介護施設のシフトを上手く作成するためのコツ|問題点とその対処法を解説
2023.12.06
介護業界におけるシフト作成業務は、交代制勤務や法律に基づいた人員配置などによって煩雑化しやすいです。
さらに介護業界は休日が不定期であり、人手不足が課題の事業所が多く、シフト作成が難航しやすい傾向があります。
介護施設のシフト作成を行う際には、いくつかのポイントを抑えてシフト作成にかかる業務負担を軽減しましょう。
この記事では、介護施設のシフトを上手く作成するコツを、押さえておくべき4つのポイントと交えて解説します。
シフト作成を自動化する方法も併せて解説しますので、最後まで読んで介護施設におけるシフト作成業務を効率化しましょう。
なお、株式会社ワイズマンでは日々の煩雑な業務にお困りの方に向けて「介護・福祉向け製品総合パンフレット」を無料配布しています。
手軽に業務改善を始めたいとお考えの方は是非ご活用ください。
目次
介護施設のシフト作成における問題点
介護施設のシフト作成は難航しやすい傾向があり、シフトを作成する管理者の業務負担が大きいです。
介護施設におけるシフト作成を円滑化するために、「何が課題となっているのか」問題点を把握しておきましょう。
介護施設のシフト作成における問題点は、次のとおりです。
- シフト作成に時間がかかる
- 公平なシフトにならない
- シフトの完成が遅れがち
それぞれの問題点を把握して、業務改善に努めましょう。
シフト作成に時間がかかる
介護施設におけるシフト作成の問題点は、シフト作成に時間がかかることです。
介護業界のシフトは、法令に基づいた人員配置を守り、就業条件に沿った勤務条件を満たすようにシフトを組まなければなりません。
休日が不定期な業界なため、連続勤務日数や夜勤回数・月間休日数など、従業員に負担がかかりすぎないようにシフトを作成する必要があります。
そのため、従業員1人ひとりの負担や勤務日数を考慮しながら、日々の業務を遂行できる人員を確保しなければならず、シフト作成に時間がかかってしまいます。
介護施設のシフト作成は、日勤のみの業種や固定休日が定まっている業種と比較して、シフトを作成する管理者の負担が大きいです。
公平なシフトにならない
介護施設のシフト作成における問題点は、公平なシフトにならないことです。
介護施設は24時間235日運営しているケースが多く、利用者に十分なケアサービスを提供するために、従業員の負担が大きくなりやすいです。
夜勤勤務や連続勤務など、1人の従業員にできるだけ負担がかからないように、公平なシフト作成を心がけなければなりません。
しかし、実際は法令に基づいた人員配置や人手不足が原因で、すべての従業員が満足するシフトを作成することは困難です。
介護施設におけるシフト作成は、公平なシフトにならないため、従業員のモチベーションに影響を与えてしまいます。
従業員のモチベーションを低下させないためにも、できるだけ従業員間の負担が偏らないように公平なシフト作成を行いましょう。
シフトの完成が遅れがち
介護施設におけるシフト作成では、シフトの完成が遅れがちです。
シフトを作成するには、従業員から希望休を記入したシフト希望を提出してもらう必要があります。
そのため、従業員がシフト希望の提出期限を守ってもらえないと、シフトの完成が遅れてしまいます。
ただ、従業員からすると、期限内にシフトが提出されないと翌月のスケジュールを立てられないため、不満に思う場合もあります。
従業員のモチベーションを向上させるためには、迅速な希望シフトの回収とシフト完成が必要です。
介護施設のシフト作成で押さえておくべき4つのポイント
介護施設のシフト作成を行う際には、4つのポイントを押さえておきましょう。
- 介護スタッフの希望や能力を把握する
- シフトに関するルールを設定・周知する
- 人員の配置基準や就業規則を確認する
- 必要な人員を細かく設定しておく
それぞれのポイントを押さえれば、シフト作成に関わる業務を効率化できます。介護施設のシフト作成を行う担当者は、4つのポイントを押さえてシフト作成業務を効率化してください。
介護スタッフの希望や能力を把握する
介護施設のシフト作成で押さえておくべきポイントは、介護スタッフの希望や能力を把握することです。
介護スタッフが「どのような働き方を希望しているか」を把握しておかなければ、従業員が満足するシフトを作成できません。
夜勤を多めに入りたい従業員や育児や家事があるため家庭を優先したい従業員など、希望は人それぞれです。
さらに介護スタッフの希望だけでなく、個々の能力を把握しておくことで、適切な人員配置を実現できます。
シフトを作成した際に、スタッフのスキルに偏りが生じないように、配置するスタッフの能力を考慮してシフトを作成しましょう。
シフトに関するルールを設定・周知する
介護施設のシフト作成を効率化するために、シフトに関するルールを設定・周知しましょう。
シフトに関するルールを決めておかなければ、従業員が好き勝手に希望シフトを出してしまい、公平なシフトを作成できません。
「希望休は月に3日まで」「夜勤はシフトの2割は出勤してもらう」など、公平なシフト作成を行うためのルールを設定し組織内で周知しましょう。
また「夜勤・休み・日勤」などシフトの循環性を設定しておき、従業員が負担なく働けるシフト体制を整えることが重要です。
シフトに関するルールを設定し社内で周知しておけば、シフト作成を効率化して期限内に完成させられます。
人員の配置基準や就業規則を確認する
介護施設のシフト作成で押さえておくべきポイントは、人員の配置基準や就業規則を確認しておくことです。
介護施設では入居者3人に対して1人の介護スタッフを配置しなければならない「3:1」の人員配置基準があります。
他にも労働基準法によって、夜勤が終わった当日を休みにする「夜勤明けスケジュール」が義務付けられており、シフト作成の際に遵守する必要があります。
事業所によって従業員の負担が偏らないように土日の出勤割合を定めたり、連続勤務日数に制限が設けられたりと、就業規則で条件が定められているため事前に確認しておくことが大切です。
法令違反や就業規則違反を犯さないように、シフトを作成する際には人員の配置基準や就業規則を確認しておきましょう。
必要な人員を細かく設定しておく
介護施設のシフト作成を効率化するために、必要な人員を細かく設定しておきましょう。
日々の業務に必要な人員を、スキルや役職を考慮して現場で必要となる人員を確保する必要があります。
例えば、介護施設を運営するためには相談員や看護師・機能訓練指導員を配置する必要があり、必要人数を満たすシフト作成が求められます。
他にも入居者数や利用者の要介護度を考慮して、必要な人員を細かく設定しておくと、従業員の負担を軽減して高精度なケアサービスを実現可能です。
シフト作成の際には、実際に働く現場の人員配置をイメージして必要な人員を細かく設定しましょう。
介護施設のシフトを上手く作成するためのコツ
介護施設のシフトを作成する際に、「どこから手をつけていいのか」わからなくなる方もいるでしょう。
介護施設のシフト作成は特殊で、業界のシフト作成に慣れていないと時間がかかってしまいます。
介護施設のシフトを上手く作成するために、次のコツを実践しましょう。
- 夜勤者のローテーションを組んでおく
- シフトの希望をできるだけ反映させる
- 余裕のある人員配置を心がける
- シフト作成に時間を使いすぎない
- 介護スタッフと適切な関係性を構築する
それぞれのコツを確認して、シフト作成業務を効率化してください。
夜勤者のローテーションを組んでおく
介護施設のシフトを上手く作成するコツは、夜勤者のローテーションを組んでおくことです。
介護施設のシフト作成で難航しやすい理由は、夜勤と日勤の交代制勤務による煩雑化したシフト体制が原因です。
夜勤シフトを埋めるために、夜勤者を希望で募ってローテーションを組んでおくと、スムーズにシフトを作成できます。
夜勤者は、夜勤後の明けが休日扱いにならなかったり、法定休日の関係で連勤が難しかったりと、シフトを組む際の条件が多いです。
夜勤は、人数がそれほど多くなくても業務を遂行できるため、夜勤希望者を募ってローテーションを組むことで効率的にシフトを作成できます。
夜勤の必要人数を満たせるように、ローテーションでシフトを組んでいくと、夜勤のシフトを埋められて日勤のシフトを作成しやすいです。
シフトの希望をできるだけ反映させる
介護施設のシフトを上手く作成するポイントは、シフトの希望をできるだけ反映させることです。
希望シフトは従業員がどうしても休みを取りたい希望を提出しているため、できるだけ反映させた方が従業員のモチベーションを維持できます。
従業員からすると、働けない時間帯や希望休を出している日にシフトを入れられると、スケジュールが狂ってしまい働けない可能性が出てきます。
従業員が気持ちよく働ける社内風土を構築するためにも、シフトの希望はできるだけ反映させることが大切です。
どうしてもシフトが埋まらない場合は、従業員と希望シフトの変更が可能か相談して、公平なシフトを作成できるよう尽力しましょう。
余裕のある人員配置を心がける
介護施設のシフト作成をする際のコツは、余裕のある人員配置を心がけることです。
ギリギリの人員でシフトを組んだ際には、急遽の欠勤や遅刻に対応できず、介護施設の運営が難航してしまいます。
人員に余裕がない労働環境は、従業員の負担を大きくして焦りやトラブルを引き起こす原因になります。
場合によっては、従業員が休憩も取れずに疲弊した状態で勤務する状態になり、ケアレスミスや人的ミスを引き起こしてしまいます。
利用者に高精度なケアサービスを提供するためにも、余裕のある人員配置でミスをフォローする体制を整えることが大切です。
病欠や遅刻が生じた際に出勤している従業員の負担が大きくならないよう、余裕のある人員配置を心がけましょう。
シフト作成に時間を使いすぎない
シフト作成を効率化するコツは、シフト作成に時間を使いすぎないよう注意することです。
シフト作成は膨大な時間がかかる業務で、完璧なシフトを目指すと担当者の負担が大きくなってしまいます。
特に従業員が多い大規模な事業所では、シフト作成だけで時間が膨大な業務量が発生し、他の業務に手が回らなくなる可能性があります。
そのため、シフト作成に時間を使いすぎずに、シフト作成に費やす時間を事前に設定しておきましょう。
限られた時間でシフト作成を行えば、他の業務に支障を来さずに適切なシフト作成ができます。
シフト作成に時間を使いすぎてしまう場合は、介護ソフトの導入など業務負担を軽減できる施策を導入してください。
介護スタッフと適切な関係性を構築する
介護施設のシフトを上手く作成するコツとして、介護スタッフと適切な関係性を構築しましょう。
介護スタッフと適切な関係性を構築しておけば、シフト変更や希望休の変更などシフトが埋まらない日の出勤を快く受け入れてくれます。
反対に介護スタッフと適切な関係性を構築していないと、希望休の変更を打診するだけで不満や不信感が生じます。
従業員がモチベーションを高く持って勤務できるように、満足のいくシフト作成が必要です。
従業員の希望シフトを通しながら事業所を適切に運営するために、介護スタッフとの関係性を構築して、シフトの融通を効かせてもらいましょう。
介護施設のシフト作成にはICTの活用がおすすめ
介護施設のシフト作成を、Excelや手動で行っていると膨大な業務量が発生します。
介護施設のシフト作成を効率化するために、ICTを活用しましょう。
ICTとは「Information and Communication Technology」の略称で、「情報通信技術」と訳されます。
介護業界におけるICTとは、介護ソフトやシステムを指し、事務業務を効率化するために導入されるケースが多いです。
介護施設のシフト作成にICTを活用すれば、次のようなメリットを得られます。
- シフトの作成時間を削減できる
- シフトの公平性を担保しやすい
- 人員配置の最適化・業務改善にもつながる
それぞれのメリットを確認して、ICTの導入を検討してください。
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シフトの作成時間を削減できる
介護施設のシフト作成にICTを活用すれば、シフトの作成時間を削減できます。
ICTの活用によって、希望シフトをオンラインで提出してもらい自動的に希望休を反映すれば、従業員1人ひとりのスケジュールを確認する手間を軽減できます。
さらに1日に必要な人員配置をシステム上で可視化できるため、配置すべき人員が明確になり、シフトを組みやすいです。
手動で行えば膨大な時間がかかるシフト作成を、ICTによって自動転記・作成すれば、担当者の業務負担を軽減できます。
介護施設のシフト作成における問題点を解消するために、ICTの活用を検討しましょう。
シフトの公平性を担保しやすい
介護施設のシフト作成にICTを活用するメリットは、シフトの公平性を担保しやすいことです。
シフト作成機能で従業員の出勤日数や希望休の日数を事前に登録しておけば、従業員が提出した希望シフトに沿って自動でシフトを作成できます。
出勤日数や希望休の日数をICTによって管理しているため、従業員ごとにシフトの負担が偏る問題を解消し、公平性を担保したシフト作成を実現可能です。
シフト作成の担当者からすると「公平なシフトを組まなければ」とプレッシャーを感じることなく、スムーズにシフト作成を行えます。
従業員からしても、システム上で公平なシフト作成をしてもらえれば、満足度と安心感の向上につながります。
人員配置の最適化・業務改善にもつながる
介護施設のシフト作成にICTを活用すれば、人員配置の最適化や業務改善にもつながります。
シフト作成機能を活用すれば、1日に必要な人員配置をアラートで知らせてくれるため、人員の不足や超過を防げます。
さらにICTを活用して適切な人員配置を実現すれば、業務量に余裕が生じてより高精度なケアサービスを提供可能です。
ICTを活用したシフト作成は、人員配置の最適化だけでなく業務改善にもつながるメリットがあります。
シフト作成が難航している事業所は、ICTを活用して適切な人員配置・業務改善を実現しましょう。
シフト作成のスキルはかなり属人的で、しっかりとシフト作成についてレクチャーを受けて作成する方は珍しいのではないでしょうか。シフト作成は各スタッフの希望休や複雑な各パートスタッフの労働条件を加味しつつ、更には夜勤や土日祝出勤の回数など、細かく挙げればキリがないほど配慮が必要な項目がたくさんあります。シフト作成者はこのように煩雑なシフトを毎月毎月頭を悩ませながら作成しているわけです。悩みすぎてシフトをスタッフに提供するのが毎月月末近くになってしまい、それがスタッフの不満に繋がっている施設もたくさんみてきました。人間が作成する以上どうしてもミスは発生してしまいます。少しのミスがスタッフの不満に繋がりやすいシフト作成こそ、効率的により正確なシフト作成が可能なシステムを導入するべきではないでしょうか。
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まとめ
介護施設のシフト作成は、煩雑化した働き方と人材不足によって難航しやすいです。
介護施設は24時間365日稼働しているため、日勤・夜勤による交代制勤務と不定期な休日を考慮したシフトを作成しなければなりません。
従業員からの希望シフトの提出が遅れると、シフトの完成が遅れがちになり、従業員のスケジュールが狂ってしまいます。
シフト作成を効率化するためには、夜勤者のローテーションを組んだり余裕のある人員配置を心がけたり、介護スタッフと適切な関係性を構築しておくことが大切です。
また介護施設のシフト作成を効率化したい場合は、介護ソフトなどのICTを導入してシフト作成を自動化しましょう。
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現場での事務作業をクラウド上で行い、書類作成・管理に関わる業務負担を軽減できます。
監修:伊谷 俊宜
介護経営コンサルタント
千葉県佐倉市出身。大学卒業後、教育サービス業界に入社したが、障がい者との交流を機 に「高齢や障がいを理由に、不当な差別を受けることのない社会を作りたい」と、介護事業者の門をたたいた。これまで、数々の特別養護老人ホーム、 グループホーム、デイサービスの立ち上げ、運営に参画。現在は、“現場第一主義!”を旗印とし、高齢者住宅、デイサービスを中心に「人気の施 設づくり」を積極的にサポートしている。