えます。
そのため、看護師の負担を軽減し長時間労働・過労働を防止可能です。
看護システムの導入は、今後の働き方改革の促進につながるメリットがあります。
他部門とのデータ連携を強化
病棟看護システムは電子カルテとの連携によって、院内での他部門との連携を強化できます。
患者に異変が生じた場合に、医師が外出中など、的確な相談ができないといったケースもあったでしょう。
病棟看護システムと電子カルテを連携していれば、医師が外出中でも、端末から患者情報を確認できます。
医師は患者の正確な情報、状況にもとづいてスムーズに病棟の看護師へ指示を送れます。
また、投薬指示などのオーダリング他部門にわたる共有も看護には必須です。
オーダリングは、病棟だけでなく、会計部門へもリアルタイムで共有されます。
入退院時の受付や会計の際に、患者情報が素早く反映され、患者の待ち時間の短縮につながるでしょう。
患者の容体を可視化でき看護の質が向上
患者情報を一元管理するため、バイタル記録なども過去の記録がすぐに確認できます。
そのため、患者の容態を可視化でき、変化があればすぐに把握できるでしょう。
変化により早く気づき、さらには医師への共有もスムーズにできることで、看護の質の向上につながります。
看護計画を作成する際には、主観的でなく、可視化されたデータにもとづいた計画を綿密に立てることもできます。
看護スタッフ同士にも、適切な指示が行き渡るため、計画にもとづいた正確な看護ケアを患
自施設に適した看護システムの選び方
看護システムは多種多様なメーカーが提供しており、どのシステムを選ぶべきか悩んでしまいます。
事務業務を効率化し従業員の負担を軽減するために、自施設に合った看護システムを選ぶことが大切です。
看護システムの導入を検討している企業は、次の「看護システムを選ぶ基準」を確認しておきましょう。
- 運用コスト
- 入力方法や操作性
- 分析機能の充実度
- 対応帳簿の種類
- アフターフォローの充実度
それぞれのポイントを解説します。
自施設の状況や課題に合った看護システムを選んで業務を効率化してください。
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1.運用コスト
看護システムを選ぶ基準として、運用コストを確認しておくことが大切です。
看護システムを導入して運用するには、初期費用とランニングコストがかかります。
機能が豊富なシステムほど利用料金が高い傾向があるため、自施設に必要な機能をリストアップして優先順位をつけておきましょう。
看護システムによっては利用する機能やプランによって、価格が変動するケースもあるため、不要な機能はカットしてコストを削減する必要があります。
なお、システムを選定する際は、運用コストと得られるメリットを元に、費用対効果で比べるのがおすすめです。
費用対効果の高い看護システムを導入するために、複数のメーカーに資料請求・見積もり依頼をして比較検討しましょう。
2.入力方法や操作性
看護システムを選ぶ際には、入力方法や操作性を確認しておきましょう。
システムによって、患者データからカルテやサマリへの自動転記機能が備わっている場合があります。
入力作業や転記作業にかかるリソースを削減したいのであれば、自動転記機能が備わっている看護システムを選んだ方がいいでしょう。
また訪問記録によってレセプトや請求書が自動作成される看護システムもあります。
業務の効率化が目的の場合は「よりタスクを軽減できるシステム」が向いています。
さらにキーボードによる入力作業が不慣れなスタッフのために、スマートフォン入力や音声入力、手書き入力に対応している看護システムを検討してもいいでしょう。
看護システムによって入力方法や操作性が異なるため、事前に確認してから導入するシステムを選んでください。
3.分析機能の充実度
看護システムを選ぶ際には、分析機能の充実度を確認しておきましょう。
看護状況の記録・評価だけでなく、ベッド回転率・従業員稼働率・人件費率・訪問状況などのデータを分析する機能が備わっていれば経営戦略の立案に役立ちます。
経営分析につながる機能が充実したシステムを導入すれば、採用戦略や経営戦略など看護業務以外にも活用できます。
さらにCSVやPDFでデータを抽出できる機能があれば、ほかの業務への汎用性が高いです。
4.対応帳簿の種類
看護システムを選ぶ基準として、対応帳簿の種類を確認しておいてください。
システムに帳簿のテンプレートがそろっている場合は、事務業務を効率化して従業員のリソースを軽減できます。
対応帳簿としては、次のような種類が挙げられるため「自施設に必要な帳簿のテンプレートがあるか」導入前に確認しておきましょう。
- 看護記録書
- 看護計画書
- 看護指示書
- 看護報告書
- 看護情報提供書
- 医療保険明細書
- 請求書
頻繁に使用する帳簿のテンプレートが備わっているシステムを導入すれば、業務効率の向上が期待できます。
5.アフターフォローの充実度
看護システムを選ぶ際には、アフターフォローの充実度を確認しておいてください。
クラウド型の看護システムでは、導入しても操作方法がわからず疑問や課題が生じる可能性があります。
カスタマーサービスに相談・質問できるアフターフォローが備わっていれば、導入後に疑問が生じた際でも安心です。
問い合わせ対応の時間帯やチャットボットの有無、Q&Aページの有無を確認しておくと、アフターフォローの充実度を判断できます。
アフターフォローが充実している看護システムを選んで、適切に運用しましょう。
医療・介護業界はまだまだ紙媒体を使用するケースが多い業界でしょう。その結果、記録業務に多くの時間をかける必要が生じ、尚且つ貴重なデータの活用もあまりされてきませんでした。また、看護師は直接人の命に関わる機会が多く、大きなプレッシャーがかかるお仕事です。システムを導入することで、業務の抜け漏れ防止データ活用の推進だけでなく、看護師の負担軽減が期待できます。
ただ、システム導入の際、現行の進め方を変えたくないという反対意見があるかもしれません。しかしながら、生産人口が減少している昨今、業務効率化を後回しにしてしまえば、かえって負担が増すばかりです。現場に理解を仰ぎ、変化を恐れずにシステム導入を推し進めていくことをお勧めいたします。
看護システムはワイズマンソリューションがおすすめ
ワイズマンでは、訪問看護・介護事業所向けに「訪問看護ステーション管理システムSP」を、病棟看護向けに「病棟看護支援システムER」を展開しています。
電子カルテや介護システムなど、医療と介護の連携を図るシステム展開をしていることから、それぞれの看護形態に応じて必要な機能や連携を構築できます。
それぞれの機能や特徴について紹介しますので、システムの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
訪問看護・介護向けの「訪問看護ステーション管理システムSP」
訪問看護事業者向けソフト「訪問看護ステーション管理システムSP」では、訪問の予定確認や実施報告、記録業務をタブレットから現場ですべて完結できます。
今すぐ確認したいという情報も確認でき、連絡事項も即座に共有可能と、訪問看護に必要な一連の機能を取り入れています。
また、手書き情報の読み込みが可能なため、既存データの集積も可能です。
さらに、患者の状態をグラフ化できるケア記録オプションなども搭載されています。
インシデント管理も、事業所ごとの報告書に近い形式で出力できるため、事務作業の効率を高められるでしょう。
訪問看護・介護の現場で課題としてあがりやすい、家族との情報共有についてもオプションの「Mell+(メルタス)」を導入すれば、解決できます。
業務の効率化や、課題解決を求める方は、まずは弊社の訪問看護・介護システムの製品カタログを以下より参照してみてください。
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病棟看護向けの「病棟看護支援システムER」
病棟看護システムの導入を検討しているなら、ワイズマンの「病棟看護支援システムER」がおすすめです。
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事務業務を効率化できるため、従業員の負担を軽減して定着率向上につなげられます。
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さらに「電子カルテシステムER」と連携させることで、情報共有を円滑化してより精度の高い看護サービスを実現できます。
看護システムを導入して看護業務を効率化しよう!
看護システムを導入すれば、看護業務を効率化して看護師の負担を軽減できます。
多忙なタスクに追われている看護スタッフの負担を軽減できれば、今回紹介してきたメリットにさらに、人材定着にもつながるためメリットは多いです。
事務業務をDX化するだけでなく、クラウド上から患者データ・カルテを確認できるため、より質の高い看護サービスの提供につながります。
看護システムを導入する際には、多種多様なメーカーが看護システムを提供しているため、自施設に合った機能を搭載するシステムを選ぶことが大切です。
ワイズマンの「訪問看護ステーション管理システムSP」や、「病棟看護支援システムER」を導入すると、事務業務を効率化して質の高い看護サービスを実現できます。
日常の問い合わせからトラブル対処まで、安心して業務が行えるようカスタマーサポートも充実しています。
監修:伊谷 俊宜
介護経営コンサルタント
千葉県佐倉市出身。大学卒業後、教育サービス業界に入社したが、障がい者との交流を機 に「高齢や障がいを理由に、不当な差別を受けることのない社会を作りたい」と、介護事業者の門をたたいた。これまで、数々の特別養護老人ホーム、 グループホーム、デイサービスの立ち上げ、運営に参画。現在は、“現場第一主義!”を旗印とし、高齢者住宅、デイサービスを中心に「人気の施 設づくり」を積極的にサポートしている。