居宅介護支援とは?事業所の特徴や利用条件、サービス内容を解説

2023.02.13

居宅介護支援は、要介護者が自宅で自立した生活が送れるように支援することです。少子高齢化が進む日本では、居宅介護支援の持つ役割はとても大きいものとされています。

この記事では、居宅介護支援を行う事業所の特徴、利用条件、サービス内容などを解説します。

居宅介護支援とは?

居宅介護支援事業所の役割や、居宅介護支援のサービス内容を確認しましょう。

居宅介護支援事業所とは?

居宅介護支援事業所は、要介護者の相談や支援を行うことを目的とされた施設です。

在宅で生活する要介護者が適切に介護サービスを利用できるよう、ケアマネジャー(介護支援専門員)が在籍し、要介護認定の申請のお手伝いや居宅サービス計画(ケアプラン)を作成します。

また、介護施設への入所が必要な場合には、施設の紹介を行うことがあります。

居宅介護支援のサービス内容

居宅介護支援のサービス内容は、主に以下の3つがあります。

  • ケアプランの作成
  • 事業者や関係者との調整・連絡
  • 定期訪問

これら3つのサービス内容について解説していきます。

ケアプランの作成

ケアプランは、介護サービスを今度どのように利用するかを記載した計画書のことです。利用者が要介護の場合、居宅介護支援事業所に在籍するケアマネジャーが作成します。

ケアプラン作成の流れは以下の通りです。

  1. ケアマネジャーが利用者と面談し、状態の把握(アセスメント)を行う。
  2. アセスメントをもとに必要な介護サービスを提供する各事業者に照会を行い、サービスの種類や内容、利用回数、時間、利用料金などについてまとめる。
  3. ケアプランの原案が作成されたら利用者とその家族に説明し、内容を確認する。
  4. 利用者と家族が同席したうえで、介護サービス提供する事業者の担当者と主治医、ケアマネジャーなどの関係者で「サービス担当者会議」を開き、ケアプランを完成させる。
  5. ケアプランが確定したら、サービスを提供する事業者と契約をする。
  6. サービス開始。

事業者・関係者との調整・連絡

利用者本人が適切な介護サービスを受けられるように、さまざまな関係者、事業所と連携する必要があります。

主な調整・連絡先は下記のとおりです。

  • 住所が置かれている地方自治体
  • 利用者の主治医
  • 介護サービスを提供する施設
  • 地域包括支援センター
  • 利用者の家族
  • 福祉用具を販売・レンタルする会社

定期訪問

ケアプランを作成して終わりではなく、サービス開始後も利用者の自宅に定期訪問をします。ケアプランが実行されているかの確認や、状況に合わせた変更を行い最適化する必要があります。

なお、介護サービスを利用している最中にニーズが変わることも少なくありません。

居宅介護支援の利用条件

居宅介護支援を利用するためには、介護認定で要介護1〜5認定を受ける必要があります。介護認定調査により要介護に該当しなかったり、「要支援」と認定された方は居宅介護支援を受けることができません。

その他の条件として、居宅介護支援事業所からケアマネジャーの訪問を1か月に1回以上受け入れる必要があります。

居宅介護支援の利用にかかる費用

介護保険サービスの利用にかかる費用は、1〜3割が自己負担となります。所得によって金額が変わります。しかし、居宅介護支援は介護保険から全額給付されるため、自己負担額はゼロとなります。

ケアマネジャーにケアプランの作成や訪問の調整依頼をしても、利用料金を請求されることはありません。これは、利用者が可能な限り自立した生活を送るために「居宅介護支援」の役割が重要だと考えられているからです。

居宅介護支援を利用するまでの流れ

居宅介護支援を利用するまでの流れ

ここでは、居宅介護支援を利用するまでの流れを解説します。

STEP1:市区町村から要介護認定を受ける

居宅介護支援を利用するためには、介護認定(要介護・要支援)を受ける必要があります。

まずは、お住まいの市区町村にある介護保険の担当窓口に行き、申請をしましょう。

STEP2:居宅介護支援事業者を選ぶ

要介護認定を受けることができたら、指定を受けた居宅介護支援を行なっている事業者リストのなかから依頼する事業所を選びます。

事業所選びは情報や知識がないと難しいですが、わからないことがあれば市区町村の窓口や包括地域センターで相談するのもおすすめです。

STEP3:事業所との契約

希望する事業所が決まったら、事業所と契約を交わします。契約後から居宅介護支援サービスの利用を開始できます。

STEP4:ケアマネジャーの選任

契約を交わしたら、担当ケアマネジャーを決めます。決め方は事業所が選任することもありますが、利用者や家族が指定をすることもできます。しかし、ケアマネジャーは担当できる利用者数の上限が法律で決められているので、必ずしも希望するケアマネジャーを選任できるとは限りません。

【利用者向け】居宅介護支援を利用するメリット

居宅介護支援を利用するメリットは以下の通りです。

  • 自分に合った介護サービスを受けられる
  • 利用者の自己負担金がかからない

主な2つのメリットについて解説します。

自分に合った介護サービスを受けられる

居宅介護支援を利用すると、受けたい介護サービスをスムーズに受けやすいメリットがあります。

住み慣れた自宅で介護を受けられることはもちろん、在宅で受けられる介護サービスの種類は豊富にあります。また、自分の受けたい介護サービスのみ受けられるので、介護の自由度が高いのもポイントです。

利用者の自己負担金がかからない

居宅介護支援は介護保険から全額給付されるため、自己負担金がかかりません。

経済的に介護施設の利用が難しい家庭の場合は、居宅介護支援を利用することによって負担を大幅に下げることができます。

【利用者向け】居宅介護支援を利用するときの注意点

居宅介護支援は自己負担がかからず、自分に合った介護サービスをスムーズに受けることができますが、これらのサービスは24時間体制で受けられるものではありません。


居宅介護支援は利用者が自宅で自立して生活することを支援する事業所のため、不足分に関しては家庭内で対応が必要です。

【ケアマネ向け】居宅介護支援事業所で働くメリット

居宅介護支援事業所のケアマネジャーとして働くメリットは以下の通りです。

  • ケアマネジャー同士で意見交換ができる
  • ケアマネジャーのスキルを高められる

主な2つのメリットについて解説していきます。

ケアマネジャー同士で意見交換ができる

介護施設の場合だとケアマネジャーが少なく、相談できる相手がいないという悩みを持つ方も多いです。

居宅介護支援事業所では複数のケアマネジャーが相談にあたるため、同僚のケアマネジャーに分からないことが聞けたり、相談したりできます。

ケアマネジャーのスキルを高められる

ケアマネジャーが複数人在籍する職場は、多くの先輩ケアマネジャーが在籍しているので指導環境が整っていることも多いです。

そして何より、多くの利用者に対応するためスキルアップにも最適な環境です。居宅介護支援事業所は、はじめてケアマネジャーの業務をする方にもおすすめの事業所です。

【ケアマネ向け】居宅介護支援事業所で働くときの注意点

居宅介護支援事業所のケアマネジャーには、専門性の高い仕事が求められます。責任の大きさはやりがいにもつながる一方で、常に知識や専門性を高める必要があります。

利用者のなかには、家族または個人の範囲内では解決できないような介護の問題を抱えているケースも存在します。そういった場合の対処なども含め、もともと関わる業務範囲が広いこともあり、担当外の業務を依頼されることで仕事量が膨大になることもあります。

また、ケアプランを作成する際には、利用者やその家族との細かなコミュニケーションが重要となるため、的確な状況判断能力が必要です。

さらにケアマネジャーは多くの書類を処理する力も求められます。日頃の記録や書類の作成をしながら利用者の対応をすることもあるので、ミスがないように細心の注意が必要です。時間配分能力も、ケアマネジャーとして働くうえで必要な能力です。

まとめ

居宅介護支援は、利用者が自宅で自立して生活していくうえで必要不可欠なサービスです。

ケアマネジャーはケアプランの作成だけではなく、利用者や家族とのコミュニケーションを行い、信頼を得ることで適切な介護サービスを提供する責任の大きな仕事です。

これから居宅介護支援事業所で働きたいと考えている方は、記録業務などが効率化されている事業所で働くことをおすすめします。介護ソフトが導入された事業所かどうか事前にチェックしましょう。

先ほど解説したようにケアマネジャーの仕事量は膨大で、そのなかでも記録業務や書類作成は大きな割合を占めます。しかし、ケアマネジャーの仕事で最も大切なのは、利用者や家族とコミュニケーションをとって信頼関係を築くという部分です。

記録業務は電子化し効率化することで、目の前の利用者に集中することができます。例えば、「ワイズマンの介護ソフト(在宅ケアマネジメント支援システムSP)」は、利用者の情報管理や請求業務など、さまざまな業務の効率化をサポートします。

介護ソフトの資料請求や、デモンストレーションをご希望の方はこちらから簡単にお問い合わせいただけます。
>>「居宅介護支援ソフト(在宅ケアマネジメント支援システムSP)

すでに居宅介護支援事業所で働いている方は、勤務先の事業所に業務効率化ができる介護ソフトが導入されていないようであれば、担当者に導入の検討を依頼してみましょう。

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