送迎システムの導入効果とは?搭載機能と導入時の注意点を解説
2024.04.19
デイサービス事業者にとって重要な日常業務のひとつが、利用者の「送迎」だと思います。
2016年に経済産業省がまとめた『将来の介護需要に即した介護サービス提供に関する研究会報告書』によると、デイサービス事業者の業務のうち約3割が送迎業務による負担でした。
限られた人員でスムーズな送迎を実現するには、システムの活用がおすすめです。
本記事では、送迎システムの基本機能と導入メリット、導入時の注意点などをわかりやすく解説します。
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介護ソフトの導入時によくある問題と対策についても記載していますので是非ご活用ください。
目次
送迎システムとは?
「送迎システム」は、送迎ルートを自動作成する機能や、ルート案内など、総合的に送迎業務を支援してくれるシステムです。
例えば、送迎計画を作成する場合、利用する送迎車と利用者を選択するだけで、自動的にルートを生成してくれます。
出発時間や到着時間なども表示されるため、それらの情報をもとに送迎計画を作成できます。
土地勘がない方や経験が少ない新人スタッフでも、短時間で送迎計画を作成できるでしょう。
また、スマートフォンやナビのGPSを使い、送迎車の動向を追跡できます。
実績としてデータを収集できるため、交通状況や道幅などを考慮し次回のルート作成に活かせます。
送迎システムの活用は、人手不足が問題視される介護業界において、業務効率化の方法として注目されています。
各社、さまざまな機能を搭載した送迎システムを提供しているため、機能を十分に理解し自施設に合った製品を選びましょう。
送迎システムの基本機能
送迎システムには、主に以下の機能が搭載されています。
- 送迎スケジュールの作成・管理
- 送迎ルート案内(カーナビ機能)
- 送迎状況・実績の確認
ここでは各機能の概要について活用例を交えながら解説します。
送迎スケジュールの作成・管理
紙やExcelでのスケジュール作成に比べると、送迎システムは非常にシンプルにスケジュール作成が可能です。
基本的には、地図を見ながらスケジューリングをしたり、事前に登録した送迎元をドラッグアンドドロップで並べ替えたりして作成します。
また、リアルタイムでスケジュール変更が可能です。
そのため、当日キャンセルや、利用者の都合で送迎順を早めて欲しいなどの要望にも迅速に対応できます。
送迎ルート案内(カーナビ機能)
送迎システムには、送迎ルート案内機能が付いているものが多いです。
GPSで現在地情報を確認して、迷うことなく、適切に利用者を送迎できます。
システムの中には、道中の目印になる建物画像を登録できるものもあります。
その機能があれば、突然のドライバー変更でも安心して送迎業務を遂行できるでしょう。
送迎状況・実績の確認
送迎システムでは、送迎の状況や実績をリアルタイムで確認できる機能が搭載されています。
この機能により、送迎が予定通りに行われているか、遅延やトラブルが発生していないかなどの情報を瞬時に把握できます。
また、過去の送迎の実績や履歴を参照することで、ルートを最適化できたり、利用者の乗車場所を見直したりと、サービスの改善に繋がります。
送迎システムの導入メリット3選
実際に送迎システムを導入すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?
システムを新規で導入するには費用がかかります。
また、スタッフにはシステムを使った運用に慣れる必要があります。
それに見合った効果が具体的にイメージできるように、以下に導入メリットをまとめました。
送迎スケジュール作成の手間が省ける
送迎スケジュールの作成は、時間のかかる作業です。
従来、手書きやエクセルなどでの管理が一般的でしたが、システムを導入することで、自動的にスケジュールを作成・調整できるようになります。
作業負担が軽減され、従来よりも短時間で作業を遂行できます。
また、変更やキャンセルが発生した際の通知機能や、ドライバーや利用者へのリマインダー機能も備えているため、変更に対する対応力を強化できます。
このように、送迎システムを利用することで、作業負担が軽減され、業務を効率化できるのです。
送迎キャンセルや交通遅延などにすぐ対応可能
システムは、リアルタイムで利用者情報を共有しています。
キャンセル情報もすぐドライバーに連絡することができるので、効率的に送迎運用が可能です。
送迎業務で避けては通れないのが、当日の送迎キャンセルや交通遅延での到着遅れでしょう。
端末上にメッセージや音声で通知してくれるので、運転を妨げず、安全に送迎運用ができます。
また、交通遅延で事業所や利用者のご自宅への到着が遅れる場合などは、事前に送迎の進捗状況がわかります。
そのため、連携がとりやすいのです。
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送迎システム導入の注意点
ここまでの送迎システムの基本機能と導入メリットを見たことで、具体的な導入イメージができたと思います。
しかし、送迎システム導入には注意すべき点もあります。
具体的には、以下の2つです。
- 担当者が携帯端末を利用できるか確認する
- 料金体系を確認する
担当者が携帯端末を利用できるか確認する
最近、介護業界でDXが進行するにつれて、スタッフのIT知識が追いついているのかという問題もよく耳にします。
事業所によっては、スタッフの特性はさまざまです。
年齢層の高いスタッフが多かったり、IT知識が不足していたりして、携帯端末やシステム操作に不安があるという方が多いということもあります。
その場合には、きちんとデモンストレーションを実施してくれて、サポートの手厚いベンダーを選ぶことをおすすめします。
何かトラブルがあったときのために、すぐに問い合わせのできるサポート窓口があるか確認しましょう。
併せて、対応方法や対応時間はどうなっているのかも確認しておきましょう。
IT知識を深めるためのセミナーや勉強会を実施することも効果的です。
料金体系を確認する
送迎システムの料金体系は、ほとんどのものが月額制ですが、金額に幅があります。
また、システムの利用者数や送迎車台数などで料金が変動する場合もあります。
今の事業所の状況ではいくらのランニングコストがかかるのかを確認しておきましょう。
デイサービス等通所サービスがおこなう利用者の送迎は、利用者目線でみれば自宅まで送り迎えしてくれるわけなので非常に有難いサービスです。一方、通所サービスの業務のなかで、こういった送迎業務の割合は非常に高く、全体の約30%を占めるというデータもあります。限られたスタッフ数での運営が求められる通所サービスにおいて、送迎業務の簡略化は真っ先に取り組むべき命題です。送迎ルートの作成などは、土地勘のあるスタッフのまさに『勘』によって作成されているケースが殆どでしょう。結果的にそういった中心となる一部のスタッフしか作成できず、該当スタッフの負荷が必然的に高くなっています。“誰でも同じように作成できる仕組み”を早期に構築する必要があるのです。システムを活用し仕組みづくりを今からでも始めていきましょう。
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すでに介護ソフトを導入していている方も、介護ソフトの入れ替えを検討している方も、自身に最適なプロダクトを選ぶために重要な4つのポイントを解説していますので是非ご活用ください。
送迎支援システム『らくぴた送迎』のご紹介
これまで一連の説明を聞いてみたけど、送迎システムの種類が多く、なかなか選定できないという方も多いと思います。
ここでは、弊社のワイズマンSPと連携できる『らくぴた送迎』をご紹介します。
らくぴた送迎は、クラウドを利用した送迎システムです。
直感的に操作できるインターフェースと、長年の現場の声が生かされた便利機能が魅力です。
事業所のPCと、ドライバー用の専用スマートフォンがあればすぐに導入が可能なことも嬉しいですね。主な機能や特徴を以下にまとめました。
送迎計画の作成
らくぴた送迎を利用すると、効率的に送迎計画を作成できるので、小型車・中型車による送迎運用がスムーズに行えます。
従来、送迎は「一筆書き送迎」と呼ばれる、大量の利用者を一度に送迎する手法が業界の主流でした。
一方で、車両コストや大型車ドライバーの確保、道路状況によって車両の侵入が困難、送迎時間が長いなどの悩みもありました。
住所、送迎時間、利用者同士の相性、健康状態や車椅子の要不要、車両台数など、送迎計画で考慮する事項は多いです。
らくぴた送迎を使えばこれらが一瞬で解決します。
操作方法も簡単で、あらかじめ利用者情報と車両情報を登録しておけば、ドラッグアンドドロップで送迎計画が作成できます。
また、出発時間と到着時間が自動で算出され、地図データも連動します。
これまで長時間を費やしてきた業務が一瞬で終わるのは嬉しいですね。
その他、利用者同士の相性を知らせる相性アラート機能や、おすすめ送迎ルートの自動作成機能など、充実した機能も魅力です。
施設とドライバーがリアルタイムに連携
らくぴた送迎は、専用のスマートフォンでリアルタイムの運行管理が可能です。
運行記録が自動で行われるので、途中で連絡を入れる必要がなく、運転に集中できます。
当日急なキャンセルがあった場合にも、スマートフォンを通じてメッセージと音声で連絡が入るので、運行に支障をきたしません。
利用者の一つ前の送迎地点を出発したら、自動電話で通知する機能があるので、なかなか到着せずに不安がらせたり、長時間外で待機させることがなくなります。
到着時には、申し送り事項が表示されるので、急なドライバー変更があっても、駐車場の確認や薬の持参し忘れなどを防止することができます。
また、デイサービス事業所への到着も自動通知されるので、受け入れの準備がスムーズに行えます。
送迎データを見える化
日々の送迎記録のデータを蓄積することで、より効率的な送迎計画を考えることができます。
移動、乗降時間は送迎計画に自動反映されるので、送迎を重ねるほど、正確でスムーズな送迎を実現します。
その他、車両稼働率や遅延回数など、さまざまな指標がグラフ化されるので、現場業務の改善や経営判断に生かすことができます。
また、新たな車両で送迎がスムーズに実施できるのかをシミュレーションする機能も搭載しているので、事前問題点の把握ができて便利です。
実際の利用者の声でも、業務にかかる時間が減った、遅延回数が減った、少ない台数で効率的に送迎できるようになったなど、喜びの声が多いです。
まとめ
本記事では、デイサービス事業者に向けて、送迎システムの解説をしました。
基本的な送迎システムの機能から、具体的な導入メリット、導入に関する注意点までをシステムの知識が少ない方にもわかりやすい説明を心がけました。
利用者が増えてもスタッフの数はなかなか増やせない事業所もあると思います。
送迎ミスや送迎効率を改善しながらスムーズな送迎業務の運用を行いたい事業者にとって、導入の参考になれば幸いです。
また、多岐にわたる送迎システムの中から、おすすめのシステムとして『らくぴた送迎』をご案内しました。
デイサービス事業者の長年の悩みや生の声に寄り添いながら開発された送迎システムなので、操作性も簡単で、現場で求められる機能が充実しています。
ぜひ導入検討の際の候補に考えて頂ければ幸いです。
監修:伊谷 俊宜
介護経営コンサルタント
千葉県佐倉市出身。大学卒業後、教育サービス業界に入社したが、障がい者との交流を機 に「高齢や障がいを理由に、不当な差別を受けることのない社会を作りたい」と、介護事業者の門をたたいた。これまで、数々の特別養護老人ホーム、 グループホーム、デイサービスの立ち上げ、運営に参画。現在は、“現場第一主義!”を旗印とし、高齢者住宅、デイサービスを中心に「人気の施 設づくり」を積極的にサポートしている。