ケアプランデータ連携システムの支援制度とは?ICT導入支援事業を解説
2024.01.16
令和5年度の4月から稼働が開始された、ケアプランデータ連携システム。
実は、導入する際に補助金を利用できるのはご存じでしょうか?
ケアプランデータ連携システムでは、ICT導入支援事業補助金を利用できる可能性があります。
ICT導入支援事業補助金を利用すると、導入費用のコスト削減が可能です。
本記事では、ケアプランデータ連携システムの概要、ICT導入支援事業補助金の概要について解説します。
ケアプランデータ連携システムの導入を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
ケアプランデータ連携システムの基礎知識
ケアプランデータ連携システムは、令和5年度4月から稼働が開始されている厚生労働省の事業です。
居宅介護支援事業所と介護サービス事業所の間で毎月やり取りされる、ケアプランの業務負担を軽減できます。
本章では、ケアプランデータ連携システムの以下の3点について解説します。
- ケアプランデータ連携システムとは?
- ケアプランデータ連携システムの対象範囲
- 導入効果と利用にかかるコスト負担
まずは、ケアプランデータ連携システムの概要をおさらいします。
ケアプランデータ連携システムとは?
ケアプランデータ連携システムとは、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所間のケアプランの情報共有を楽にするシステムを指します。
従来、居宅サービス計画書や利用票、提供票などの情報共有は、紙媒体での情報共有が主流でした。
そのため、郵送はFAXやメールを利用するため、介護事業所の負担となっています。
そこで、厚生労働省が令和5年4月から運用開始したのが、ケアプランデータ連携システムです。
具体的には、介護ソフトから出力したケアプランデータのCSVファイル等を、ケア プラン連携クライアントソフト間でやり取りを行います。
システムを利用すると、インターネット上で情報共有ができるため、情報共有が簡単です。
ケアプランデータ連携システムの対象範囲
ケアプランデータ連携システムの対象範囲は、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所です。
介護事業所に設置される「ケアプランデータ連携クライアント」と運用センターに設置される「ケアプランデータ連携基盤」から構成されます。
ケアプランデータ連携システムの運用・構築は国民健康保険中央会です。
介護事業所は、「ケアプランデータ連携クライアント」からインターネット回線を経由し、「ケアプランデータ連携基盤」を通して事業所間のケアプランデータのやりとりを行います。
導入効果と利用にかかるコスト負担
ケアプランデータ連携システムの導入により、介護事業所への導入効果・相乗効果が期待されます。
期待される導入効果と相乗効果については以下のとおりです。
導入効果
- 記載時間の削減
- 転記謝りの削減
- データ管理による文書量削減
- 介護従業者の負担軽減
相乗効果
- 利用者支援にかける時間増
- ケアの質の向上
また、導入には複数の利用コストが発生します。
主に発生するコストは以下のとおりです。
- ライセンス料金:1事業所あたり年21,000万円
- 電子証明書発行手数料:3年間で13,200円
- 介護ソフト利用料:各介護ソフトによる
コストは、ICT導入支援事業補助金の申請が通れば、コスト削減が可能です。
導入を考えている方は、ICT導入支援事業補助金の利用を考えましょう。
関連記事:ケアプランデータ連携システムとは?導入するメリットや手順を徹底解説
【令和5年】ケアプランデータ連携システムの補助金制度
ケアプランデータ連携システムを導入するには、ICT導入支援事業補助金を利用しましょう。
ICT導入支援事業補助金は、介護事業者のICT利用を進めるための制度です。
補助要件を満たすことで、補助上限額の増額も可能です。
本章では、ICT導入支援事業補助金の概要について、以下の4点を紹介します。
- ICT導入支援事業の概要
- ICT導入支援事業の補助対象
- ICT導入支援事業の補助要件
- ケアプランデータ連携システムの補助金上限額
以下の厚生労働省の資料をもとに解説します。
ICT導入支援事業の概要
ICT導入支援事業とは、ICTの活用を通して職員の業務負担を軽減する制度です。
介護現場では、紙媒体での情報共有、記録作成、書類提出が主流です。
しかし、書類作成やFAXでの情報共有など、職員の業務負担が増加しています。
このような背景があるため、介護のICT化を進めるために、「ICT導入支援事業」が立ち上げられました。
介護のICT化を進めることで、文書作成に要する時間を軽減して、提供サービスの向上が期待されています。
ICT導入支援事業の補助対象
ICT導入支援事業の補助対象は、ICT機器となっています。
具体的には、介護ソフト、情報端末、通信環境機器、その他です。
補助対象となっている概要は以下のとおりです。
- 介護ソフト・・・記録、情報共有、請求業務で転記が不要であるもの。
- 情報端末・・・タブレット端末、スマートフォン端末、インカム等
- 通信環境機器等・・・Wi-Fiルーター等
- その他・・・運用経費(クラウド利用料、サポート費、バックオフィスソフト【勤怠管理、シフト管理等】等)
ICT導入支援事業の補助要件
ICT導入支援事業には、補助要件が存在します。
補助要件を満たすことで、各都道府県から補助金が交付されます。
以下は、ICT導入支援事業の補助要件と概要です。
LIFEによる情報収集・フィードバックに協力 | 「LIFE」の情報収集・フィードバックに協力する。 |
他事業所からの照会に対応 | 導入を考えている他事業所からの照会に対応する。 |
導入計画の作成、導入効果報告(2年間) | 自施設でICTを導入する目的を定め計画を作成。及び導入効果を報告する。 |
IPAが実施する「SECURITY ACTION」の 「一つ星」又は 「二つ星」のいずれかを宣言 | 「一つ星」:「情報セキュリティ5か条」を読み、目標を決めて申請する。 「二つ星」:「5分でできる!情報セキュリティ自社診断」の実施と、情報セキュリティ基本方針を定め、申請する。 |
ケアプランデータ連携システムの補助金上限額
ICT導入支援事業の補助金は、事業所規模(職員数)に応じて設定されています。
事業所規模による補助金上限額は以下のとおりです。
- 1~10人:100万円
- 11~20人 :160万円
- 21~30人 :200万円
- 31人~ :260万円
ケアプランデータ連携システムの補助金上限を増額させるための要件
ケアプランデータ連携システムを利用する際には、ICT導入支援事業を利用していきましょう。
また、ICT導入支援事業は、一定の要件を満たすことで補助金上限が増額できます。
補助金上限は以下の規定となっています。
- 一定の要件を満たす場合は、3/4を下限に都道府県の裁量により設定
- それ以外の場合は、1/2を下限に都道府県の裁量により設定
なお、補助割合が3/4となる要件は、以下のとおりです。
- 事業所間でケアプランのデータ連携で負担軽減を実現
- LIFEの「CSV連携仕様」を実装した介護ソフトで実際にデータ登録を実施等
- ICT導入計画で文書量を半減
- ケアプランデータ連携システムの利用
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【令和6年度】ケアプランデータ連携システムの補助金制度の変更
令和6年度のICT導入支援事業補助金は、変更点が複数あります。
そのため、令和6年度にケアプランデータ連携システムの導入を考えている方は、変更点に注意してください。
本章では、令和6年度のICT導入支援事業補助金制度の変更点について3つ解説します。
- 変更点1.介護テクノロジー導入支援事業(仮称)へ名称が変更
- 変更点2.補助金の対象が拡大
- 変更点3.補助割合拡充要件の一部緩和
以下の厚生労働省の資料をもとに解説します。
参照:令和6年度概算要求の概要(老健局)の参考資料|厚生労働省
変更点1.介護テクノロジー導入支援事業(仮称)へ名称が変更
1つ目の変更は、名称の変更です。
ICT導入支援事業は、統合により名称が変更されます。
具体的には、「介護ロボット導入支援事業」と「ICT導入支援事業」が統合され、介護テクノロジー導入支援事業(仮称)となります。
また、仮称のため今後変更する可能性もあるので注意してください。
変更点2.補助金の対象が拡大
2つ目の変更は、補助金の対象が拡大したことです。
補助対象は、令和5年度に対象となっていたICT機器、導入経費は引き続き対象となっています。
そこに加えて、介護ロボットやICT等を活用するためのICTリテラシー習得に必要な経費が加わります。
令和6年度は、ICTリテラシーが加わったことにより、人材を育成するための経費も補助金対象です。
変更点3.補助割合拡充要件の一部緩和
3つ目の変更は、補助割合拡充要件の一部緩和です。
以下の要件を満たすと、補助金が上限1,000万円、補助率3/4となります。
- 取組計画により、職場環境の改善(内容検討中)を図り、職員へ還元することが明記されていること
- すでに導入されている機器、また本事業で導入する機器等と連携し、生産性向上に資する取組であること
- プラットフォーム事業の相談窓口や都道府県が設置する介護生産性向上総合相談センターを活用すること
介護業界は非常にアナログな業界で、FAXなど紙媒体のやり取りが中心となっています。また、介護システムを導入していてもベンダー間に互換性がないことも問題視されてきました。厚労省は、こうした諸問題を解決するために2023年4月20日より介護データ連携システムを稼働させました。しかしながら、稼働までの流れが急だったこともあり、現状は使用しやすいシステムとは言い難い仕様となっています。しかし、2024年の介護報酬改定に於いて、このケアプランデータ連携システムの活用を条件に、ケアマネ1人当たりの取扱件数を増やす方向で審議されています(2024年12月17日現在)。厚労省としては是が非でも利用を促進させたいようです。いずれにしても、近い将来利用はマストとなっていきます。早期の活用を検討していきましょう。
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そのため、介護施設の負担軽減を目指している方は、ワイズマンシステムSPがおすすめです。
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アプリ上やタブレットからも接続ができるため、スムーズなコミュニケーションが可能です。
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法人内や地域での医療施設・介護事業所間の連携を実現できますの是非ご覧ください。
まとめ
本記事で解説した、大切な部分についてまとめました。
- ケアプランデータ連携システムは、居宅介護支援事業所と介護サービス事業所の各事業所間の情報共有を簡潔にするための制度
- ICT導入支援事業の補助対象は、ICT機器、及び周辺の通信機器
- 令和6年度のICT導入支援事業補助金は、変更点が複数ある
- 「ワイズマンシステムSP」はケアプランデータ連携システムに対応可能
「ワイズマンシステムSP」はケアプランデータ連携システムに対応可能です。
業務負担軽減のみならず、提供サービスの質の向上も期待されます。
ぜひ、ケアプランデータ連携システムの導入を考えている方は、「ワイズマンシステムSP」の導入をご検討ください。
監修:伊谷 俊宜
介護経営コンサルタント
千葉県佐倉市出身。大学卒業後、教育サービス業界に入社したが、障がい者との交流を機 に「高齢や障がいを理由に、不当な差別を受けることのない社会を作りたい」と、介護事業者の門をたたいた。これまで、数々の特別養護老人ホーム、 グループホーム、デイサービスの立ち上げ、運営に参画。現在は、“現場第一主義!”を旗印とし、高齢者住宅、デイサービスを中心に「人気の施 設づくり」を積極的にサポートしている。