訪問看護指示書とは?記載事項や発行してもらえない場合の対処法を解説

2023.02.15

訪問看護サービスを提供する際には、医師による訪問看護指示書の発行が必要です。今回の記事では、医師に訪問看護指示書を発行してもらう際に確認しておきたいこと、発行できない際の対処法などについて解説します。

訪問看護指示書とは

訪問看護指示書とは、指定された訪問看護事業者が訪問看護サービスを提供する際に、主治医から交付される文書を指します。
訪問看護は介護保険と医療保険のいずれかを利用できますが、保険制度を定めている介護保険法や健康保険法には「主治医による指示を文章で受けなければならない」と定められています。なお、訪問看護指示書の有効期限は、主治医が交付してから6ヶ月です。

指示書の種類

訪問看護指示書には下記のような種類があります。

  • 訪問看護指示書
  • 特別訪問看護指示書
  • 在宅患者訪問点滴注射指示書
  • 精神訪問看護指示書

「訪問看護指示書」以外の指示書について、以下の項目で解説します。

特別訪問看護指示書

特別訪問看護指示書は、訪問看護指示書が交付されている方を対象に交付されます。

病状が突然悪くなったとき、終末期、退院直後など、頻繁に訪問看護が必要であると主治医が認めた場合に交付を受けることができます。

訪問看護指示書で受けられる訪問看護サービスは3回までです。これよりも多く受けたい場合には、特別訪問看護指示書の交付が必要です。

なお、特別訪問看護指示書は、訪問看護指示書を交付した医師による発行となります。有効期限は、看護の対象となる疾患の診療を受けた日から14日以内です。

在宅患者訪問点滴注射指示書

在宅患者訪問点滴注射指示書とは、在宅介護をするうえで点滴が必要と判断された方のための指示書です。週3日以上の点滴が必要と認められた場合、主治医が訪問看護ステーションに対して交付します。

週1〜2回の点滴の場合は訪問看護指示書の中に点滴内容の詳細な指示があれば、「訪問看護指示書」のみの交付で点滴が可能です。

精神訪問看護指示書

精神科訪問看護指示書とは、精神科の主治医が訪問看護の必要性を認めた場合に交付されます。精神科を担当する医師に限り、交付することが可能です。すべての医師が交付できるわけではありません。なお、有効期限は1ヶ月から6か月です。

訪問看護指示書で特に確認が必要な項目

訪問看護指示書で特に確認が必要な項目は以下の通りです。

  • 指示期間
  • 主たる傷病名
  • 現在の状態および状況
  • 留意事項および指示事項
  • 医療機関名および依頼先

指示期間

訪問看護指示書の指示期間は、1~6か月と決まっています。しかし、6か月を超えた期間を記入してしまうケースもあり、その場合は訪問看護指示書が無効となってしまいます。なお、指示期間の記入がない場合は、発行から1か月が指示期間になります。

主たる傷病名

利用者の主病名を記載する欄になります。この項目に書かれた内容で、訪問看護の利用が医療保険なのか介護保険なのかが決まります。

医療保険と介護保険では、自己負担額が大きく変わってきます。記入に間違いがあると後々トラブルになりやすい項目なので、しっかり確認しましょう。

現在の状態および状況

正しいサービスを提供するために、利用者の症状や服薬している薬剤および投薬量、投薬方法などを詳細に記載する必要があります。

また、日常生活において自分で行えることや、認知症の症状の有無などを記載する項目もありますので、抜けもれなく記載するようにしましょう。

留意事項および指示事項

留意事項および指示事項は、訪問看護を受ける際に気をつけてほしいことを記載する項目です。

食事や入浴など日常生活の中で普段から見られる危険行動や、訪問看護師に意識してケアしてほしいことなどを記載します。

この項目の記載内容にあわせて、訪問看護サービスが提供されます。

医療機関名および依頼先

訪問看護指示書の項目で特に注意して確認したいのが捺印です。捺印がないと、訪問看護指示書は使用できません。

訪問看護指示書を記載した日付・医療機関名(住所・TEL・FAX含む)・医師名など、記載内容に誤りがないか今一度確認しましょう。

訪問看護指示書を交付してもらえない場合の対処法

訪問看護指示書を交付してもらえない場合の対処法

中には訪問看護指示書を交付してもらえない場合もあります。訪問看護指示書を交付してもらうための対処法を、以下の項目で解説します。

発行の必要性を明確にする

実際に看護を行う事業所や担当のケアマネジャーから、訪問看護の必要性を明確に説明することで主治医の同意を得られやすくなることもあります。利用者からの許可をもらったうえで、事業所から主治医にFAXを送るのも一つの手でしょう。

指示してもらいたい内容を明確にする

利用者が日々の生活にどのような障がいがあり困っているのか、訪問看護を受けるメリットは何か、主治医にどのような指示を出して欲しいのかを明確にして伝えることで、スムーズなサービス提供につながります。

主治医は利用者が診療にきたときの状態しか把握していないこともあるので、日々の生活の様子もあわせて伝えて、どのような指示が必要かを具体的に伝えることが大事です。

まとめ

訪問看護サービスを提供するには、訪問看護指示書を主治医から交付してもらう必要があります。場合によっては、主治医に訪問看護サービスの必要性を明確に伝えなければいけません。

また、訪問看護を提供する訪問看護ステーションでは、利用者がスムーズにケアを受けられるように適切な関わりやコミュニケーションが必要です。多くの利用者のケアに入る関係上、一人ひとりの利用者との関わりが希薄になってしまうケースもあります。業務を効率化することで、利用者やご家族や医療機関とのコミュニケーションに時間を割くことができ、満足のいくケアを提供することができます。

業務の効率化で多くの事業所が行っているのは、介護ソフトを利用した記録業務の電子化・効率化です。

当記事の筆者が働く事業所でも「ワイズマンの介護ソフト」が導入されており、最大限の時間を使って利用者と関われるようになっています。

働いている事業所で介護ソフトが導入されていない場合は、ぜひ担当者に導入の相談をしてみましょう。

介護ソフトの資料請求や、デモンストレーションをご希望の方はこちらから簡単にお問い合わせいただけます。>>「訪問看護ソフト(訪問看護ステーション管理システムSP)

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