デイサービス(通所介護)の職種とは?人員配置や役割、平均給与などを解説

2023.02.13

デイサービス(通所介護)は、要介護認定を受けた方が日帰りで利用できる介護施設です。この記事では、デイサービスで働く人の職種や平均給与、1日の仕事の流れ、デイサービスの仕事に役立つ資格などについて解説しています。これからデイサービスで働きたいと考えている方はもちろん、現在デイサービスで働いている方もぜひ参考にしてみてください。

デイサービスとは

デイサービス(通所介護)は、要介護認定を受けた高齢者が日帰りで施設に通い、食事、入浴、排せつの介助、レクリエーション、機能訓練などを受ける介護サービスです。施設によってはリハビリテーションや認知症に対応していたり、泊まりで利用できたりするところもあります。また、要介護者のご家族の負担を軽減するレスパイトケアの役割も担っています。

デイサービスを利用するための条件

  • 要支援1〜2あるいは要介護1〜5の認定を受けている65歳以上の高齢者
  • 特定疾病を患っている64歳未満の方

デイサービスの種類と概要

デイサービスの種類サービスの概要
認知対応型認知症の正しい知識がある職員が対応し、認知症の方の介護について悩んでいるご家族の相談にも乗ってくれる。
リハビリ特化型理学療法士や作業療法士などの専門職員が多く、リハビリテーションを重視しており、フィットネスクラブと同様のトレーニングも可能。
趣味特化型高齢者が、編み物や書道、カラオケ、囲碁、将棋などの自分の趣味を楽しむことを目的としているデイサービス。
レスパイト型介護を担うご家族の負担軽減が主な目的で、要介護者の滞在時間が長いことが特徴。
地域密着型少人数限定のデイサービスで、手厚いサポートを受けられる。
療養通所介護医療ケアを常時必要とする方向けのデイサービスで、通常のサービスに加えて医療ケアを随時受けられる。

デイサービスの費用は、施設の規模や滞在時間、要介護度によってこまかく設定されています。通常型規模型のデイサービスの費用(1割負担の場合)は以下の通りです。なお、1単位を10円として費用を計算しています。

【通常規模型】

要介護度時間費用(1割負担の場合)
要介護13時間以上4時間未満368円
要介護2421円
要介護3477円
要介護4530円
要介護5585円
要介護14時間以上5時間未満386円
要介護2442円
要介護3500円
要介護4557円
要介護5614円
要介護15時間以上6時間未満567円
要介護2670円
要介護3773円
要介護4876円
要介護5979円
要介護16時間以上7時間未満581円
要介護2686円
要介護3792円
要介護4897円
要介護51,003円
要介護17時間以上8時間未満655円
要介護2773円
要介護3896円
要介護41,018円
要介護51,142円
要介護18時間以上9時間未満666円
要介護2787円
要介護3911円
要介護41,036円
要介護51,162円

(※)参考図書:参考図書:中央法規出版「プロとして知っておきたい! 介護保険のしくみと使い方 2021年介護保険改正対応: ケアマネ・相談援助職必携(2021/4/15)」p73

関連記事:「デイサービス(通所介護)とは?種類や利用条件・費用、サービス内容を解説」

デイサービスの人員配置

管理者常勤で1名
生活相談員サービス提供時間に応じ、事業所ごとに専従で1人以上
看護職員単位ごとに専従で1人以上
介護職員ア)利用者数が15人以下の場合は、1人以上(*1)
イ)利用者数が15人を超えた場合は、ア)の数にその超えた数が1人増えるごとに0.2を加える(*1)
機能訓練指導員1人以上

(*1)サービス提供時間に応じ、単位ごとに専従である必要がある

上記の決まりを踏まえると、例えば利用者の数が25人になった場合、15人を10人超えるので10✕0.2+1=3となり、3人以上の配置が必要となります。

デイサービスで働く人の職種

デイサービスの職種は提供しているサービスや運営体制によって異なりますが、主に以下の7つの職種があります。

  • 管理者
  • 生活相談員
  • 看護職員
  • 介護職員
  • 機能訓練指導員
  • 調理師
  • 事務員

 それぞれの職種について詳しく見ていきましょう。

管理者

管理者は、デイサービスの業務全般を統括管理する責任者です。主な業務は、デイサービスの運営管理、建物の管理、職員のシフト作成、レセプト作成、担当者会議の開催など多岐にわたります。

生活相談員

生活相談員は、デイサービスの窓口的存在です。デイサービスの利用者やそのご家族からの相談対応、介護サービス利用のための手続き、医療機関との連絡調整などを行います。生活相談員として働くためには社会福祉士などの資格が求められます。

看護職員

利用者の健康管理業務を担うのが看護職員です。利用者のバイタルチェック、服薬管理、容態が急変した時の対応、 医療的措置(インスリン注射、包帯での処置、じょくそう対応など)などを行います。

介護職員

デイサービスの介護職員は、利用者が充実した日常生活を過ごせるよう生活全般をサポートします。具体的には、利用者の入浴や排せつ、食事などをサポートする身体介護や、レクリエーションの実施、車による利用者の送迎などです。

機能訓練指導員

機能訓練指導員は、デイサービスの利用者ができるだけ身の回りのことを自分でできるようサポートを行います。具体的な業務内容は、 ADL(生活能力)の評価、日常生活訓練や家事動作訓練の実施、口腔体操の訓練実施、マシントレーニングの実施などです。

調理師

デイサービス利用者の楽しみの一つに食事があります。そのための役割を担うのが調理師です。 具体的な業務内容は、食材の発注・仕入れ、料理の仕込み、調理、食事の提供、厨房の清掃、食器類の洗浄などです。

事務員

デイサービスの事務員はデスクワークが中心で、基本的に介護業務は行いませんが、施設運営をサポートします。具体的な業務内容は、電話対応や窓口対応、利用者の送迎、配膳補助、請求業務、管理表の作成などです。

デイサービスで働く人の平均給与

ここでは、デイサービスで働く人の平均給与について見ていきます。

以下の表は、令和3年9月における介護職員の平均給与額について、全体と通所介護の平均給与の比較をしたものです。介護職員等特定処遇改善加算を加味しているため平均給与が底上げされてはいるものの、通所介護の平均給与は全体平均と比べると低いことがわかります。

令和3年度に新たに介護職員等特定処遇改善加算を取得(届出)した事業所における介護職員の平均給与(月給・常勤者)

令和3年9月令和2年9月
全体293,800円280,390円
通所介護275,670円264,730円

また、以下の2つの表は、介護従事者等の各職種別にみた平均給与額です。介護職員等特定処遇改善加算か介護職員処遇改善加算かの違いがあるため、両者の金額には差が見られます。しかし、どちらにも共通していえることは、より専門性の高い職種ほど平均給与額が高いということです。

専門性を高めるための手段としては、資格の取得が挙げられます。無資格・未経験から介護職に就職したとしても、経験や知識を積み新たに資格取得をすればキャリアアップできるチャンスがあるということも、これらのデータからはわかります。

特定処遇改善加算取得事業所における介護従事者等の平均給与額の状況(月給・常勤者)

職種令和3年9月令和2年9月
介護職員323,190円315,410円
看護職員371,340円364,610円
生活相談員344,790円336,370円
機能訓練指導員351,110円342,270円
事務職員302,980円296,770円
療養通所介護261,380円255,850円

処遇改善加算Ⅰ~Ⅲ取得事業所における介護従事者等の平均給与額の状況(月給・常勤者)

職種令和3年9月令和2年9月
介護職員286,850円281,390円
看護職員358,240円353,200円
生活相談員315,540円307,820円
機能訓練指導員345,340円339,050円
事務職員294,790円288,970円
療養通所介護245,880円239,860円

(※)参考:令和3年度介護従事者処遇状況等調査

デイサービスで働く介護職員の1日の流れ

デイサービスで働く介護職員の1日の流れを見てみましょう。始業時間と終業時間は施設によりさまざまですが、以下の例では8時始業、17時終業、休憩1時間の8時間労働のケースで見ていきます。

時間業務業務内容
8:00出勤1日の予定を確認
8:30デイサービス送迎利用者の荷物・昼食後の薬の準備
9:30施設到着健康状態の確認
10:00レクリエーションラジオ体操・脳トレなどのレクリエーション
11:00入浴介助入浴準備・入浴介助・後片付け
12:00昼食配膳・食事介助・服薬介助・口腔ケア
13:00機能訓練個別に機能訓練を行う
14:30レクリエーション準備、利用者の誘導、後片付け
15:00おやつ配膳および食事介助、後片付け
15:40送迎利用者の荷物の準備、自宅までの送迎
16:40介護記録・清掃利用者の様子を記録、施設の清掃・後片付け
17:00退勤伝達漏れがないことを確認して退社

デイサービスは日帰りで利用される方が中心なので、基本的には夜勤はありません。生活リズムを崩さずに仕事ができるため、「介護の仕事をしたいけれど夜勤が苦手」という人におすすめです。

デイサービスは未経験・無資格でも働ける?

デイサービスは未経験や無資格であっても働けます。もちろん資格があったほうが就職や転職には有利ですが、人物重視で採用しているデイサービスもあります。デイサービス業務は毎日利用者と顔を合わせる仕事であり、コミュニケーション能力の高い人や明るく元気な人を求める傾向にあるためです。

未経験・無資格であったとしても、人柄とやる気をしっかりとアピールできれば、介護職員として採用されやすいでしょう。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、介護の初心者におすすめの資格です。受験資格は特に定められておらず、誰でも受けられます。

介護職員初任者研修を取得すると、利用者の身体に触れる必要のある身体介護ができるようになります。食事介助や入浴介助にも携わることができるため、仕事の幅が広がるでしょう。

実務者研修

実務者研修は、介護に関する知識や技術を幅広く身につけ、質の高い介護サービスの提供を目指すための研修です。

実務者研修を修了すると資格取得者として認められ、より自信をもって業務に取り組めるのはもちろん、国家資格である介護福祉士の受験資格の要件もクリアできます。給与アップも見込まれるため、仕事に対するモチベーションも高まるでしょう。

実務者研修は、介護に関する知識や技術を幅広く身につけ、質の高い介護サービスの提供を目指すための研修です。

実務者研修を修了すると資格取得者として認められ、より自信をもって業務に取り組めるのはもちろん、国家資格である介護福祉士の受験資格の要件もクリアできます。給与アップも見込まれるため、仕事に対するモチベーションも高まるでしょう。

介護福祉士

介護福祉士は介護のスペシャリストとして活躍できる国家資格です。デイサービスにおいても、施設の中心的な存在として要介護者やそのご家族にアドバイスを行ったり、介護職員の指導等を行ったりできます。また、転職が有利になったり給与アップが見込めたりするメリットもあります。

社会福祉士

社会福祉士は、介護にかかわる一定の知識や技能を有していることを認定する国家資格です。施設の利用を希望している方やそのご家族の相談に応じたり、施設内外との調整を行ったりします。

社会福祉士は国家資格であるため、介護福祉士と同様、転職が有利になったり給与アップが見込めたりします。また、デイサービス内においても一目置かれる存在となり、利用者からの相談にも自信をもって対応できるようになるはずです。

介護予防

人は歳を重ねると心身の衰えを感じるようになりますが、一方では誰もがいつまでも自立した日常生活を送りたいと願っています。そのために必要となるのが「介護予防」です。

介護予防に関する資格には、介護予防運動指導員、介護予防指導士、介護予防健康アドバイザーがあります。それぞれの資格の特徴は以下の通りです。これらの資格を取得することで、デイサービス利用者に対してより適切なプログラムやレクリエーションの提案ができるようになり、利用者満足度の向上にもつながるでしょう。

介護予防をサポートする資格資格の概要
介護予防運動指導員高齢者の介護予防プラグラムの立案やトレーニング指導、介護予防教室などの講師として活躍できる
介護予防指導士筋トレ、ストレッチ、栄養ケア、口腔ケアなどの介護予防の指導を行う
介護予防健康アドバイザー高齢者が無理なく安全に運動できるための指導や運動プログラムの作成を行う

まとめ

デイサービスではさまざまな職種の人が働いています。基本的に利用者は日帰りで、日によって顔ぶれも違うため、最初は利用者の名前と顔が一致しないこともあるかもしれません。また、資格を取るなどして活躍の幅が広がれば広がるほど、煩雑な業務に悩まされることもあるでしょう。そんなときに働きやすさを実現してくれるのが「介護ソフト」です。

例えばワイズマンの「通所介護ソフト(デイサービス管理システムSP)」は、利用者の記録をリアルタイムに入力し情報を共有することが可能です。また、予定や実績を自動で作成できるため事務作業を軽減できます。

デイサービスで働くことを考える際には、介護ソフトが導入されているかどうかも重視すべきポイントとして押さえておきましょう。事務作業の効率化を図れば、利用者に対するサービスの質が高まり、利用者満足度の向上にもつながるはずです。

介護ソフトの資料請求や、デモンストレーションをご希望の方はこちらから簡単にお問い合わせいただけます。

デイサービス管理システムSPお問合せ

デイサービスに関連するコラム

資料をダウンロード

製品・ソリューションの詳細がわかる総合パンフレットを無料でご覧いただけます

ダウンロードはこちら
検討に役立つ資料をダウンロード

製品・ソリューションの詳細がわかる総合パンフレットを無料でご覧いただけます

ダウンロードはこちら