【2025年最新】介護報酬単位一覧|概況から計算方法まで解説

2025.02.25

介護事業所の運営において、介護報酬の計算は不可欠な業務です。
しかし、介護報酬の単位数は複雑であり、一覧表を見ても理解しづらいと感じる方もいるのではないでしょうか。

本記事では、2025年最新の介護報酬単位一覧をわかりやすく解説します。
訪問介護・通所介護・訪問看護など、サービスごとの単位数一覧表に加え、計算方法や改定のポイントなどを解説するので参考にしてください。

介護報酬単位一覧とは

最初に、介護報酬や単位について、基本的な知識について説明します。
単位一覧表の見方や、2025年度の介護報酬単位の状況についても解説するので、実務に役立ててください。

介護報酬とは

介護報酬とは、介護サービス事業者に対して、介護保険制度に基づき支払われる報酬です。
介護保険サービスの利用者が、質の高い介護サービスを受けられるよう、国が定めたルールに基づいて算定されます。

介護報酬は介護サービスの提供内容や質に応じて、報酬額が決定されます。
厚生労働省によって定期的な改定が行われるため、内容が常に変更され得る点には注意しましょう。

介護報酬の単位数とは

介護報酬は、サービスの種類や内容ごとに定められた単位数と、その単位数に掛け合わせた単位あたり金額によって計算されます。

単位数は、サービス提供時間や内容の複雑さなどを考慮して算出されるものです。
例えば、訪問介護では、訪問時間や実施した介護内容によって単位数が異なります。

単位数が多いほど、報酬額が高くなります。
介護事業所の収益を上げるうえでも、より多くの単位の獲得は必須です。

介護報酬単位一覧【2025年最新版】

本章では、2025年最新版の介護報酬単位一覧を、サービス別にわかりやすく解説します。
介護報酬単位について解説するサービスは以下のとおりです。

  • 訪問介護
  • 通所介護
  • 訪問看護
  • 短期入所生活介護
  • 居宅介護支援

自分の事業者の場合、どの介護報酬単位で請求すべきか確認する際の参考にしてください。
なお、本記事では各サービスの基本報酬の単位一覧を紹介しています。

訪問介護

訪問介護の単位数は、サービス内容(身体介護や生活援助など)・時間帯・利用者の状態などによって大きく変動します。
通所介護の単位一覧は以下のとおりです。

サービス内容単位数
身体介護・20分未満:163単位・20分以上30分未満:244単位・30分以上1時間未満:387単位・1時間以上:567単位(30分ごとに82単位追加)
生活援助・20分以上45分未満:179単位・45分以上:220単位
通院等乗降介助97単位/回
身体介護(20分以上)に引き続き生活援助を行った場合所要時間が20分から起算し、25分を増すごとに65単位追加※195単位が限度
参照:介護給付費単位数等サービスコード表|厚生労働省

通所介護

通所介護の単位数は、利用者の状態やサービス提供時間に加え、施設の規模も単位数に影響します。
通所介護の単位一覧は以下のとおりです。

【通常規模】

サービス提供時間要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
3時間以上4時間未満370単位423単位479単位533単位588単位
4時間以上5時間未満388単位444単位502単位560単位617単位
5時間以上6時間未満570単位673単位777単位880単位984単位
6時間以上7時間未満584単位689単位796単位901単位1,008単位
7時間以上8時間未満658単位777単位900単位1,023単位1,148単位
8時間以上9時間未満669単位791単位915単位1,041単位1,168単位
参照:介護給付費単位数等サービスコード表|厚生労働省

【大型規模(Ⅰ)】

サービス提供時間要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
3時間以上4時間未満358単位409単位462単位513単位568単位
4時間以上5時間未満376単位430単位486単位541単位597単位
5時間以上6時間未満544単位643単位743単位840単位974単位
6時間以上7時間未満564単位667単位770単位871単位1,097単位
7時間以上8時間未満629単位744単位861単位980単位1,097単位
8時間以上9時間未満647単位765単位885単位1,007単位1,127単位
参照:介護給付費単位数等サービスコード表|厚生労働省

【大型規模(Ⅱ)】

サービス提供時間要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
3時間以上4時間未満345単位395単位436単位495単位549単位
4時間以上5時間未満362単位414単位468単位521単位575単位
5時間以上6時間未満525単位620単位715単位812単位907単位
6時間以上7時間未満543単位641単位740単位839単位939単位
7時間以上8時間未満607単位716単位830単位946単位1,059単位
8時間以上9時間未満623単位737単位852単位970単位1,086単位
参照:介護給付費単位数等サービスコード表|厚生労働省

訪問看護

訪問看護の単位数は、提供する施設の種類や訪問時間によって異なります。
訪問看護の単位一覧は以下のとおりです。

施設の種類単位数
訪問看護ステーション・20分未満:314単位/回・30分未満:471単位/回・30分以上1時間未満:823単位/回・1時間以上1時間30分未満:1,128単位/回・理学療法士等による訪問:294単位/回
病院または診療所・20分未満:266単位/回・30分未満:399単位/回・30分以上1時間未満:574単位/回・1時間以上1時間30分未満:844単位/回
定期巡回・随時対応型訪問介護看護サービスと連携している場合2.961単位/月
参照:介護給付費単位数等サービスコード表|厚生労働省

短期入所生活介護

短期入所生活介護の単位数は、施設の種類・利用者の状況・サービス提供時間によって異なります。
短期入所生活介護の単位一覧は以下のとおりです。

【単独型】

利用者の状態単位数
要支援1474単位
要支援2589単位
要介護1638単位
要介護2707単位
要介護3778単位
要介護4847単位
要介護5916単位
参照:介護給付費単位数等サービスコード表|厚生労働省

【併設型】

利用者の状態単位数
要支援1446単位
要支援2555単位
要介護1596単位
要介護2665単位
要介護3737単位
要介護4806単位
要介護5874単位
参照:介護給付費単位数等サービスコード表|厚生労働省

居宅介護支援

居宅介護支援の単位数は、報酬区分やサービス提供時間によって単位数が異なります。
居宅介護支援の単位一覧は以下のとおりです。

報酬区分単位数
居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅰ)・要介護1~2:1,086単位・要介護3~5:1,411単位
居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅱ)・要介護1~2:544単位・要介護3~5:704単位
居宅介護支援費(Ⅰ)(ⅲ)・要介護1~2:326単位・要介護3~5:422単位
居宅介護支援費(Ⅱ)(ⅰ)・要介護1~2:1,086単位・要介護3~5:1,411単位
居宅介護支援費(Ⅱ)(ⅱ)・要介護1~2:527単位・要介護3~5:683単位
居宅介護支援費(Ⅱ)(ⅲ)・要介護1~2:316単位・要介護3~5:410単位
参照:介護給付費単位数等サービスコード表|厚生労働省

介護報酬単位数の計算方法

本章では介護報酬単位数の計算方法について解説します。
介護報酬の請求をするうえで知らなければならない計算方法であるため、必ず把握しましょう。

基本的な計算方法

介護報酬の計算は、単位数(点数)と単価を掛け合わせることで算出されます。
単位数は、提供されたサービスの種類・内容・要介護度などによって異なります。

なお、単価は、地域区分によって設定されており、全国一律ではありません。

基本的な計算式は以下のとおりです。

介護報酬 = 単位数 × 単価

例えば、あるサービスの単位数が500単位で、その地域の単価が10円の場合、介護報酬は500単位×10円=5,000円となります。

加算・減算とは

基本的な計算に加え、介護報酬には加算や減算が適用される場合がある点には注意しましょう。
加算は、サービス提供の内容に応じて単位数が増加し、減算は逆に減少します。

加算・減算は、サービスの種類や事業所の状況によって異なるので、介護報酬算定の手引きなどを参照して、正確に把握しましょう。

具体的な計算例

通所介護事業所において、利用者Aが1日に572単位のサービスを利用した場合、計算例は以下のとおりです。
なお、1単位あたりの単価が10円、公費負担割合が9割であるとします。

  1. 基本報酬: 572単位 × 10円/単位 = 5,720円
  2. 公費負担額: 5,720円 × 0.9 = 5,148円
  3. 利用者負担額: 5,720円 – 5,148円 = 572円

この例では、加算・減算は考慮していません。
実際には、上記に加算や減算を適用したうえで最終的な介護報酬額が算出されます。 

計算が複雑な場合は、介護保険請求ソフトなどを活用しましょう。

介護報酬単位を計算する際の注意点

介護報酬の単位は項目が多数あるうえに、計算が複雑です。
正確な介護報酬を算定するなら、以下の点に注意しましょう。

  • 改正内容の正確な理解
  • 収益の確認とコスト管理
  • 情報収集と関係機関との連携
  • 介護ソフト導入の検討

介護報酬をスムーズに請求するためにも、それぞれの注意点を必ずチェックしましょう。

改定内容の正確な理解

介護報酬を請求するうえで、改定内容を正確に理解することは不可欠です。
厚生労働省の公表資料や関連機関からの情報を丁寧に精査し、自事業所への影響を詳細に分析しましょう。

特に、新たに導入される加算・廃止される項目・要件の変更・算定方法の変更点などは、見逃さずに確認しましょう。
表面的な理解にとどまらず、具体的な運用方法まで理解を深める必要があります。

収益性とコスト管理

介護報酬単位は介護事業所の収益性やコスト管理に影響する要素です。
そのため、獲得する単位数は正確に把握しましょう。

また、介護報酬改定にも注意が必要です。

介護報酬改定によって単位数や算定要件が変動すれば、事業所の収益性に直接影響を与えます。
改定内容を踏まえ、コスト削減策を検討するとともに、収益性を維持・向上するための戦略を立てましょう。

場合によっては、業務効率化・経費削減・新たな介護サービスの導入などが必要です。
財務状況を綿密に分析し、将来を見据えたうえで、適切な経営判断を行いましょう。

情報収集と関係機関との連携

介護報酬の単位を正確に把握するなら、情報収集と関係機関との連携は欠かせません。

介護報酬の単位に関する情報は、厚生労働省・地方自治体・介護保険事業者団体などから発信されます。
これらの情報源を積極的に活用し、最新の情報を入手しましょう。

また、関係機関との連携を密にすることで、改定への対応をスムーズに進められます。
疑問点や不明な点があった際は、積極的に質問し、正確な情報を取得することが重要です。

介護ソフト導入の検討

介護報酬の算定は、複雑な計算式と多くの項目を扱うため、介護ソフトの導入が不可欠です。

手入力によるアナログな計算では、介護報酬の計算をミスするリスクが高まります。
対して、介護ソフトは介護報酬の算定や請求を自動化できるため、ミスを減らせます。

また、介護報酬が改定されてもアップデートすれば、すぐに改正された内容に対応できるため、請求書類の書式の変更などをする必要がありません。

業務の効率化や人件費の削減などにもつながるので、積極的に導入を検討しましょう。

単位一覧を正確に把握して介護報酬を請求するならワイズマンシステムSPがおすすめ

介護報酬の単位一覧を正確に把握して請求するなら、弊社ワイズマンのワイズマンシステムSPの導入をぜひ検討してください。

ワイズマンシステムSPは介護報酬の請求作業を効率化し、より正確な算定を可能とします。
加えて、日々の業務の記録や情報共有などに役立つ機能を搭載しているソフトも多いので、介護事業所の業務の最適化にも役立ちます。

訪問介護・通所介護・居宅介護支援など、介護サービスのジャンルに合わせたソフトを展開している点も、ワイズマンの介護ソフトの魅力です。

自分の事業所に合ったソフトが必ず見つかるので、ぜひ弊社の資料をダウンロードしてください。

伊谷 俊宜氏
伊谷 俊宜氏

2024年介護報酬改定は1.59%のプラス改定となったのは記憶に新しいところです。プラス改定となり報酬単価が上がる為、本来は介護事業者の収益もアップするはずなのですが、2024年の介護事業者倒産件数は過去最悪の172件となりました。中でも「訪問介護」の倒産件数は過去最多の81件となっています。訪問介護に関しては、プラス改定のはずの2024年介護報酬改定のはずなのに、なぜか基本報酬が下げられてしまい「減算」となっている事業のため、倒産件数が増加するのも必然かもしれません。そもそも、1.59%程度のプラス改定では追いつかないレベルで、人件費高騰・物価高が深刻になっています。また、厚労省は基本報酬ではなく加算報酬を上げる手法をとっているため、加算が算定できない事業者は実質減算となってしまうのです。

介護報酬単位一覧を理解して事業所の運営に役立てよう

介護報酬の単位一覧を正確に把握し、適切に計算することは、介護事業所の経営を安定させるうえで重要です。

しかし、単位一覧表は複雑で、理解するには時間と労力を要します。
加算や減算といった複雑な要素も存在するため、誤った計算をしてしまうと、事業所の収益に悪影響を及ぼす可能性もあります。

そのため、介護報酬単位一覧を正しく理解し、活用することが不可欠です。

単位一覧を正確に把握したうえで介護報酬を請求するなら、ぜひワイズマンの介護ソフトの導入をご検討ください。
介護報酬の請求におけるミスを減らすだけでなく、業務の効率化も期待できます。

監修:伊谷 俊宜

介護経営コンサルタント

千葉県佐倉市出身。大学卒業後、教育サービス業界に入社したが、障がい者との交流を機 に「高齢や障がいを理由に、不当な差別を受けることのない社会を作りたい」と、介護事業者の門をたたいた。これまで、数々の特別養護老人ホーム、 グループホーム、デイサービスの立ち上げ、運営に参画。現在は、“現場第一主義!”を旗印とし、高齢者住宅、デイサービスを中心に「人気の施 設づくり」を積極的にサポートしている。

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