訪問看護ステーションの立ち上げ時に知っておくべきこと|必要資金・手順を解説
2024.03.07
昨今は高齢化に伴い、自宅で医療ケアやリハビリテーションなどを受けられる訪問看護の人気が高まっています。
そのため、訪問看護の事業の立ち上げを検討する企業も増加しました。
他方で、訪問看護ステーションの立ち上げは、さまざまなプロセスを実行しなければなりません。
加えて、資金や人材・設備など、事業を立ち上げるうえで準備しなければならないものも多くあります。
本記事では、訪問看護ステーションの立ち上げで知っておくべきことを網羅的に解説します。
立ち上げに際して必要な初期費用や、申請の手順などについても解説するので、ぜひ参考にしてください。
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目次
【基礎知識】訪問看護ステーションとは?
最初に、訪問看護ステーションの定義や、市場の動向などをおさらいします。
訪問看護の定義は、厚生労働省で明示されています。
訪問看護ステーションを立ち上げるなら、必ず把握しましょう。
訪問看護ステーションの定義
厚生労働省では、訪問看護を以下のように定義しています。
疾病又は負傷により居宅において継続して療養を受ける状態にある者に対し、その者の居宅において看護
引用:訪問看護|厚生労働省
師等が行う療養上の世話又は必要な診療の補助をいう。
訪問看護ステーションは、看護師や保健師などを利用者の自宅に派遣し、病気や障がいに応じたケアを実施する施設です。
昨今は住み慣れた自宅での療養を求めるニーズが高まっており、訪問看護の需要が増加しています。
なお、訪問看護と似たものに在宅看護があります。
在宅看護は、専門の医療従事者が利用者の自宅に訪問するのに対し、訪問看護は、看護師・保健師・理学療法士など、さまざまな医療従事者が派遣される点が異なります。
訪問看護ステーションのサービス内容
訪問看護ステーションが提供するサービスは以下のとおりです。
- 健康状態の観察や支援
- 療養生活の指導や支援
- リハビリテーション
- 医療機器の管理や指導
- 各種医療ケア
なお、訪問看護ステーションが提供するサービスは、利用者を対象にしたものだけではありません。
例えば、日常的な生活支援の技術指導をしたり、メンタルケアを実施したりするなど、利用者の家族に向けたサービスも提供します。
利用者本人だけでなく、家族にかかる負担の軽減も、訪問看護ステーションの重要な役目です。
訪問看護ステーションを取り巻く市場の動向
高齢者や要支援・要介護者の増加に伴い、訪問看護ステーションの事業所数は年々増加しています。
以下のグラフで確認してみましょう。
訪問看護ステーションの数は年々増加しており、令和4年には1万を超えました。
とりわけ都市部での増加が顕著であり、東京や大阪では1000以上の施設があります。
他方で、訪問看護の利用者数は以下のように推移しています。
出典:訪問看護|厚生労働省
とりわけ要介護者にいたっては、15年ほどで倍以上にまで増加しました。
今後は団塊ジュニア世代の高齢化が進行するため、2040年代に入ると、訪問看護の利用者数はさらに増加すると予測されています。
そのため、訪問看護ステーションの数も、利用者数に比例して増加する可能性が高まっています。
訪問看護ステーションを立ち上げる手順
訪問看護ステーションを立ち上げる手順は、通常の企業と異なっています。
いずれのプロセスも重要であり、不備があれば開業できなくなる恐れもあるため、必ず手順を確認しましょう。
本章では、訪問看護ステーションを立ち上げる手順を、順番に紹介します。
なお、準備段階を含めた立ち上げ手順を知りたい方は、以下の記事をご参考ください。
関連記事:訪問看護ステーションを立ち上げるには?開業までにやることや流れ、必要な資格を解説
①事業計画の作成
事業計画は、立ち上げる訪問看護ステーションの理念や経営方針などを定めるうえで、不可欠な要素です。
提供するサービスの内容だけでなく、開業する地域の特徴・競合の数・連携先などを網羅して事業計画を作成すれば、開業以降の見通しが立ちやすくなります。
また、資金の調達方法・収支計画・人員の配置などを具体化すれば、スムーズに経営できるでしょう。
②法人の設立と事務所との契約
事業計画が定まれば、訪問看護ステーションを運営する法人の設立や、スタッフの待機場所となる事務所の契約を締結します。
訪問看護ステーションは、法人でなければ開業できません。
現状、法人格がない場合は、登記申請書などの必要書類をそろえ、法人登記をしましょう。
また、事務所と契約する際は、以下2点の要件を遵守する必要があります。
- 事業に支障がない広さであること
- 利用申し込みの受付や相談などを実施できる十分なスペースがあること
参照:指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について|厚生労働省
③スタッフの採用や設備・備品の準備
訪問看護ステーションを運営するなら、スタッフの採用や、設備・備品の準備は欠かせません。
訪問看護ステーションの運営には、医療器具や感染対策用品などの医療用品から、車両・パソコンやタブレット・各種事務用品などが必要です。
立ち上げの際は、サービスを提供するスタッフも早急に確保しましょう。
介護保険・医療保険から指定を受ける際は、常勤換算で2.5人以上の保健師、看護師又は准看護師を配置が求められます。
つまり、指定申請を出す時点でスタッフを採用していなければ、訪問看護ステーションは開業できません。
④都道府県への指定申請
訪問看護ステーションの立ち上げにおいて、重要な手続きのひとつが、都道府県や市への指定申請です。
訪問看護ステーションの場合、介護保険法に基づく指定申請を行えば、同時に健康保険法に基づく指定も受けられます。
指定申請を行う際は、以下の書類を用意しなければなりません。
- 指定申請書
- 訪問看護・介護予防訪問看護事業所の指定に係る記載事項
- 申請者の登記事項証明書、又は条例等(法人以外の者が開設する病院・診療所である場合を除く)
- 病院の使用許可証・診療所の使用許可証、又は届出等の写し(病院・診療所で実施する場合)
- 従業者の勤務体制、及び勤務形態一覧表
- 資格証の写し
- 事業所の平面図
- 外観及び内部の様子がわかる写真
- 料金表を含む運営規程
- 利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要
- 誓約書、及び誓約書別紙
- 介護給付費算定に係る体制等に関する届出書
- 緊急時訪問看護加算・特別管理体制・ターミナルケア体制に係る届出書(加算を算定する場合のみ添付)
参照:訪問看護・介護予防訪問看護(新規に指定を受けたい方へ)|東京都福祉局
指定権者によっては、書類の様式や内容が微妙に異なる場合があるため、事前に確認しましょう。
⑤開業
指定申請が通過し、指定通知書を受け取れば、いよいよ訪問看護ステーションの開業です。
通常、指定申請の通知が来るまでは1カ月~2カ月程度かかります。
指定申請を通過するまでは、少しでも利用者が確保できるように、連携する医療機関や地域包括支援センターなどへの営業や、利用者向けの宣伝などを実施しましょう。
また、安定して業務を回せるように、スタッフの採用や研修も積極的に行う必要があります。
訪問看護ステーションの立ち上げに必要な資金
本章では、訪問看護ステーションの立ち上げに必要な資金について解説します。
初期費用の内訳
訪問看護ステーションの立ち上げに際し、想定される初期費用は以下のとおりです。
- 法人設立費用
- 事務所賃料
- 人件費
- 設備費・備品費等
訪問看護ステーションの初期費用は、800〜1,500万円程度が目安です。
もちろん、事務所や設備の規模によっては、より多くの費用が発生するでしょう。
立ち上げ当初だと、利用者の数が増加するまで収入が低迷するケースは珍しくありません。
あらかじめ初期費用を把握し、十分な運営資金を用意しましょう。
運転資金の内訳
訪問看護ステーションの運転資金の内訳には、以下のようなものが想定されます。
- 人件費
- 事務所の賃料(賃貸の場合)
- 車両費・駐車場代
- 広告宣伝費
- 光熱費・水道代等その他経費
運転資金は、訪問看護ステーションの安定した経営を持続するうえで欠かせないものです。
とりわけ、賃料や水光熱費のように、毎月必ず発生する固定費が増加すると、資金繰りが圧迫されます。
他方で、サービスの品質を左右する人件費・営業活動につながる広告宣伝費などは、うかつに削減すると業務に支障が出る恐れがあります。
必要なコストと不必要なコストを見極め、適切にコントロールしましょう。
訪問看護ステーションの収支シミュレーション
訪問看護ステーションの経営において、収入と支出を把握し、損益分岐点を導き出す作業は重要です。
以下の設定で、収支シミュレーションを行います。
【支出】
- 人件費:130万円/月
- 賃料:10万円/月
- 車両費・駐車場代:12万円/月
- 広告宣伝費:1万円/月
- 備品費・消耗品費:3万円/月
- その他経費:25万円/月
【収入】
(1回の訪問につき平均8000円の報酬・月の訪問件数を300件の場合)
- 医療保険・介護保険収入:260万円/月
この設定の場合、月々の手取りの収益は収入260万円-支出181万円で79万円です。
訪問看護ステーションの収入は、主に訪問看護サービスの提供によって発生する、介護保険・医療保険の報酬です。
訪問件数が多いほど報酬は増加するため、増収を目指すなら利用者の数に加え、月々の訪問回数を増やす必要があります。
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訪問看護ステーション開業に役立つ助成金
訪問看護ステーションは人件費・事務所の賃料など、さまざまなコストが発生するため、常に一定以上の運転資金を確保しなければなりません。
資金調達では、金融機関の融資以外にも、補助金・助成金を検討すると良いでしょう。
以下は、訪問看護ステーションで受けられる助成金の一例です。
助成金 | 対象 | 受給金額 |
業務改善助成金 | ・事業所の最低賃金を30円以上引き上げた事業所 ・生産性の向上に貢献する設備投資等を行った事業所 | 上限30万円~600万円 |
キャリアアップ助成金 (正社員化コース) | 有期契約労働者等を、正社員や正規雇用労働者に転換・直接雇用し、賃金を3%以上向上させた事業主 | ・有期契約労働者を正規雇用に転換した場合 57万円 (大企業は42.75万円) ・無期契約労働者を正規雇用に転換した場合 28.5万円 (大企業は21.375万円) |
キャリアアップ助成金 (賞与・退職金制度導入コース) | 有期労働者等を対象に賞与・退職金制度を新規に導入し、支給あるいは積立を実施した事業主 | 賞与あるいは退職金制度導入 40万円(大企業は30万円) 賞与と退職金制度を同時導入 56.8万円(大企業は42.6万円) |
働き方改革推進支援助成金 (労働時間適正管理推進コース) | 生産性を向上させ、労務・労働時間の適正管理の推進に向けた環境整備に取り組むために設備投資をし た事業主 | 最大580万円 |
働き方改革推進支援助成金 (労働時間短縮・年休促進支援コース) | 生産性を向上させ、時間外労働の削減・年次有給休暇や特別休暇の促進に向けた環境整備に取り組む事 業主 | 最大730万円 |
上記の助成金は、人事の改善や業務の効率化を助成対象としている点が特徴です。
いずれも、安定した経営を実現するうえで重要な取り組みであるため、積極的に着手しましょう。
また、福祉局等が提供する訪問看護ステーション向けの補助金も、資金調達に役立ちます。
なお、補助金も看護資格の取得や人材の雇用など要件が異なるため、必ず要件をご確認ください。
関連記事:訪問看護の立ち上げに使える助成金一覧|自治体の制度例や資金調達方法を併せて解説!
訪問看護ステーションの立ち上げに必要なもの
本章では、訪問看護ステーションの運営基準・人員基準・設備基準に基づき、立ち上げに必要なものについて解説します。
訪問看護ステーションを立ち上げるなら、行政が定めた要件に則り、必要な人材・設備を用意しなければなりません。
要件に違反すると、経営が立ち行かなくなったり、指定が取り消されたりする恐れがあります。
訪問看護ステーションの運営基準
訪問看護ステーションの運営基準は、以下のとおりです。
- 内容及び手続きの説明及び同意
- 提供拒否の禁止
- サービス提供困難時の対応
- 受給資格等の確認
- 要介護認定の申請に係る援助
- 心身の状況等の把握
- 居宅介護支援事業者等との連携
- 法定代理受領サービスの提供を受けるための援助
- 居宅サービス計画に沿ったサービスの提供
- 居宅サービス計画等の変更の援助
- 身分を証する書類の携行
- サービスの提供の記録
- 利用料等の受領
- 保険給付の請求のための証明書の交付
- 指定訪問看護の基本取扱方針
- 指定訪問看護の具体的取扱方針
- 主治の医師との関係
- 訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成
- 同居家族に対する訪問看護の禁止
- 利用者に関する市町村への通知
- 緊急時等の対応
- 管理者の責務
- 運営規程
- 勤務体制の確保等
- 業務継続計画の策定等
- 衛生管理等
- 掲示
- 秘密保持等
- 広告
- 居宅介護支援事業者に対する利益供与の禁止
- 苦情処理
- 地域との連携等
- 事故発生時の対応
- 虐待の防止
- 会計の区分
- 記録の整備
引用:指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準について|厚生労働省
訪問看護ステーションの運営基準は、運営に必要な各種方針だけでなく、事故発生時の対応・会計の方法など、多方面でルールが定められています。
細かい規定が多いため、立ち上げに際しては専門家と確認しながら用意を進めましょう。
訪問看護ステーションの人員基準
人員基準とは、訪問看護ステーションを運営するうえで、配置すべきスタッフの最低限の人数や、役職などを定めた規定です。
訪問看護ステーションの場合、人員基準は以下のように定められています。
看護職員 (保健師・助産師・看護師又は准看護師) | 2.5人以上 ※内、1人は常勤であること |
理学療法士・作業療法士又は言語聴覚士 | 実情に応じた適当数 |
管理者 | 1人 ※保健師、助産師又は看護師であること。 |
訪問看護ステーションの管理者は、訪問看護を実施するうえで必要な技能・知識を有する者でなければなりません。
ただ、やむを得ない理由がある場合は、例外的に別の者を配置できる可能性があります。
なお、人員は常勤換算法で算出します。
常勤換算法とは、常勤のスタッフを1人として数え、非常勤のスタッフは勤務延べ時間数を常勤の所定労働時間で割って計算する方法です。
例えば、所定労働時間が40時間・非常勤スタッフの労働時間が12時間の場合だと、計算式は以下のとおりです。
・12時間(非常勤スタッフの労働時間)÷40時間(所定労働時間)=0.3人
訪問看護ステーションの設備基準
厚生労働省では、訪問看護ステーションの設備基準を以下のように定めています。
- 事業の運営を行うために必要な広さを有する専用の事務室※他事業の事業所を兼ねる場合
- 指定訪問看護の提供に必要な設備及び備品等
参照:指定訪問看護の事業の人員及び運営に関する基準|厚生労働省
訪問看護を提供するうえで、必要な設備や備品に細かい決まりはありません。
ただし、適切なサービスを提供するためにも、以下の備品は用意しましょう。
- バイタルサイン測定セット(体温計・血圧計・聴診器など)
- 防水用品
- ディスポ用品
- タブレットや文房具など記録用の機器・事務用品
- 消毒・手洗い用品
- 褥瘡用具や医療処置物品
訪問看護ステーションの立ち上げで起こりがちな失敗と対応策
訪問看護ステーションの立ち上げでは、さまざまな課題に直面します。
もし課題を解決できなければ、施設の指定を得られず、立ち上げ自体ができなくなる恐れもあります。
本章では訪問看護ステーションの立ち上げよくある失敗と、その対応策について解説します。
関連記事:訪問看護ステーションの経営は難しい?廃業率や成功のポイントなどを解説
法令制度の遵守
訪問看護ステーションは、運営・人員・設備に基準が設けられているため、経営にあたってさまざまな法令制度を遵守しなければなりません。
厚生労働省や行政から厳しく監督されるため、経営者は必ず施設の状況をチェックし、違反や不備がないか逐一確認する必要があります。
万が一法令制度に違反すると、施設の指定を得られない恐れがあります。
なお、介護業界の法令制度は頻繁に変更されます。
情報収集の際は、参照している資料の公開日に注意し、最新の情報を確認しましょう。
利用者の獲得
訪問看護ステーションを安定的に運営するうえでも、常に一定以上の利用者を確保する必要があります。
昨今は訪問看護ステーションの施設数が増加していることもあり、競合との競争はますます激しくなりました。
そのため、立ち上げ当初で競争に乗り遅れると、利用者を思うように獲得できず、収益が低迷する恐れがあります。
利用者を安定的に獲得するなら、介護福祉施設や地域包括支援センターなど、地域の施設との連携を強化しましょう。
互い利用者の情報を共有し、適切なサービスを提供する体制を整えれば、利用者の安定的な獲得につながります。
もちろん、利用者に提供するサービスの品質向上も重要です。
多職種との連携を通じ、訪問看護に留まらない多角的なサービスの提供を実現すれば、利用者からの信頼を得やすくなるでしょう。
資金繰りに注意
資金繰りは、訪問看護ステーションの経営を続けるうえでも、必ず意識しなければならないものです。
立ち上げ時点で、事業計画や経営の見通しが甘いと、利用者の獲得が滞った途端に資金繰りが悪化しかねません。
資金繰りを改善するには、立ち上げる段階から綿密な事業計画を作成し、常に収支をコントロールしなければなりません。
不要なコストをなくし、経営の健全化に努めるだけでなく、必要に応じて資金調達を検討しましょう。
効率的な業務の実施
効率的な業務の実施も、訪問看護ステーションの安定した経営に欠かせない取り組みです。
スタッフは訪問看護だけでなく、利用者のバイタルの記録や情報の共有など、さまざまな事務作業を行う必要があります。
事務作業の負担が大きいと、スタッフが疲弊したり、残業の増加で人件費が増加したりします。
事務作業を効率化するためには、介護ソフトなどのICTが効果的です。
これまで人手で実施していた入力作業や情報共有を、自動化できます。
また、記入ミスや連携ミスを防止でき、管理データの信憑性が高まります。
訪問看護の利用者数は令和4年には要支援・要介護併せて約69万人となり、その数は年々増え続けています。2040年頃まで日本の高齢化は進むこともあり、市場としては非常に有望と言えるでしょう。加えて、訪問看護は利用条件はあるものの、それを満たす利用者に対しては医療保険で算定することも可能な特殊な業態となっています。介護保険報酬と医療保険報酬2つの収益チャネルがある恵まれた業態なのです。しかしながら、訪問看護の収支差率は5.9%と前年度と比較し1.3%減少しています。これは訪問看護の人件費率は74.6%と非常に高い数値であることが主因となっています。また日本の人口そのものは減少しており、エリアによっては高齢者人口も減り始めています。訪問看護を立ち上げる際には綿密なマーケットリサーチが非常に重要です。
なお、株式会社ワイズマンでは「介護現場のリスク管理とスタッフ教育の重要性についての資料」を無料で配布中です。
介護・福祉現場でのリスク管理やスタッフ教育を課題としている方を対象に作成しておりますので、ぜひダウンロードしてご活用ください。
訪問看護ステーションの経営には訪問看護ステーション管理システムSPがおすすめ
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テンプレートや入力フォームが整備されているため、スムーズに各種書類を作成できます。
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必要なデータを必要な時に参照できるため、データ収集にかかる余計な時間を削減できます。
訪問看護ステーションを立ち上げるなら申請手順や法規制などに注意
訪問看護ステーションは、高齢化に伴ってニーズが高まっており、施設数も年々増加しています。
他方で、訪問看護ステーションを立ち上げるなら、いくつもの申請手順や、さまざまな法規制を遵守しなければなりません。
また、経営に際しては収支のコントロールも重要です。
施設の収益を向上させるなら、多職種と連携して利用者を増やすだけでなく、コストの抑制にも積極的に取り組みましょう。
ただし、人件費のようなコストは、増加しすぎると負担になりますが、うかつに削減するとサービスの品質を低下させる恐れがあります。
そのため、ただちに削減するのではなく、業務の効率化を通じて抑制するようにしましょう。
もし、業務の効率化に取り組むなら、ワイズマンの訪問看護ステーション管理システムSPをご検討ください。
監修:伊谷 俊宜
介護経営コンサルタント
千葉県佐倉市出身。大学卒業後、教育サービス業界に入社したが、障がい者との交流を機 に「高齢や障がいを理由に、不当な差別を受けることのない社会を作りたい」と、介護事業者の門をたたいた。これまで、数々の特別養護老人ホーム、 グループホーム、デイサービスの立ち上げ、運営に参画。現在は、“現場第一主義!”を旗印とし、高齢者住宅、デイサービスを中心に「人気の施 設づくり」を積極的にサポートしている。