【2025年版】通所介護の単位数|算定方法などを解説

2025.02.28

通所介護事業所を運営していくうえで、介護報酬の単位数を正しく理解し、計算することは重要です。
単位数を正確に把握することで、適切な報酬請求を行い、安定した事業運営を実現できます。

しかし、通所介護の単位数は種類が多く、加算・減算なども含めると複雑で、理解に苦戦する方もいるのではないでしょうか。

本記事では、2025年版の通所介護の基本単位数について、種類ごとの算定方法に加え、加算・減算についても詳しく解説します。
通所介護の単位数一覧も掲載しているので、ぜひ参考にしてください。

通所介護の単位数

本章では、通所介護の単位の基本的な知識を解説します。
正確に介護報酬を算定するうえでも把握しておきましょう。

通所介護における単位とは

通所介護における単位とは、介護サービスの提供量を測る指標です。
この単位数に基づいて、介護保険から事業所への報酬が支払われます。

単位数は、利用者の要介護度やサービス内容によって異なり、複雑な算定方法が用いられるものです。
そのため、正確な理解と計算が事業所の運営においては必須です。

また、介護報酬の種類によっては、「1日につき」「1カ月につき」など、単位数の算定方法が変わるケースがあります。
特に加算・減算は種類によって算定方法がかなり変わるので、加算の取得を目指すなら、それぞれの単位数や算定要件を必ずチェックしましょう。

通所介護の基本報酬の単位数一覧

通所介護の基本報酬の単位数は施設規模によって変わります。
規模別の単位の一覧は以下のとおりです。

【通常規模】

サービス提供時間要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
3時間以上4時間未満370単位423単位479単位533単位588単位
4時間以上5時間未満388単位444単位502単位560単位617単位
5時間以上6時間未満570単位673単位777単位880単位984単位
6時間以上7時間未満584単位689単位796単位901単位1,008単位
7時間以上8時間未満658単位777単位900単位1,023単位1,148単位
8時間以上9時間未満669単位791単位915単位1,041単位1,168単位
参照:介護給付費単位数等サービスコード表|厚生労働省

【大型規模(Ⅰ)】

サービス提供時間要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
3時間以上4時間未満358単位409単位462単位513単位568単位
4時間以上5時間未満376単位430単位486単位541単位597単位
5時間以上6時間未満544単位643単位743単位840単位974単位
6時間以上7時間未満564単位667単位770単位871単位1,097単位
7時間以上8時間未満629単位744単位861単位980単位1,097単位
8時間以上9時間未満647単位765単位885単位1,007単位1,127単位
参照:介護給付費単位数等サービスコード表|厚生労働省

【大型規模(Ⅱ)】

サービス提供時間要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
3時間以上4時間未満345単位395単位436単位495単位549単位
4時間以上5時間未満362単位414単位468単位521単位575単位
5時間以上6時間未満525単位620単位715単位812単位907単位
6時間以上7時間未満543単位641単位740単位839単位939単位
7時間以上8時間未満607単位716単位830単位946単位1,059単位
8時間以上9時間未満623単位737単位852単位970単位1,086単位
参照:介護給付費単位数等サービスコード表|厚生労働省

基本報酬の単位は施設規模・要介護度・サービス提供時間によって異なります。
各利用者によって提供したサービスの内容によって基本報酬は変動するため、利用者ごとに正確に記録する必要があります。

この際、記録が不正確だと介護報酬の請求に大きな支障が出ます。
介護報酬請求に特化した介護システムを活用するなど、誤差が出ないように注意してください。

また、介護報酬改定によって単位数が変動するケースも珍しくありません。
介護報酬改定は基本報酬に加え、加算や減算の単位数が調整されることが多々あります。

通所介護事業所の収益に大きく影響するため、厚生労働省の最新情報は常にチェックしましょう。
もし単位数の変動によって収益が減少する事態になった場合は、新たに収益を獲得するための対策を講じる必要があります。

単位数の種類と算定方法

通所介護の単位数は、基本単位以外にもさまざまな種類があります。
算定方法は複雑ですが、以下の要素を考慮しましょう。

利用者の要介護度要介護度が高いほど単位数が増加
サービス提供時間サービス提供時間が長いほど単位数が増加
サービス内容・提供するサービスの種類や内容によって、単位数が変化※例えば、入浴介助や機能訓練などのサービス提供には、それぞれに対応する加算が適用される
事業所の規模通常規模型・大規模型Ⅰ・大規模型Ⅱなど事業所の規模によっても単位数が変わる
参照:通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護|厚生労働省

具体的な算定方法は、厚生労働省が提示している資料に詳細に記載されています。
事業所では、このマニュアルを正確に理解し、適切な単位数を算定する必要があります。

不明な点があれば、介護保険担当部署や専門家に相談しましょう。

複雑な算定方法を理解するには、専門的な知識が必要となります。
もし、算定方法に不安がある場合は、専門機関への相談を検討しましょう。

正確な単位数の算定は、事業所の経営安定に直結するため、適切な知識と対応が求められます。
特に加算の単位数は種類によって算定できる単位数や、対象となる期間が異なるため、より複雑です。

詳細は後述しますが、自施設で取得する加算は要件はもちろん、単位数も正確に把握しましょう。

その他の報酬単位

本章では、その他の形態の通所介護事業所で取得する基本報酬の単位について解説します。
通所介護事業所は形態によって獲得できる単位が変わるので、自施設が該当するか、あらかじめ確認しましょう。

本章で解説する形態は以下の2種類です。

  • 地域密着型通所介護
  • 認知症対応型通所介護

それぞれ、順番に解説します。

地域密着型通所介護の単位数一覧

地域密着型通所介護を実施する場合、独自の報酬単位が算定されるので注意しましょう。
具体的には、利用者の状況やサービス内容に応じて、以下の単位数で算定されます。

サービス提供時間要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
3時間以上4時間未満416単位478単位540単位600単位663単位
4時間以上5時間未満436単位501単位566単位629単位695単位
5時間以上6時間未満657単位776単位896単位1,013単位1134単位
6時間以上7時間未満678単位801単位925単位1,049単位1,172単位
7時間以上8時間未満753単位890単位1,032単位1,172単位1,312単位
8時間以上9時間未満783単位925単位1,072単位1,220単位1,365単位
参照:介護給付費単位数等サービスコード表|厚生労働省

認知症対応型通所介護の単位数一覧

認知症対応型通所介護の場合、単独型・併設型・共用型によって単位数が異なります。
それぞれの単位数一覧は以下のとおりです。

【単独型】

サービス提供時間要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
3時間以上4時間未満543単位597単位653単位708単位762単位
4時間以上5時間未満569単位626単位684単位741単位799単位
5時間以上6時間未満858単位950単位1,040単位1,132単位1,225単位
6時間以上7時間未満880単位974単位1,066単位1,161単位1,256単位
7時間以上8時間未満994単位1,102単位1,210単位1,319単位1,427単位
8時間以上9時間未満1,026単位1,137単位1,248単位1,362単位1,472単位
参照:介護給付費単位数等サービスコード表|厚生労働省

【併設型】

サービス提供時間要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
3時間以上4時間未満491単位541単位589単位639単位688単位
4時間以上5時間未満515単位566単位618単位669単位720単位
5時間以上6時間未満771単位854単位936単位1,016単位1,099単位
6時間以上7時間未満790単位876単位960単位1,042単位1,127単位
7時間以上8時間未満894単位989単位1,086単位1,183単位1,278単位
8時間以上9時間未満922単位1,020単位1,120単位1,221単位1,321単位
参照:介護給付費単位数等サービスコード表|厚生労働省

【共用型】

サービス提供時間要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
3時間以上4時間未満267単位277単位286単位295単位305単位
4時間以上5時間未満279単位290単位299単位309単位319単位
5時間以上6時間未満445単位460単位477単位493単位510単位
6時間以上7時間未満457単位472単位489単位506単位522単位
7時間以上8時間未満523単位542単位560単位578単位598単位
8時間以上9時間未満540単位559単位578単位597単位618単位
参照:介護給付費単位数等サービスコード表|厚生労働省

通所介護における加算の単位数

通所介護においては、利用者の状況や事業所の体制に応じて、さまざまな加算が算定されます。
加算は事業所の収入増加につながるため、積極的に取得しましょう。

加算の種類は多く、それぞれ算定要件が異なるため、事業所の状況に合わせて適切な加算を選択することが重要です。
以下、主な加算について一覧で示します。

加算名称単位数
感染症または災害の発生を理由とする利用者数の減少が一定以上生じている場合の加算基本報酬の3%
入浴介助加算・入浴介助加算Ⅰ:40単位/日・入浴介助加算Ⅱ:55単位/日
延長加算50単位~200単位※5時間を上限に1時間につき50単位ずつ加算。
個別機能訓練加算・個別機能訓練加算Ⅰイ:56単位/日・個別機能訓練加算Ⅰロ:76単位/日・個別機能訓練加算Ⅱ:20単位/月
生活相談員配置等加算13単位/日
中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算サービス提供1回につき、基本単位数の5%
中重度者ケア体制加算45単位/日
生活機能向上連携加算・生活機能向上連携加算Ⅰ:100単位/月・生活機能向上連携加算Ⅱ:200単位/月
ADL維持等加算・ADL維持等加算Ⅰ:30単位/月・ADL維持等加算Ⅱ:60単位/月
認知症加算60単位/日
若年性認知症利用者受入加算60単位/日
栄養アセスメント加算50単位/月
栄養改善加算200単位※原則3カ月以内の期間に対し、最大月2回まで
口腔・栄養スクリーニング加算・口腔・栄養スクリーニング加算Ⅰ:20単位・口腔・栄養スクリーニング加算Ⅱ:5単位
口腔機能向上加算・口腔機能向上加算Ⅰ:150単位※3カ月以内の期間に限り、最大月2回まで
・口腔機能向上加算Ⅰ:160単位※3カ月以内の期間に限り、最大月2回まで
科学的介護推進体制加算科学的介護推進体制加算:40単位/月
サービス提供体制強化加算【サービス提供体制強化加算Ⅰ】・予防通リハ以外:22単位/日・予防通リハ:176単位/月
【サービス提供体制強化加算Ⅰ】・予防通リハ以外:22単位/日・予防通リハ:144単位/月
【サービス提供体制強化加算Ⅰ】・予防通リハ以外:22単位/日・予防通リハ:48単位/月
介護職員等処遇改善加算・介護職員等処遇改善加算Ⅰ:基本報酬の9.2%
・介護職員等処遇改善加算Ⅱ:基本報酬の9%
・介護職員等処遇改善加算Ⅲ:基本報酬の8%
・介護職員等処遇改善加算Ⅳ:基本報酬の6.4%
参照:介護給付費単位数等サービスコード表|厚生労働省

通所介護の減算単位数一覧

サービス提供内容や事業所の運営状況によっては、基本報酬から減算される場合があります。
減算されることで、事業所の収入が減るため、減算対象とならないよう、日々の業務に注意を払うことが重要です。

減算の単位数一覧は以下のとおりです。

加算名称単位数
利用者の数が利用定員を超える場合、もしくは看護・介護職員の員数が基準に満たない場合基本単位の30%
高齢者虐待防止措置未実施減算所定単位数×1%
業務継続計画未策定減算所定単位数×1%
共生型通所介護を行う場合・指定生活介護事業所:所定単位数の7%
・指定自立訓練事業所:所定単位数の5%
・指定児童発達支援事業所:所定単位数の10%
・指定放課後等デイサービス事業所:所定単位数の10%
事業所と同一建物に居住する者、または同一建物から利用する者に通所介護を行う場合94単位/日
事業所が送迎を行わない場合47単位/片道あたり
参照:介護給付費単位数等サービスコード表|厚生労働省

単位数を正確に算定して介護報酬を請求するならワイズマンシステムSPを活用しよう

単位数を正確に算定して介護報酬を請求するなら、弊社ワイズマンのワイズマンシステムSPをご活用ください。

通所介護に限らず、介護事業所にとって介護報酬の請求は簡単な業務ではありません。
基本報酬や加算の単位数の設定は複雑であり、減算も発生すると、算定作業はより複雑になります。

アナログな手作業だと、単位数を算定するだけでもスタッフの負担が増加するだけでなく、人件費など各種コストの増加につながります。
そのため、単位数の算定を含めた介護報酬の請求業務の効率化は、より良い事業所の運営において欠かせません。

ワイズマンのワイズマンシステムSPは、介護事業所の事務作業に必要な機能を網羅しており、請求業務の効率化に役立ちます。

単位数の算定もスムーズにできるため、請求業務にかかる時間やコストを大幅に削減できます。

加えて、ワイズマンシステムSPはワイズマンが提供するさまざまな介護ソフトとも連携が可能です。
適切に運用すれば、単位数の算定はもちろん、介護報酬の請求業務自体をより効率化できます。

伊谷 俊宜氏
伊谷 俊宜氏

高齢化に比例して、医療・介護といった社会保障費は増加の一途を辿っています。医療・介護サービスの需要も増えていくわけなので当然の流れと言えるでしょう。こうした中で、デイサービスの事業所数は2016年の43,440件がピークで、その後横ばい~微減という形で推移しています。利用者は増えているのに、デイサービスの数はなぜ減っているのでしょうか。その答えは単純にニーズと比較して『デイサービスが増えすぎた』ことにあります。低コストで開業でき、報酬で収益も見込める小規模事業所がどんどん開業していきました。この流れにメスをいれる形で、国が介護報酬の減算や要件の厳格化を推し進めた結果、小規模事業者が淘汰され、現在の状況になっているのです。デイサービスに限らず介護事業のトレンドは『大規模化』となっているのです。

単位数を正確に把握して通所介護の業務に役立てよう

通所介護の単位は種類が多いうえに、要件が複雑です。
単位数だけでなく加算や減算を踏まえてサービスの提供や事業所の経営に取り組まなければ、収益に多大な影響を及ぼします。

通所介護で介護報酬を請求する際は、単位の一覧を把握し、正確な算定を心がけましょう。
もちろん、日々のサービス提供においても、加算・減算の要件を把握し、収益を最大化することも重要です。

また、通所介護事業所で介護報酬を請求する際は、ぜひワイズマンシステムSPの導入をご検討ください。
ワイズマンシステムSPには介護報酬の請求を効率化する機能が搭載されており、通所介護事業所でも役立ちます。

積極的に活用し、スムーズな介護報酬請求を実現しましょう。

監修:伊谷 俊宜

介護経営コンサルタント

千葉県佐倉市出身。大学卒業後、教育サービス業界に入社したが、障がい者との交流を機 に「高齢や障がいを理由に、不当な差別を受けることのない社会を作りたい」と、介護事業者の門をたたいた。これまで、数々の特別養護老人ホーム、 グループホーム、デイサービスの立ち上げ、運営に参画。現在は、“現場第一主義!”を旗印とし、高齢者住宅、デイサービスを中心に「人気の施 設づくり」を積極的にサポートしている。

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