医療法人藤森医療財団 藤森病院 様
院長・医学博士 西牧 敬二 先生
当院は、高齢の患者さんが多く足腰の弱い方も多いので、患者様の利便性を上げることを理念に掲げ、病院新築に取り組みました。 一方で、患者さんのためのスペースを優先的に考えたとき、職員のムダな動きをなくし、いつでも、どこでも、誰もが診療情報に アクセスできるようにすることが重要だと考えました。そのためには、IT化は必須要件でした。
また、松本の地に根ざして120年来、「地域のかかりつけ病院」として質の高い医療を提供し、「やさしい・心遣い」のある病院を目指して活動してきました。理念の実践には、すべての医療スタッフが患者様一人ひとりの診療方針を理解し、チーム医療に邁進することが重要です。それには医師、部門スタッフ間の情報共有と連携が不可欠と考え、新病院移転を機に電子カルテシステムを中心とした病院情報システムを構築しました。
導入システムの検討にあたっては、大手の電子カルテベンダーからも提案してもらいました。当院のような規模でも、システムの機能としては中規模以上の病院情報システムと同等である必要がありますが、システムを導入するためには、機能レベルと投資コストの最適点を見出すのが課題でした。
その点で電子カルテシステムERはコストパフォーマンスの高いシステムでした。シンプルな構成でありながら必要な機能を有していること、システム専任担当者を置かなくても十分に運用できるシステムであることが選定のポイントでした。さらに、われわれの課題に対してERで実現可能な適切な提案をしてくれて、今後の様々な要求に応える“伸びしろ”を持ったシステムだと感じたことも ワイズマンを選んだ理由です。
電子カルテシステムERの導入によって、コメディカルを含むすべての医療スタッフの情報共有と円滑なコミュニケーション環境が整い、充実したチーム医療の実践が可能となりました。システムを通して治療方針をスタッフ全員が理解するとともに、変化する患者さんの状況を把握でき、一人ひとりの患者さんに向き合っていく時間、頻度が高まりました。そうした環境が、安全性の向上や満足度につながると考えています。
また、新病院竣工の効果もあり、入院患者数、外来患者数とも2割以上増加しましたが、電子カルテシステムERの導入による業務の効率化が多くの患者様への対応を可能にしました。
「カーデックス機能で付せんを利用すると、インフォームドコンセントの内容や申し送り事項がすぐに分かります。勤務を休んだ後などで、患者さんの経過把握がしやすくなりました。以前は実施後確認に、サインやホワイトボードへの記入などの手間がありました。しかし今は、すべて端末画面上で簡単にできるため、実施漏れや確認漏れがなくなりました。」(高砂看護師長)
「システム導入前は、カルテやX線写真をわざわざ見に行かなければなりませんでした。誰かが持ち出していて、閲覧できないこともしばしば。 今は、端末で情報を簡単に参照できるので、患者さんへのきめ細かい指導につながっていると思います。」(リハビリ部門 倉科さん)
医療の質的向上を実現するには、失敗の原因を検証して次に活かすことが大切です。過去の診療履歴と結果を検証し、治療方針に活かすPDCAサイクルを回すことが、質の向上につながります。それを効果的に実践するには、IT化が必須です。病院のIT化がさらなる医療の質向上につながることに、大きな期待を寄せています。
電子カルテシステムER / タックリハビリテーション支援システム / レセプトコンピューターシステム Σ / 病棟看護支援システムER / 臨床検査システムER /
※掲載内容は取材当時のものです
長野県松本市の藤森病院は、2009年に創立120周年を迎えて新病院新築を機に、電子カルテシステム導入をはじめとした病院情報システムを整備し、一気にIT化に踏み切りました。電子カルテシステムや部門システムが、医師、部門スタッフ間の情報共有化とスムーズなコミュニケーションを促進し、充実したチーム医療を実現しています。
施設 | 中小規模病院 |
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所在地 | 長野県松本市中央2-9-8 |
URL | http://www.fujimori-hosp.jp/ |
施設種別 | 外科/整形外科/内科/消化器科/透析センター |