訪問介護事業所の立ち上げ手順|掛かる費用・助成金・資金調達の方法を解説
2023.12.06
訪問介護事業所を立ち上げでは、注意すべき法令制度が存在します。
正しい手順で手続きしなければ、後々トラブルに発展する恐れがあります。
この記事では、訪問介護事業所の立ち上げ手順について詳しく解説します。
立ち上げに係る3つの指定基準と必要な資金も併せて解説しますので、最後まで読んで訪問介護事業所を立ち上げる準備をしておきましょう。
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目次
【基礎知識】訪問介護事業所とは?
訪問介護事業所とは、要介護認定を受けた利用者の自宅を専門知識を有した介護ヘルパーが訪ねて、ケアサービスを提供する事業所を指します。
介護の専門資格を持った介護ヘルパーが、利用者の身の回りの世話を行い、自立支援を促すことが目的です。
訪問介護事業所が提供できるサービスは、主に次の3種類です。
- 身体介護
- 生活援助
- 乗車・降車介助
訪問介護事業所の立ち上げを検討している方は、「利用者にどのようなサービスを提供できるのか」を把握しておきましょう。
身体介護
訪問介護事業所が提供するサービスとして、身体介護があります。
身体介護は、利用者の身体に直接触れてケアを行うサービスで、具体的には次のような内容です。
- 食事介助
- 排泄介助
- 入浴介助
- 移乗介助
- 体位介助
- 服薬介助
食事やトイレ・入浴などの介助業務だけでなく、移乗・体位・服薬など身体が不自由な要介護者の生活をサポートします。
訪問介護の目的は、要介護者の要望にあわせて身の回りの世話をすることではなく自立支援を目的としているため、場合によっては見守って生活をサポートするケースもあります。
生活援助
訪問介護事業所では、生活援助をサービスとして提供しています。
生活援助は、利用者の代わりに家事や生活に必要な買い出しなどを行うサービスです。
具体的には、料理や洗い物・掃除・洗濯・買い出しなど、家事を行えない利用者に代わって家事業務を行います。
生活援助を利用する方の多くが、独身だったり同居する家族のサポートを受けられなかったりと、1人で生活を営むことが困難なケースです。
家族が同居していたり週に何度かサポートに来てくれたりする場合は、利用者が1人になるタイミングで訪問介護サービスを依頼されるケースが多いです。
生活援助では、利用者の生活をサポートして、自立支援を促します。
乗車・降車介助
訪問介護事業所では、介護タクシーと呼ばれるサービスを提供しているケースがあります。
介護タクシーは、乗車・降車介助を行って要介護者が移動をサポートするサービスです。
1人で車に乗り降りできない要介護者を、介護職員初任者研修以上の資格を持つドライバーがケアして、病院の通院や役所への申請・日用品の買い出しをサポートします。
訪問介護事業所は、身体介護や生活援助だけでなく利用者の乗車・降車介助までをサービスとして提供します。
訪問介護事業所を立ち上げる手順
訪問介護事業所を立ち上げる際には、開業するまでの正しい手順を把握しておく必要があります。
訪問介護事業所の開業を検討している方は、以下の立ち上げ手順を把握しておきましょう。
- 1.事業内容の決定
- 2.法人登記と資金調達
- 3.立ち上げの準備(職員の採用・物件の契約・設備の調達)
- 3.指定申請書類の作成・提出(申請書類の作成・提出など)
- 4.指定時研修・指定書の交付
- 5.事業を開始
それぞれの手順を確認して、事業所を開業するための準備を進めましょう。
1.事業内容の決定
訪問介護事業所を立ち上げる手順として、まず事業内容を決定させる必要があります。
「どのような目的で」「どのようなターゲット層を対象に」「どの程度の規模で」「どのようなサービスを提供するべきか」など、具体的な事業内容を決定します。
事業所を立ち上げる地域や物件を決定し、対象エリア内の高齢者数や要介護者数を算出して、事業として成立するか売上予測を測定しておくことが大切です。
事業内容を決定する際には、事業エリアの特性やターゲット層の分布、売上予測を行って具体的な立ち上げのイメージを立てましょう。
2.法人登記と資金調達
訪問介護事業所を立ち上げるためには、法人登記と資金調達が必要です。
訪問介護事業所を立ち上げる際に、介護福祉事業者の指定を申請しなければならず、法人格を有していないと申請が受理されません。
法人格を有することが介護福祉事業者の指定を受ける必須条件なので、訪問介護事業所を立ち上げるために法人登記を行っておきましょう。
なお、法人格として認められる団体は、次のとおりです。
- 株式会社
- 合同会社
- 合資会社
- 合名会社
- NPO法人
- 医療法人
- 社会福祉法人
- 社団法人
- 財団法人
- 協同組合
また、訪問介護事業所を立ち上げるためには、資金調達も必要です。
法人登記する際の費用は、法人格の種類によって異なりますが、事業所を立ち上げるためには人件費や機材費・広告費・家賃などの初期費用が発生します。
訪問介護事業所を立ち上げたい場合は、法人登記と資金調達をして事業の開始に備えましょう。
3.立ち上げの準備(職員の採用・物件の契約・設備の調達)
法人登記と資金調達が完了した後は、立ち上げの準備に取り掛かります。
具体的には、次のような準備を行いましょう。
- 職員の採用
- 物件の契約
- 設備の調達
訪問介護事業所を立ち上げるためには、働く職員を確保しなければなりません。
介護福祉事業所を運営する際には、管理者や介護の専門資格を持った人材を常駐させる必要があるため、適切な人材獲得が求められます。
事業所の規模に沿った人数・スキルを有する職員を採用して、立ち上げに備えてください。
さらに事業所となる物件を探して契約し、必要な設備を調達する必要があります。
机や椅子・金庫などの通常のオフィスに必要な備品だけでなく、相談スペースや手洗いができる設備を揃えておきましょう。
3.指定申請書類の作成・提出(申請書類の作成・提出など)
訪問介護事業所を立ち上げるためには、指定申請を受ける必要があります。
指定申請とは、介護に関する事業を開業する際に自治体に必要書類を提出して、介護保険法に基づく介護事業者として指定されることです。
そのため訪問介護事業所を立ち上げる手順として、指定申請書類を作成し提出しましょう。
訪問介護事業所を立ち上げる際の指定申請書類として、次の書類が必要です。
- 申請書
- 付表
- 登記事項証明書 又は、条例など
- 従業者の勤務体制 及び、勤務形態一覧表
- 資格証明書の写し(免許証、登録証、研修修了書など)
- 事業所の平面図
- 事業所の外観及び内部の写真
- 運営規程
- 利用者からの苦情処理のための措置の概要
- 誓約書
- 経歴書(サービス提供責任者)
- 損害賠償保険証書の写し
- 訪問介護員が訪問介護員として就任することを承諾する書面
- 業務管理体制整備の届出
- 老人福祉法に係る届出
- 加算届
- 社会保険及び労働保険への加入状況にかかる確認票
なお、上記の指定申請書類は一例ですので、事業内容や自治体によって必要書類が異なります。
訪問介護事業所を立ち上げるために、指定申請書類を確認して作成・提出しておきましょう。
4.指定時研修・指定書の交付
提出した指定申請書類に基づいて、介護事業者として認定していいか自治体が審査します。
審査の結果、見事に介護事業者として認定されると、指定通知書が交付されます。
介護事業者として要件を満たす管理者を対象に、指定時研修が実施されるため受講しなければなりません。
指定時研修を修了すると、指定書が交付されて訪問介護事業所を立ち上げられます。
5.事業を開始
指定申請を受けた後は、いよいよ事業を開始できます。
訪問介護事業所を運営するために、介護ソフトの導入やマニュアルの作成・従業員の研修など、行っておくべき準備はさまざまです。
開業予定日を決定し、地域の居宅介護支援事業所や地域包括支援センターへ営業しに行き、利用者をスムーズに獲得できるよう準備を進めましょう。
利用者を獲得できる準備が整えれば、訪問介護事業所として事業を開始できます。
【注意】訪問介護事業所の立ち上げに係る3つの指定基準
訪問介護事業所として運営するためには、指定申請を行う必要があります。
介護事業者として指定されるためには、次の3つの指定基準を満たさなければなりません。
- 人員基準
- 設備基準
- 運営基準
それぞれの指定基準を確認して、訪問介護事業所を立ち上げるために準備しておきましょう。
1.人員基準
訪問介護事業所を立ち上げるためには、次の人員基準を満たす必要があります。
- 訪問介護員
- サービス提供責任者
- 常勤管理者
各人員を確保しておかなければ、訪問介護事業所として運営ができません。
それぞれの人員基準で、必要な人数・資格は次のとおりです。
職種 | 必要人数 | 資格 |
訪問介護員 | 常勤換算で2.5人以上 | 介護福祉士 実務者研修 介護職員初任者研修 生活援助従事者研修(生活援助のみ可) ホームヘルパー1級 ホームヘルパー2級 介護職員基礎研修 看護師等 |
サービス提供責任者 | 1人以上(利用者人数40人を超えるごとに1人追加する) | 介護福祉士 実務者研修 ホームヘルパー1級 介護職員基礎研修 看護師等 |
常勤管理者 | 1人 | なし |
指定申請を行うまでに、人員基準を満たす従業員を確保しておく必要があります。
訪問介護事業所を立ち上げたい場合は、人員基準を満たす資格保有者を採用しましょう。
2.設備基準
訪問介護事業所を立ち上げるための指定申請では、設備基準を満たさなければなりません。
介護事業者として指定されるために、次の設備基準を満たしましょう。
- 事務室
- 手洗い場
- 備品
訪問介護事業所を運営するために、事務作業を行う事務室が必要です。
面積の指定はありませんが、椅子や机を用意して書類を整理するためのスペースを確保しておきましょう。
さらに職員の衛生管理を行うために、手洗い場の設置が義務付けられています。
手洗い場には、次のような備品を用意しておきましょう。
- 石鹸やハンドソープ
- タオル
- 消毒用アルコール
- 洗面台
次に訪問介護事業を運営するために、必要な備品を用意しておく必要があります。
訪問介護事業所を立ち上げるために準備しておくべき備品は、次のとおりです。
- 机と椅子
- 電話やFAX
- パソコンやモニター
- スマートフォンやタブレット
- プリンター・コピー機
- ロッカー・書類ラック
- 社用車
- 鍵付き金庫
- タイムカード・シフト表
- ファイル・封筒
- ペンやホッチキスなどの事務用品
- ティッシュやトイレットペーパー
なお、利用者やその家族が事業所を訪れて相談ができる相談室を用意しておくと、安心して利用してもらいやすく顧客獲得につながります。
3.運営基準
訪問介護事業所を立ち上げるための指定申請では、運営基準が審査されます。
介護事業者として指定を受けるために、次の運営基準を満たしましょう。
- 利用者や家族に対してケアサービスを説明・同意
- 提供拒否の禁止
- サービス提供困難時の適切な対応
- 被保険者資格、受給資格の確認
- サービス提供の記録・管理
- 利用料の受領
- 保険給付の請求のための書類発行
- 利用者の心身の状態把握
- 居宅介護支援事業者との連携
- 重要事項に関する運営規程の制定
- 訪問介護員の健康管理
- 勤務体制の確保
- 秘密保持
- 虐待や不正の防止
- 事業所の備品や衛生管理
- 苦情処理に必要な窓口の設置・記録
- 事故発生時における適切な対応
なお運営基準は各自治体によって異なるため、訪問介護事業所を立ち上げる前に対象の自治体ホームページを確認しておく必要があります。
訪問介護事業所を運営するために、必要な運営基準を満たして立ち上げに備えましょう。
訪問介護事業所の立ち上げ時に必要な資金
訪問介護事業所を立ち上げるためには、資金調達が必要です。
社用車やパソコン・複合機など高額な初期費用が必要となるため、開業資金を用意しておきましょう。
目安としては、おおよそ初期費用で300〜500万円程度、運転資金も含めると800〜1000万円ほどの資金が必要です。
収益が安定するまでの運転資金も見越して、資金調達をしておくと安心して訪問介護事業所を運営できます。
訪問介護事業所を運営するために、資金調達方法と対象の助成金を把握しておきましょう。
訪問介護事業所の資金調達方法とは?
訪問介護事業所を立ち上げる際の資金調達方法として、次の2種類が挙げられます。
- 銀行や信用金庫から融資を受ける
- 日本政策金融機関から融資を受ける
懇意にしている金融機関がある場合は、開業資金や運営資金を融資してもらえるか相談しましょう。
新規で立ち上げる法人企業の場合は、金融機関が定める規定さえ満たしていれば、融資を受けられる可能性があります。
金利や借入可能額は各金融機関によって異なるため、ホームページや比較サイトで条件の良い金融機関を探してください。
また政府が100%出資している金融機関「日本政策金融公庫」であれば、営業成績などの実績なしで創業融資を受けられる可能性が高いです。
原則的に無利息・無担保で融資をしてくれるため、資金調達が難航しているスタートアップ企業でも融資を受けられます。
詳しくは下記ホームページより、申請方法の確認や問い合わせができるため、開業資金の融資を検討している方はチェックしておきましょう。
訪問介護事業所が対象の助成金
訪問介護事業所を立ち上げるための資金調達として、助成金を活用しましょう。
訪問介護事業所が対象の助成金は、次のような種類があります。
- 介護労働環境向上奨励金
- 介護福祉機器等助成
それぞれの助成金の概要を確認して、訪問介護事業所を立ち上げる際の資金として活用しましょう。
介護労働環境向上奨励金
介護労働環境向上奨励金は、介護労働者の労働環境の向上を目的とした助成金です。
介護労働環境向上奨励金には、次の2種類があります。
助成金の種類 | 助成内容 | 助成金額 |
介護福祉機器等助成 | 介護労働者の身体的負担を軽減するための介護福祉機器を導入する費用を助成 | 介護福祉機器の導入費用の2分の1(上限300万円) |
雇用管理制度等助成 | 介護労働者の福祉の増進を図るための雇用管理改善につながる制度の導入費用を助成 | 制度等の導入に要した費用の2分の1(上限100万円) |
介護労働環境向上奨励金では、介護福祉機器の導入費用や雇用管理体制を改善するための制度導入費用が助成されます。
介護福祉機器等助成と雇用管理制度等助成それぞれが、支給されるまでの流れは次のとおりです。
介護労働環境向上奨励金支給の流れ | ||
手順 | 介護福祉機器等助成 | 雇用管理制度等助成 |
1 | 導入・運用計画の作成・提出 | 雇用管理制度整備等計画の作成・提出 |
2 | 認定を受けた導入・運用計画に基づく、介護福祉機器の導入・運用 | 認定を受けた雇用管理制度整備等計画に基づく、雇用管理制度の導入・適用 |
3 | 介護福祉機器の導入効果の把握 | 介護職員の定着状況の確認 |
4 | 計画期間終了後1ヵ月以内に奨励金の支給申請 | |
5 | 奨励金の支給(上限300万円として導入費用の2分の1) | 奨励金の支給(上限100万円として導入費用の2分の1) |
介護労働環境向上奨励金を活用すれば、訪問介護事業所の設備費用を助成してもらい、開業資金に当てられます。
介護福祉機器等助成
介護福祉機器等助成は、介護福祉機器の購入費用をサポートするための助成金です。
介護労働者が使用すれば、直接的に身体的負担を軽減できるものが助成対象であり、1品10万円以上の機器でなければ助成金が支給されません。
介護福祉機器等助成の支給対象となる介護福祉機器は、次のとおりです。
- 移動用リフト
- 自動車用車いすリフト
- 座面昇降機能付車いす
- 特殊浴槽
- ストレッチャー
- シャワーキャリー
- 昇降装置
- 車いす体重計
主に介護業務で従業員が使用することで、身体的負担を軽減できる機器の購入費用を助成します。
しかし、要介護者が自腹で購入した機器や従業員が私用目的で購入したものは、支給対象ではありませんので注意しましょう。
さらに次のような費用は、介護福祉機器等助成の支給対象です。
- 介護福祉機器の導入費用
- 保守契約費
- 機器の導入・設置に直接必要な工事費
- 機器の使用を徹底させるための研修費
- 介護技術に関する身体的負担軽減を図るための研修費
参照元|厚生労働省「介護福祉機器等助成」の申請から支給までの手続き
介護福祉機器の導入費用だけでなく、機器を設置するための工事費や使用するための研修費も助成されます。
訪問介護事業所を立ち上げる際の機器購入費や設置費・研修費は、介護福祉機器等助成を活用して資金調達しましょう。
【直面する壁】訪問介護事業所の人材不足を回避する3つの方法
訪問介護事業所を立ち上げる際には、人材不足に直面するケースが多いです。
訪問介護は、訪問中の労働時間で報酬を得る働き方なため、賃金が低い傾向があります。
毎月の訪問件数によって従業員の給与も変動するため、不安定な収入形態で定着率が低い業種です。
訪問介護事業所が直面する人手不足の課題を解消するためには、立ち上げ当初から対策を実施する必要があります。
訪問介護事業所の人材不足を解消するために、次の3つの方法を実践しましょう。
- 人材確保の窓口を広げる
- 職員のスキルアップ・キャリア形成を支援する体制を整備
- ICTを活用し業務負担を軽減
それぞれの方法を確認して、訪問介護事業所を運営するために人材獲得を行ってください。
人材確保の窓口を広げる
訪問介護事業所の人材不足を解消するために、人材確保の窓口を広げましょう。
人材確保の窓口を広げるため、人材紹介や人材派遣・パートタイマー募集など、採用の窓口を広げることが大切です。
また求人票の書き方も工夫して、事業所の魅力を求職者に伝えて、募集率を上げましょう。
人材不足の課題を解消するためには、募集率を向上させて採用力を強化する必要があります。
そのため、訪問介護事業所で直面しやすい人材不足の壁を打開する方法として、人材確保の窓口を広げましょう。
職員のスキルアップ・キャリア形成を支援する体制を整備
訪問介護事業所が直面する人材不足の壁を打開するためには、職員のスキルアップ・キャリア形成を支援する体制を整備することが大切です。
訪問介護は、「1人ですべてをやるしかない」と責任感や不安に押しつぶされるケースがあり、新入社員の離職が課題です。
従業員の不安を解消し、1人でも業務を遂行できるよう育成すれば、責任感と不安から離職を防止できます。
さらに待遇面の不満から離職する従業員も多く、昇給制度やキャリア形成を支援する体制を整備しておくことが大切です。
職員のスキルアップとキャリア形成を支援する体制を整備すれば、人材流出を防止できます。
人材不足に陥りやすい訪問介護事業所を運営するために、スキルアップ・キャリア形成を支援する体制を整えておきましょう。
ICTを活用し業務負担を軽減
訪問介護における人材不足を解消する打開策として、ICTの活用がおすすめです。
ICTとは「Information and Communication Technology」の略称であり、情報通信技術を意味します。
訪問介護事業所にICTを導入すれば、従業員の業務負担を軽減して人材流出を防止可能です。
ICTを活用することで、ケアプラン作成業務やレセプト業務をクラウド上で行い、訪問先でも事務作業を行えます。
さらに組織間の情報共有や利用者や家族とのコミュニケーションを円滑化できるため、従業員の業務負担を軽減しながら利用者満足度を向上できます。
ICTは導入費用がかかりますが、活用することで従業員の業務負担を軽減・生産性向上にもつながるため、費用対効果が高い施策です。
訪問介護は在宅生活を支えるための重要なサービスです。にもかかわらず、2023年1~8月の訪問介護事業者倒産件数は44件と過去最多(東京商工リサーチ調べ)となっています。訪問介護を始めとした訪問系のサービスは、訪問スタッフが増えれば増えるほど売上を上げることができるサービスです。しかし、未曾有の人材不足により採用が難しくなっているのが訪問介護苦戦の大きな要因です。また、訪問介護業界は65歳以上のスタッフが全体の24.4%と高齢化が顕著で、既存事業者がICT化を推し進め業務効率化を図りづらい業態でもあります。
新規立ち上げの際には、少ないスタッフでも売上を上げていくために、徹底的なICT化で業務効率をアップさせることを前提にしなければ厳しい業態であるといえます。ICTありきで進めていきましょう。
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まとめ
訪問介護事業所を立ち上げる際には、正しい手順と必要な指定基準を把握しておくことが大切です。
訪問介護事業所を運営するためには、介護事業者として認定されなければならず、3つの指定基準を満たす必要があります。
そのため、訪問介護事業所を立ち上げる際には、法人登記と資金調達だけでなく、指定申請書類を作成して提出しなければなりません。
訪問介護事業所を立ち上げる際の資金調達方法としては、金融機関から融資を受けるか助成金を活用する方法が一般的です。
介護事業で直面しやすい人材不足の課題を解消する打開策を実践して、訪問介護事業所の立ち上げに備えましょう。
人材不足を解消するためには、「ホームヘルプサービスSP管理システム」を使って、従業員の業務負担を軽減することをおすすめします。
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監修:伊谷 俊宜
介護経営コンサルタント
千葉県佐倉市出身。大学卒業後、教育サービス業界に入社したが、障がい者との交流を機 に「高齢や障がいを理由に、不当な差別を受けることのない社会を作りたい」と、介護事業者の門をたたいた。これまで、数々の特別養護老人ホーム、 グループホーム、デイサービスの立ち上げ、運営に参画。現在は、“現場第一主義!”を旗印とし、高齢者住宅、デイサービスを中心に「人気の施 設づくり」を積極的にサポートしている。