認知症デイサービスとは?特徴や1日の流れ、働くメリットや注意点を解説

2023.06.01

認知症デイサービスは、認知症の方に対してサービス提供すると同時に、社会的なつながりを目的とした支援を行う通所型の介護サービスです。研修を修了した介護職員が専門的ケアを提供しているため、認知症の方でも安心してサービスを受けられます。また、同居されるご家族の身体的および精神的な介護負担の軽減をする役割を担います。

この記事では、認知症デイサービスで働かれている方向けに期待できるメリットや、働くうえでの注意点について解説します。ご自身の働く事業所に関する知識が深まりますので、ぜひ最後までお読みください。

認知症デイサービスとは?

認知症デイサービスは認知症対応型通所介護とも呼ばれ、その名の通り認知症の方を対象とした小規模なデイサービスのことです。

認知症の高齢者が自立して生活できるように、日常のお世話や機能訓練によって社会的孤立の解消や心身の機能維持を図ります。さらにご家族の身体や精神的負担の軽減も目的としています。

一般的なデイサービスとの違い

一般的なデイサービスには、利用者数の定員基準は特にありません。一方、認知症デイサービスでは、サービスの提供の単位ごとに利用者の定員が12人以下に定められています。利用者が少人数のため、手厚いサポートを提供できるといえるでしょう。

また、認知症の方に対して専門的ケアを提供できる点で、一般的なデイサービスとは異なります。

認知症デイサービスの管理者には、認知症対応型サービス事業管理者研修の修了が義務づけられています。そのため、認知症の専門的知識を有している職員が利用者の介護を行います。

デイサービスの概要について詳しく知りたい方は、下記をご参照ください。
関連記事:「デイサービス(通所介護)の職種とは?人員配置や役割、平均給与などを解説

認知症デイサービスの特徴

次に認知症デイサービスを利用できる人の条件と利用料金について、おさらいしてみましょう。

利用できる方

認知症デイサービスを利用するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 医師から認知症の診断を受けていること
  • 利用するデイサービス施設の事業所と同じ市町村に住んでいること
  • 要介護または要支援の認定を受けていること
    (要支援認定を受けた方は、介護予防認知症対応通所介護の利用となる)

自己負担額

認知症デイサービスは、単独で認知症デイサービスを行う事業所である「単独型」、特別養護老人ホームや病院などの施設に併設されている事業所である「併用型」、認知症グループホームのリビングを利用してサービスを提供する「共用型」の3種類に分かれています。

自己負担額は種類ごとに異なり、「共用型<併設型<単独型」の順に料金が高くなります。

以下表に利用料金の目安をまとめました。

【単独型の利用料金の目安】

利用時間要介護度1要介護度2要介護度3要介護度4要介護度5
3時間以上
4時間未満
489円538円586円636円685円
4時間以上
5時間未満
512円563円615円666円717円
5時間以上
6時間未満
767円849円931円1,011円1,094円
6時間以上
7時間未満
786円871円955円1,037円1,122円
7時間以上
8時間未満
889円984円1,081円1,177円1,272円
8時間以上
9時間未満
917円1,015円1,115円1,215円1,314円

【共用型の利用料金の目安】

利用時間要介護度1要介護度2要介護度3要介護度4要介護度5
3時間以上
4時間未満
265円275円284円293円303円
4時間以上
5時間未満
277円288円297円307円317円
5時間以上
6時間未満
443円458円475円491円507円
6時間以上
7時間未満
455円470円487円503円519円
7時間以上
8時間未満
520円539円557円575円595円
8時間以上
9時間未満
537円556円575円594円615円

※)参考:公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」

提供できるサービス内容

認知症デイサービスで提供できるサービスは、基本的に一般的なデイサービスとほとんど同じです。以下のようなサービスがあります。

  • 送迎
  • 体調チェック
  • 食事
  • 入浴介助
  • 排泄介助
  • 機能訓練
  • レクリエーション
  • ティータイム
    など

介護職員は利用者の見守りを行いながら、必要に応じて介助を担当します。認知症の方であっても、ご自身でできることまで奪ってしまわないように介助にあたる姿勢が大事です。

認知症デイサービスの仕事内容

認知症デイサービスの介護職員は、2名以上(提供時間に応じて1名以上)の配置が人員基準で定められています。なお、勤務形態はデイサービスと同じで、朝から出勤して夕方に退勤することが一般的です。夜勤はありません。

競合他社との差別化を図るため、昼食の献立やレクリエーションに特に力を入れている事業所が多い傾向があります。

介護職員はチームで協力して複数の利用者の介助に取り組むため、利用者の情報共有・情報連携が欠かせません。

認知症介護で培った知識や経験は、将来両親の介護を行ったり、ほかの施設に転職したりする際には大きなアドバンテージとなりえるでしょう。

次章で認知症デイサービスの具体的な仕事の流れを紹介します。

認知症デイサービスの1日の流れ

認知症デイサービスで働く介護職員の1日の流れの例を紹介します。

時刻業務業務内容
8:00出勤1日の予定を確認
8:30デイサービス送迎利用者の荷物・昼食後の薬の準備
9:30施設到着健康状態の確認
10:00レクリエーションラジオ体操・脳トレなどのレクリエーション
11:00入浴介助入浴準備・入浴介助・後片付け
12:00昼食配膳・食事介助・服薬介助・口腔ケア
13:00機能訓練個別に機能訓練を行う
14:00レクリエーション準備、利用者の誘導、後片付け
15:00おやつ配膳および食事介助、後片付け
15:40送迎利用者の荷物の準備、自宅までの送迎
16:40介護記録・清掃利用者の様子を記録、施設の清掃・後片付け
17:00退勤伝達漏れがないことを確認して退社

介護記録で利用者の様子を記録することは、介護保険法でも決められています。他の職員との情報共有にも必要な記録になるため、情報の不足や抜け漏れがないように注意しなくてはいけません。

手書きで記録を残す場合は時間や手間がかかってしまい、この時間を介護の時間にあてられたら……と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。このような場合は、記録ソフトを活用するのがおすすめです。

ワイズマンの施設・特定施設・通所サービス向け ケア記録支援ソフトは、利用者様の健康状態や介護状況をその場で記録・参照できるため、記録にかかる業務時間を短縮できます。ソフトの詳細は以下からご覧ください。

>>「施設・特定施設・通所サービス向け ケア記録支援ソフト

一般的なデイサービスで働く職種紹介などは、以下からご覧いただけます。

関連記事:デイサービス(通所介護)の職種とは?人員配置や役割、平均給与などを解説

認知症デイサービスで働くには?

特定施設のサ高住で働くメリット

介護職員の場合は、無資格・未経験でも働けますが、その他の職種においては資格が必要になります。管理者の場合は、厚生労働大臣が定める研修を修了することや、介護サービス提供に伴う専門知識が求められます。

また、生活相談員、機能訓練指導員、看護職員はそれぞれ国家資格が必要です。

認知症デイサービスで働く際に持っていると有利な資格は、以下が挙げられます。無資格・未経験から認知症デイサービスで働こうと考えている方は、取得しておくと良いでしょう。

  • 認知症ケア専門士
  • 認知症ケア上級専門士
  • 認知症介助士
  • 認知症ライフパートナー
    など

ただし、資格が効果を発揮するのは認知症介護の実務経験を伴う場合です。

実務経験なしの資格保有者と資格なしの実務経験者とでは、後者の方が採用時には有利となる傾向があります。

認知症デイサービスで働くメリット

認知症デイサービスで働くメリットは主に3つ挙げられます。

各利用者にあったサービスを提供できる

利用者が多い介護事業所では、どうしてもサービスや時間が画一的になってしまいがちです。

その点、利用者数が少ない認知症デイサービスは、利用者ごとの要望に合わせてサービスが提供できます。他の施設形態と比べると、時間に追われることも少ないといえるでしょう。

少人数制のため一人ひとりにしっかり向き合える

認知症デイサービスは、利用者定員が少数であるため、一人ひとりに寄り添ったサービスを提供できます。

業務が多忙で利用者と関わる時間がなかなか取れない介護事業所が多い中、利用者にじっくりと向き合いたい方にはピッタリです。

残業が少ない傾向がある

デイサービスは、あらかじめ利用者の送迎時間が決まっています。そのため、利用者の送迎が済んだら仕事が終わりになるので、残業はほとんどありません。

ただし、介護記録を書くために多少の残業が発生することがあります。

認知症デイサービスで働く際の注意点

認知症デイサービスで働くには、認知症の方の行動や考えを理解して接することが必要です。「まだご飯を食べていない」、「家に帰りたい」といった利用者の言葉は、短期記憶が薄れてきていることが原因であるケースも多いです。

認知症の方に対して、間違いを否定したり責めたりしてはいけないといわれるのはそのためです。

認知症の方の介護で大切なことは、説得することではなく、共感することです。たとえ認知症を患ったとしても、私たちと同じ人間として接することを忘れないようにしましょう。

まとめ

認知症デイサービスの業務として、毎日の利用者の健康チェックがあります。たとえ少人数であっても、バイタルの測定値を紙媒体で管理するのは手間とコストがかかるうえに、過去のデータを検索するのに時間を要します。介護ソフトを導入することにより、機器で測定した値をタブレットシステムに簡単に反映させることが可能です。

また、これまで送迎業務はベテラン職員の土地勘に頼るほかなく、新人職員に任せることができなかった経験はないでしょうか。介護ソフトの送迎システムを使用することで、ルート作成時間の短縮と送迎ルートの効率化を実現できます。送迎業務を新人職員に任せて、ベテラン職員にはより重要な業務を任せられるようになるでしょう。

介護ソフトの資料請求をご希望の方は、こちらから簡単にお問い合わせいただけます。お気軽にお問い合わせください。
>>「通所介護ソフト(デイサービス管理システムSP(グループホーム活用型)

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