福祉施設でのリスクマネジメントとは?事例付きでわかりやすく解説!

2024.10.20

福祉施設でのリスクマネジメントは重要な取り組みのひとつです。
事故につながるリスクを対策することは、利用者を守るだけでなく職員を守ることにつながるからです。

しかし、リスクマネジメントについてどのように進めるべきかわからない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、福祉施設でのリスクマネジメントの進め方を具体的にわかりやすく解説します。
実際の福祉施設で行われた事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

福祉施設でのリスクマネジメントが重要な理由

福祉施設でのリスクマネジメントが重要な理由は、主に以下の4点です。

  • 介護事故を予防するため
  • 安全対策体制加算のため
  • 訴訟リスクを軽減するため
  • 介護職員の労働環境を改善するため

福祉施設でのリスクマネジメントはさまざまな面で重要な取り組みです。4点を詳しく紹介します。

介護事故を予防するため

リスクマネジメントは利用者の介護事故を予防するために欠かせません。
利用者は高齢で身体機能や判断力が低下している場合が多いです。
通常であれば見逃しても大きな問題にならないような小さなリスクにも、注意を払う必要があります。

例えば、小さな段差での躓きや入浴時の転倒などにより、骨折などの重大な怪我につながりかねません。
ときには生命に関わる傷害を引き起こす可能性もあり、少しのリスクも見逃さない姿勢が重要です。
利用者の立場になり、行動について理解し、リスクを見つけ出して対策をしましょう。

安全対策体制加算のため

安全対策体制加算とは、令和3年度の介護報酬改定で新設された加算です。
対象となるのは、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの施設系のサービスです。

加算要件は以下の4点です。

  • 事故発生防止のための指針の整備 
  • 事故が発生した場合等における報告と、その分析を通じた改善策を従業者に周知徹底する体制の整備 
  • 事故発生防止のための委員会および従業者に対する研修の定期的な実施
  • 外部の研修を受けた安全対策担当者の設置

参照:高齢者虐待の防止/介護現場における安全性の確保、リスクマネジメント|厚生労働省 老健局

リスクマネジメントへの十分な体制をとることで安全対策体制加算を取得できます。
施設運営の面でもメリットになる可能性が高く、取得する施設は多くあります。

訴訟リスクを軽減するため

リスクマネジメントは訴訟のリスクを下げるためにも重要です。
利用者が福祉施設内の事故で負傷し、その結果、利用者の家族が訴訟を起こすことで、多額の損害賠償が発生する事例が起きています。

利用者が重体になったり、死亡してしまった場合、さらに損害賠償額が高額となり、施設の経営を脅かす可能性もあります。
リスクマネジメントで利用者を守ることは、福祉施設の運営を守ることにもつながります。

介護職員の労働環境を改善するため

リスクマネジメントは介護職員の働きやすさにも直結します。
利用者の事故だけでなく、介護中の職員の事故も多く起きています。
労災を防ぐこともリスクマネジメントの大きな目的のひとつです。

また、リスクマネジメントを行うことで潜在的リスクや実際の事故への適切な対処ができるようになり、職員の安心感にもつながります。
日常的にヒヤリハットの報告がしやすい環境を作ったり、事故対応の教育に力を入れることが大切です。

福祉施設でのリスクマネジメントの方法

福祉施設でのリスクマネジメントは、以下の順番で行います。

  1. ヒヤリハットを記録する
  2. 防げる事故と完全には防げない事故を分ける
  3. ヒヤリハットを4Mに分ける
  4. リスクへの対策を立てる
  5. 対策を周知し実行する

それぞれの作業について説明します。

ヒヤリハットを記録する

日々の業務で起きるヒヤリハットを記録することは大切です。
ヒヤリハットとは、事故から一歩手前の状況(事故には至らなかった出来事)のことです。

ハインリッヒの法則では、重大な事故1件の裏には29回の軽傷と300回のヒヤリハットがあるとされています。
参照:職場の安全サイト|厚生労働省

福祉施設におけるヒヤリハットの例として、特別養護老人ホームでは、1位が転倒、2位が誤嚥(ごえん:食べ物などを間違って気管に入れてしまうこと)、3位が転落となっています。

参照:「福祉サービスにおける危機管理(リスクマネジメント)に関する取り組み指針 ~利用者の笑顔と満足を求めて~」について|厚生労働省

ヒヤリハットを記録する際は、日時や発生時の状況を詳しく記録し、適切な対策を講じることで重大な事故の防止につなげましょう。
記録したヒヤリハットは他のスタッフとも共有し、職場全体に広く周知されることが重要です。

防げる事故と完全には防げない事故を分ける

リスクマネジメントをしても事故をゼロにはできません。
事故を「防げる事故」と「完全には防げない事故」に分類して対策を講じます。

防げる事故とは、事業者側や施設が適切な対策を講じることでリスクを防止できる事故のことです。
例えば、職員の不注意による転倒事故や、設備の不備による事故などが当てはまります。
防げる事故については、事業者の賠償責任が問われる可能性が高いため、しっかりと対策を立てる必要があります。

一方、完全には防げない事故とは、対策をしてもリスクをゼロにすることが難しい事故です。
例えば、利用者が自力で歩いているときにつまづいて転倒することは防ぎきれません。
しかし、歩行補助具や環境整備によってリスクを軽減することは可能です。
リスク防止ができない事故については、事故が起きた後に被害を最小限にする方法を考えることが有効です。

ヒヤリハットを4Mに分ける

4Mとは、Man(人)・Machine(機械)・Media(環境)・Management(管理)の頭文字を取ったものです。
介護現場では以下のように当てはめられます。

  • Manは、職員の知識不足や確認不足などの人的要因
  • Machineは、福祉用具の不具合や設備の故障などの機械的要因
  • Mediaは、施設内の照明の明るさや床の状態などの環境的要因
  • Managementは、マニュアルの不備やコミュニケーション不足などの管理的要因

4Mに分類することで、ヒヤリハットの原因をさまざまな視点から分析でき、具体的な対策を立てやすいです。

リスクへの対策を立てる

ヒヤリハットの原因がわかったら、具体的な対策を立てましょう。
対策は、未然防止策と直前防止策、損害軽減策の3つに分けられます。
具体的には以下のような内容です。

  • 未然防止策:事故の原因そのものを取り除く対策
    (例)転倒の原因となる段差をなくす、誤嚥の原因となる食事形態を工夫する
  • 直前防止策:事故の兆候を早期に発見し、回避する対策
    (例)センサーを使って利用者の動きを把握する、定期的な見守りを行う
  • 損害軽減策:事故が起きてしまった場合に、被害を最小限に抑える対策
    (例)誤嚥時のために吸引器具を準備しておく、職員へ事故対応の教育をしておく

リスクをなくすために大きな効果があるのは、事故の原因そのものを取り除く未然防止策です。
しかし、コストや人手不足などにより難しい場合は、直前防止策や損害軽減策でリスクを低減できないか検討します。

対策を周知し実行する

立案した対策は職員全員に周知し、全員がリスクマネジメントへの意識を持ったうえで確実に実行することが大切です。
対策を文書化し、マニュアルを作成することで職員の理解が定着し、より深い理解につながります。
定期的な研修を行い、対策の重要性を伝えることも効果的です。

リスクマネジメントは一時的な取り組みではなく、継続的に行うことが求められます。
PDCAサイクル(計画・実行・評価・対策のサイクル)を回し、実行しているリスクマネジメントが効果的に運用されているかを定期的に確認しましょう。
必要に応じて施策の見直しを行うことも大切です。

福祉施設でのリスクマネジメントの具体的な事例

実際にあった福祉施設でのリスクマネジメントの具体的な事例を紹介します。
発生率が高い以下の事故について事例を紹介します。

参照:老人施設等における事故事例集|北海道

  • 転倒
  • 誤嚥
  • 転落

どのような状況で事故が発生し、事故に対してどのような対策を講じたのか、ぜひ参考にしてみてください。

転倒

  • 事故の内容
    介護老人保健施設において、ホールで体操に参加するため利用者が椅子から立ち上がろうとしたところ、バランスを崩して転倒し、右足の骨折をしました。
  • 事故の原因
    体操を行う利用者の誘導をするために多くの職員が居室などに行っており、ホールの見守りの人員が不足していたことが原因であると考えられました。
  • 事故への対策
    ホールへの誘導を行う職員と、ホールに集まってきた利用者を見守る職員のバランスを考え、見守りを適切にできるようにしました。

職員の配置があまり考慮されていなかった点は、組織の運営体制が不十分であったと捉えられるので、管理的要因が強いです。

人員配置の見直しによって見守りをする職員が増えることは、利用者の事故を未然に防ぎ、事故が起きた場合も迅速に対応できるようになるので、直前防止策と損害軽減策を両立しています。

誤嚥

  • 事故の内容
    介護老人福祉施設において、昼食時に利用者が誤嚥を起こしました。
    普段は自力で食べていましたが、いつもより食べる速度が速く、注意を促しながら見守っていたものの、誤嚥に至りました。
  • 事故の原因
    注意を促していましたが、パンを小さく切り、水分を摂りながら食べてもらうなどの措置が徹底されていませんでした。
  • 事故への対策
    パンを食べるときは水分を摂りながら食べるように働きかけるよう徹底しました。また、小さくカットして提供し、食べる速度が速いときは少しずつ皿に入れるなどの対応を行いました。

普段は問題なく自力で食べていたため、注意が不足していた点、パンを小さく食べやすくして提供していなかった点は職員の確認不足であり、人的要因にあたります。

飲食時の注意の徹底は直前防止策、パンを小さくカットし少しずつ提供する点はリスク要因の排除に近く、発生防止策に当てはまります。

転落

  • 事故の内容
    介護老人福祉施設において、深夜に居室内で利用者がベッドから転落し、頭部を打撲しました。
    ベッド脇のセンサーマットが反応し、職員が駆けつけたことで発見に至りました。
  • 事故の原因
    事故当日は利用者は精神的に不安定な状況で、寝たり起きたりを繰り返していました。利用者の行動や精神状態への配慮に欠けていたことが原因として挙げられました。
  • 事故への対策
    利用者の状況や精神面も考慮して介助を行うことを意識づけました。
    また、ベッドから布団に変更しました。ベッド柵で行動抑制をするよりも這って動ける環境が適していると判断したためです。

職員の配慮不足は人的要因、ベッドという高い場所からの転落リスクは機械的要因に当てはまります。

利用者の状況を考えて介助をすること、ベッドや布団の変更をすることで、直前防止策と発生防止策を同時に取り入れている事例です。

福祉施設でのリスクマネジメント実施時に重要なこと

福祉施設でのリスクマネジメント実施時に重要なことは、以下の4点です。

  • リスクマネジメント委員会を設置する
  • ヒヤリハットを報告しやすい職場づくりをする
  • 利用者の尊厳を一番に考える
  • 事故発生時に備えて訓練をしておく

リスクマネジメントを効率よく行い、質を高めるためにすべきことについて説明します。

リスクマネジメント委員会を設置する

福祉施設でリスクマネジメントを実施する際、専門の委員会を設置することが重要です。
委員会の設置は、リスクマネジメントに関する情報を集中管理し、組織的な取り組みを推進することができます。

委員会は、施設長や各部門の責任者、現場の職員などで構成し、定期的に会議を開催します。
会議では、ヒヤリハット事例の分析や対策の検討、マニュアルの作成や見直しなどを行います。

また、事故が発生した場合の対応方針を決めておくことも大切です。
委員会の活動は、職員の意識向上や連携強化にもつながります。

リスクマネジメントは一部の職員だけでなく、全員で取り組むべき課題です。
委員会を中心に、職員全体で理解を深め、協力して実践していくことが求められます。

ヒヤリハットを報告しやすい職場づくりをする

できるだけ多くのヒヤリハットを収集するには、ヒヤリハットを報告しやすい職場環境を作ることが欠かせません。
ヒヤリハットは、事故の予兆やリスクを知るうえで重要な情報源です。

しかし、報告することで自分の評価が下がるのではないかと心配し、躊躇する職員も少なくないはずです。
ヒヤリハットを報告した職員を責めたり、処分などの不利益を与えたりすることはあってはなりません。
積極的に報告した職員を評価することが大切です。

報告しやすい方法にすることも重要で、例えば書きやすい簡単なヒヤリハット報告のテンプレートを使用したり、匿名のアンケートを採用したりするのがおすすめです。
ヒヤリハットを共有し、対策を講じることが当たり前の職場文化を作り出すことが、事故防止につながります。

利用者の尊厳を一番に考える

リスクマネジメントを実施するうえで、利用者の尊厳を最優先に考えることが何より大切です。
事故防止のために利用者の行動を過度に制限し、プライバシーを侵害することはあってはなりません。

例えば、転倒防止のために身体拘束を行うことは、利用者の尊厳を損なう行為です。
身体拘束は原則として禁止されており、緊急時にやむを得ない場合に限って、適切な手続きを経て実施されなければなりません。

また、利用者の状態に合わせた福祉用具の選定や環境整備など、利用者の自立を支援する視点も重要です。
利用者の尊厳を守りながら、安全とQOL(生活の質)のバランスをとることが、リスクマネジメントに求められます。

利用者の意思を尊重し、利用者の視点に立って考えることが、信頼関係の構築にもつながります。

事故発生時に向けて訓練をしておく

いくら事故防止に努めても、ゼロにすることは難しいのが現実です。
事故が発生した場合に備えて、日ごろから訓練をしておくことが重要です。

例えば、利用者の急変時への対応や、災害時の避難誘導といった訓練を定期的に行うなどが挙げられます。
訓練を通じて、マニュアルの実用性を確認し、必要に応じて見直しを行いましょう。

職員の役割分担を明確にし、連携を強化することも大切です。
事故発生時は、冷静かつ迅速な対応が求められます。
日ごろから訓練を重ねることで、いざというときに適切な行動が取れます。
利用者の生命を守ることへの使命感を持ち、常に危機管理意識を高めておくことが、リスクマネジメントの基本です。

介護事故が発生したときの対処方法

介護事故が発生したときの対処方法は、以下の4点です。

  • 応急処置をする
  • 家族へ説明する
  • 事故を記録する
  • リスクマネジメントに活用する

万が一、事故が発生した際のことも想定し、いざというときに適切に対処できるように準備をしておきましょう。

応急処置をする

介護事故が発生した場合、まず利用者の安全を確保し、必要な応急処置を行うことが最優先です。
事故の種類や程度に応じて、適切な処置を迅速に行います。

例えば、転倒事故の場合は、意識状態や外傷の有無を確認し、必要に応じて医療機関へ搬送します。
誤嚥の場合は、吸引などの処置を行い、呼吸状態を観察します。

応急処置は、利用者の生命に関わる重要な対応であり、日ごろの訓練ですべての職員が適切な処置ができるようにしておくことが大切です。

応急処置の際は、利用者の状態を細かく観察し、変化があれば速やかに医療機関へ連絡することも重要です。
利用者の安全を最優先に考え、冷静かつ迅速な対応が求められます。

家族へ説明する

事故発生後は、速やかに家族へ連絡し、状況を説明することが重要です。
家族は、利用者の安否を心配しています。
事実関係を正確に伝え、現在の状態や今後の見通しについて丁寧に説明します。

説明の際は、専門用語を避け、わかりやすい言葉で伝えることが大切です。
また、家族の気持ちに寄り添い、誠意を持って対応することが求められます。

事故の原因や再発防止策についても、調査結果がまとまり次第、説明する必要があります。
家族からの質問や要望には真摯に耳を傾け、できる限り対応するよう努めます。

信頼関係を築くことが、円滑なコミュニケーションにつながります。
家族への説明は、施設長や管理者が行うことが望ましいです。

事故を記録する

事故発生後は、速やかに事故の状況を記録することが重要です。
記録は、事実関係を明確にし、原因を明らかにするうえで欠かせません。

記録する内容は、事故の日時や場所、状況、対応経過などです。
また、事故の状況を写真や図に残しておくことも大切です。

記録はできるだけ詳細に、客観的に行います。
記憶が曖昧になる前に、関係者からの聞き取りを行うことも必要です。

事故の記録は、再発防止策を検討する際の重要な資料になり、家族への説明や行政に報告する際にも活用します。

記録は一定期間保管し、必要に応じて開示できるようにしておきましょう。
記録の保管期間は2年ですが、自治体によっては5年の場合もあります。

参照:記録の整備・保存|川崎市

事故の記録は、リスクマネジメントの基礎となる重要な業務です。

リスクマネジメントに活かす

事故発生後は、事故の原因を究明し、再発防止策を検討することが重要です。

事故の記録や関係者からの聞き取りをもとに、発生要因を分析します。
リスクマネジメントの手順どおり、原因を4Mに分け、事故の再発防止策を検討しましょう。
策定した再発防止策は、確実に実行に移すことが大切です。
実施状況を定期的に評価し、必要に応じて改善を図ります。

事故の経験を風化させることなく、リスクマネジメントに活かしていくことが重要です。
事故を他人事ではなく、自分事として捉え、全職員で再発防止に取り組む姿勢が求められます。

事故を教訓に、より安全で質の高いケアを提供することが、福祉施設の使命です。

伊谷 俊宜氏
伊谷 俊宜氏

介護施設のリスクマネジメントで特筆すべきは『施設内で起きた事故は原則全て介護事故となる』ということでしょう。入居施設では24時間、それ以外の施設では運営時間内に起きた利用者の事故は介護事故として扱われます。そして、介護事故に関して、訴訟にまで発展してしまった場合、ほぼ確実に介護施設側が負けてしまうのが現状です。訴訟リスクを減少させるためにも介護施設でのリスクマネジメントは重要です。また、介護業界のリスクマネジメントとは、換言すれば利用者個々のアセスメントでもあります。転びそうになったというヒヤリハット報告書があがった場合、その原因とより重大な事故に繋がらないよう対策を講じるはずです。“転びそうになった”という現象を通じて利用者を再アセスメントし、利用者自身のQOL向上にも繋げていけるのです。

福祉施設のリスクマネジメントで安心できる職場づくりを

福祉施設のリスクマネジメントは、利用者だけでなく職員や施設の経営を守る面でも効果的です。
リスクマネジメントの具体的な方法は以下のとおりです。

  • ヒヤリハットを記録する
  • 防げる事故と完全には防げない事故に分ける
  • ヒヤリハットを4Mに分ける
  • リスクへの対策を立てる
  • 対策を周知し実行する

業務の中で発生したヒヤリハットを職員全体で共有し、明らかとなったリスクをしっかりと対策しましょう。
そのためには、ヒヤリハットを共有しやすい職場の雰囲気づくりや、報告しやすいシステムを築くことが大切です。

リスクマネジメントでは利用者の尊厳やQOLを尊重して考えることが重要です。
危険を遠ざけようとするあまり、身体拘束などで行動を著しく制限するのは適切ではありません。

万が一、事故が起こったときの対処を、職員全員が適切にできることも求められます。
日々の教育や訓練で迅速に対応できる体制を整えておきましょう。

リスクマネジメントをすることで、利用者や職員にとっても安心できる職場づくりを目指しましょう。

監修:伊谷 俊宜

介護経営コンサルタント

千葉県佐倉市出身。大学卒業後、教育サービス業界に入社したが、障がい者との交流を機 に「高齢や障がいを理由に、不当な差別を受けることのない社会を作りたい」と、介護事業者の門をたたいた。これまで、数々の特別養護老人ホーム、 グループホーム、デイサービスの立ち上げ、運営に参画。現在は、“現場第一主義!”を旗印とし、高齢者住宅、デイサービスを中心に「人気の施 設づくり」を積極的にサポートしている。

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