地域密着型通所介護ソフトとは?役立つ機能や導入時のメリットなどを解説

2023.11.08

デイサービスの一種である地域密着型通所介護は、要介護者やその家族にとって重要な介護サービスです。

ただ、利用者へのケアや送迎などさまざまな業務があるため、スタッフの負担が大きくなりやすい傾向があります。
そのような状況において、事務作業を効率化できる地域密着型通所介護ソフトは欠かせないものです。

本記事では、地域密着型通所介護ソフトの魅力について、搭載機能や選び方を交えて解説します。
自施設の事務業務効率化を検討中の方はぜひ参考になさってください。

【基礎知識】地域密着型通所介護とは

地域密着型通所介護とはデイサービスの一種です。

一般的に、デイサービスは要支援者や要介護者を対象に、日中にのみサービスを提供する介護サービスを指します。
そしてデイサービスのなかでも利用者の定員が18人以下で設定されている介護サービスが、地域密着型通所介護と呼ばれます。
地域密着型通所介護では、一般的なデイサービスと同様に利用者のケアや機能維持訓練などを提供します。
通常のデイサービスよりも小規模な分、地域密着型通所介護は地域と連携したケアサービスの提供が可能です。

ただし、地域密着型通所介護を使用できるのは要介護1級以上であり、要支援1級・2級は使用できません。

地域密着型通所介護ソフトとは

地域密着型通所介護ソフトとは、介護福祉ソフトの一種です。
地域密着型通所介護ソフトには、実際に行われるサービスのサポートを支援したり、利用者の情報を記録したりする機能が搭載されています。
それだけでなく、国保連や利用者への請求作業を管理できる機能が搭載されている点も特徴です。

地域密着型通所介護の現場では、毎日訪問する利用者が異なるうえに、それぞれに応じた細かなケアが求められます。
利用者へのケアが業務のウェイトを多く占めているため、スタッフは請求やケア記録などの事務作業になかなか時間を割けません。
そのため、事務作業の効率化は、地域密着型通所介護施設にとって重要な課題です。

地域密着型通所介護ソフトは、そのような現場のニーズに応え、スタッフにかかる事務作業の負担を軽減する効果が期待できます。

地域密着型通所介護ソフトの主な機能

地域密着型通所介護ソフトにはさまざまな機能が搭載されています。
代表的な機能は以下の通りです。

  • 利用者管理機能
  • 請求書作成機能
  • 計画立案機能
  • 記録機能
  • LIFE情報機能

いずれの機能も地域密着型通所介護の業務をサポートし、効率化する効果が期待できます。
それぞれ解説するので、ぜひチェックしてください。

利用者管理機能

利用者管理機能とは、サービスの利用者に関する基本的な情報を管理し、いつでも閲覧できるようにする機能です。

利用者管理機能は利用者の氏名や健康状態などはもちろん、介護保険の加入状況や利用実績も一元管理できます。

また、新たな情報を追加したり、既存のデータを変更した際には、関係部門へリアルタイムで共有できる点も魅力。
変更内容はそのまま実績や請求内容に反映されるため、打ち直したり、転記したりする必要がありません。

請求書作成機能

地域密着型通所介護に限らず、介護サービスでは介護報酬や利用料金などさまざまな請求書を作成する業務が発生します。
通常、請求書の作成業務には多くの工数がかかりますが、請求書作成機能を活用すれば効率よく作成できます。

例えば、前述した利用者情報・実績データと連携し、請求書を自動で作成できます。
データを参照しながら請求金額を計算する手間がかからないため、手作業で行うよりもスピーディーな請求書の作成が可能です。

計画立案機能

各利用者の通所介護計画書の作成も、地域密着型通所介護ソフトの機能の1つです。
計画立案機能を使えば、登録された利用者の情報を元に自動で計画書を作成できます。

また、同じソフト内で計画書の進捗状況やスケジュールを確認できるため、状況に応じた必要なケアの確認もできます。
そのため、訪問する利用者が変わっても、ケアサービスのスムーズな提供が可能です。

記録機能

地域密着型通所介護ソフトには、利用者のさまざまな情報を記録する機能も搭載されています。
記録方法は、一般的なパソコンでの入力だけでなく、タブレットを使ったタッチ入力や音声、手書きなどにも対応。

その時々にあった方法で入力できるため、記録作業にかかる時間を短縮できるでしょう。
なお、記録したデータはほかのスタッフにも共有が可能です。
万が一、体調不良などで担当スタッフが欠勤した場合でも、ほかのスタッフが引き継ぎやすいでしょう。

LIFE情報機能

地域密着型通所介護ソフトには、LIFE情報機能が搭載されている製品もあります。
LIFE情報機能とは「科学的介護情報システム」とも呼ばれているものです。

LIFE情報機能では利用者の状態・行動・栄養状態などの情報や、各施設の情報を収集し、分析を行います。
そして分析結果を元に、利用者や施設ごとにフィードバックを実施し、さらなるケアサービスの向上を実現することがLIFE情報機能の目的です。
このように、LIFE情報機能は科学的なエビデンスに基づいた介護の実現に寄与するうえで欠かせない機能です。

また、2021年の介護報酬改定以降、LIFE情報機能の活用が要件に組み込まれた加算が新たに設定されました。
そのため、介護ソフトを通じたLIFE情報機能の導入は、あらゆる介護施設にとって重要な課題です。

地域密着型通所介護ソフトを導入した際のメリット

さまざまな機能を搭載している地域密着型通所介護ソフトですが、導入すると以下のようなメリットが期待できます。

  • 国保連請求など煩雑な手続きを効率化
  • 業務の負担軽減によりケアのクオリティを向上
  • バージョンアップで法改正にも対応

メリットを知ると、実際に導入した際の効果をイメージしやすくなります。
それぞれ順に解説します。

国保連請求など煩雑な手続きを効率化

介護サービスにおいて、国保連請求や利用料の請求などは煩雑になりやすい業務の1つです。
とりわけ利用実績を確認しながら請求内容を作成する作業は、手作業で行うと多くの時間・手間がかかります。

地域密着型通所介護ソフトを導入すれば、利用実績を請求内容に反映させたうえで請求書を作成できます。
入力箇所が減ることで、従来よりも効率良く作業をこなせるでしょう。

加えて、支援計画書や業務日誌の作成などそのほかの事務作業も、ソフトがあればスピーディーに対応が可能です。

業務の負担軽減によりケアのクオリティを向上

地域密着型通所介護ソフトによって事務作業を効率化すれば、スタッフの業務の負担を軽減できます。
負担が軽減すれば、スタッフがコア業務である利用者のケアに集中しやすくなります。
その結果、施設が提供できるケアのクオリティ向上が実現するでしょう。

また、LIFE情報機能もケアのクオリティを向上させるうえで不可欠です。
利用者の情報を多角的に分析すれば、施設が抱える経営課題が明確になり、ケアサービスの品質向上に取り組むきっかけを得られます。

バージョンアップで法改正にも対応

地域密着型通所介護ソフトは、バージョンアップするだけで法改正にも対応できる点も魅力です。

以前までは法改正が入る度に、事務作業の見直しや書類の変更をしなければなりませんでした。
しかし、地域密着型通所介護ソフトを使っていれば、ベンダーがバージョンアップするだけで事務作業を現行の法令に合わせられます。
そのため、業務に遅滞を発生させずに、スムーズに対応できます。

地域密着型通所介護ソフトの選び方

地域密着型通所介護ソフトはさまざまな製品がありますが、自施設に合ったソフトを選ぶなら以下のポイントを比較しましょう。

  •  効率化したい業務と機能を比較する。
  •  価格と契約形態の確認
  •  導入形態をチェック
  •  ソフトの操作性は優れているか

選び方を知っておけば、初めてソフトを購入する際でも失敗を避けやすくなります。
それぞれの選び方について、順番に解説します。

効率化したい業務と機能を比較する

介護ソフトを選ぶ際は、効率化したい業務と比較しましょう。

介護ソフトは製品によって機能が異なっており、なかには特定の機能しか搭載されていないものもあります。
そのため、効率化したい業務に合わせて選ばないと適切な運用ができません。
ただし搭載している機能が多い製品は料金が高くなるため、必要な機能を吟味しながら選びましょう。

なお、地域密着型通所介護ソフトなら、通所スケジュールや利用者のケアプランを管理できる機能などを搭載しているものがおすすめです。

価格と契約形態の確認

地域密着型通所介護ソフトを導入する際は、価格と契約形態を確認しましょう。

ソフトの価格は単純に機能だけで決まるものではありません。
月額・買い切り・使用権ライセンス購入型など、契約形態によっても価格は変化します。

一般的に初期費用を抑えてソフトを導入するなら、月額料金での契約や使用権ライセンスの購入がおすすめです。
ただし、長期的に運用する場合は、かえって多くのコストがかかるため注意が必要です。

導入形態をチェック

ソフトの導入形態には、大きく分けてオンプレミス型とクラウド型があります。

オンプレミス型はカスタマイズ性が高い導入形態です。
自施設の状況に合わせて機能を拡張できる点が魅力ですが、サーバーやネットワークを自前で設置しなければならないため、初期費用が高くなりやすい傾向があります。

一方のクラウド型は初期費用がかからないものが多く、低コストで運用を開始できます。
ただし、コード変更を伴うカスタマイズに対応していないため、適用度を重視する場合はご注意ください。

いずれの導入形態も一長一短があるため、価格だけでなく自施設の設備や環境に合わせて選びましょう。

ソフトの操作性は優れているか

ソフトの操作性も注目すべきポイントです。
一般的に介護ソフトはパソコンで操作するものが多いですが、なかにはスマホやタブレットと連携できるものもあります。

スマホやタブレットと連携できるソフトなら、手元で利用者のデータを確認できます。
そのため、資料を確認するために事務所へ戻る必要がありません。

また、ソフトのインターフェースや機能が使いやすい仕様になっているかも確認しましょう。
手軽に操作できるソフトであるほどスタッフが扱いやすくなり、業務効率が上がります。

伊谷 俊宜氏
伊谷 俊宜氏

地域密着型通所介護の事業所数は、2016年の23763事業所をピークにその後毎年減少し続け、2022年には18947事業所まで減ってしまいました。これは2015年介護報酬改定で大幅に減算され、その後の改定でも厳しい改定内容が続いた結果でもあります。このように厳しい環境にある業態なのですが、短時間の機能訓練特化型施設など人気の高い施設も多数あり、この逆風の中でも経営努力で利益を出している施設も数多くあります。経営が安定している地域密着型通所介護事業所の特長として、介護ソフトの導入などICT化を推し進め、業務を徹底的に効率化していることが挙げられます。介護事業最大のコストである人件費を抑えつつ、売上を上げていくためにはICT化による生産性向上と加算算定のための帳票作成簡略化が必須といえます。

地域密着型通所介護で使うならワイズマンの「すぐろくTablet」がおすすめ

地域密着型通所介護で使うなら、ワイズマンのすぐろくTabletがおすすめです。

すぐろくTabletは通所スケジュール管理・ケア記録など、地域密着型通所介護に不可欠な機能を搭載しています。
いずれの機能も使いやすさにこだわって設計されており、誰でも手軽に操作できます。

さらにバイタル機器で計測したデータを直接反映させられるので、測定結果を手作業で転記する必要がありません。
ワイズマンシステムSPと連携し、売上や稼働状況などの集計や経営改善に使える資料の作成も可能です。

地域密着型通所介護ソフトならケアの品質向上を実現できる

地域密着型通所介護ソフトは事務作業を効率化し、従業員の業務負担を削減する効果が期待できます。
とりわけ利用者管理機能やLIFE情報機能などは、より優れたケアサービスの提供にも役立てられる機能です。

実際にソフトを導入する際は、価格や導入形態などを確認して選びましょう。
また、対応サービスや搭載している機能を比較するなど、自施設で活用できるソフトかどうかの確認も重要です。

地域密着型通所介護ソフトの導入をお考えの方は、地域密着型通所介護に役立つ機能が揃ったすぐろくTabletをご検討ください。

監修:伊谷 俊宜

介護経営コンサルタント

千葉県佐倉市出身。大学卒業後、教育サービス業界に入社したが、障がい者との交流を機 に「高齢や障がいを理由に、不当な差別を受けることのない社会を作りたい」と、介護事業者の門をたたいた。これまで、数々の特別養護老人ホーム、 グループホーム、デイサービスの立ち上げ、運営に参画。現在は、“現場第一主義!”を旗印とし、高齢者住宅、デイサービスを中心に「人気の施 設づくり」を積極的にサポートしている。

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