透析通信システムとのシームレスな連携を目指して、ワイズマンの電子カルテシステムを導入しました。

医療法人社団 睦心会 あさなぎ病院 様
理事長 黒田 昌宏 先生

BEFORE

導入前

  • 透析医療による、大量に発生する文書管理が課題だった
  • カルテ管理の効率化、透析治療情報とカルテの一元化、スタッフ間での診療情報の共有化推進が必要だった
AFTER

導入後

  • 電子カルテを起点にあらゆる情報を一元的に参照でき、情報の一元化・共有できる環境が整備された
  • ベッドサイドでのデータ参照や所見入力が迅速になり、回診業務が効率化された
  • フットケア管理が確実かつ継続的に実施できるようになった

導入の背景

透析センター
透析センター

長年の課題だった膨れあがる紙カルテと透析記録の管理の効率化

1964年の診療所開業を端緒とするあさなぎ病院は、1フロアーに63床の透析ベッドを備え、月曜から土曜まで2クール、月・水・金は23時までの夜間透析にも対応し、約190人の透析患者を抱えています。設備や技術の改善とスタッフの充実に努めるとともに、早くから透析装置とコンピュータシステムを連携した日機装の透析通信システム、Future NetⅡ を導入し、より安全な透析療法に取り組んできました。

透析医療は、その反復性・継続性という特殊性があり、毎回の透析記録やカルテ、看護記録、検査結果など大量に発生する文書管理に悩まされます。 透析通信システムの導入で、患者様のデータは電子化されましたが、毎回の透析記録を紙に出力し、紙カルテと保存しなければならず、その保管・管理が長年の課題でした。

 黒田 昌宏 先生
黒田 昌宏 先生

長年の課題だった膨れあがる紙カルテと透析記録の管理の効率化

「医事会計システムの導入、医用画像の電子化に伴うPACS導入、透析通信システムの導入と院内のシステム化を進めてきましたが、年配の医師らからの反発があり、電子カルテ導入を躊躇してきた事情もありました。しかし、カルテ管理の効率化、透析治療情報とカルテの一元化、スタッフ間の診療情報共有化は推進しなければならず、反対があっても電子カルテは導入しようと踏み切りました。」(黒田先生)

選定の決め手

透析センター臨床工学技士長 佐野 豪泰 さん
透析センター臨床工学技士長 佐野 豪泰 さん

透析通信システムとのシームレスな連携とその実現に向けた意欲的な姿勢を評価

「電子カルテシステム導入の要件は、キーボード入力に抵抗感を持つ医師でも容易に使いこなせることが可能な操作性に加え、最も重要視したのが透析通信システムと密な連携が可能である点でした。電子カルテシステムと連携して有用な運用をしている施設はあまりなく、日本透析医学会の学術集会等でも難しいという話をよく耳にしていました。しかし、当院ではすでに患者様の透析治療に関するデータは電子化・管理されており、できる限りそれらのデータを活かせる電子カルテシステムを構築することが最大の要件でした。」(黒田先生)

ワイズマンの電子カルテを知るきっかけは、日機装の担当者とともに訪れた国際モダンホスピタルショウでした。ペンタブレットを用いた手書き入力や音声認識ソフトとの連携も可能で、 抵抗感なく運用できる期待が持てました。 また、透析装置、透析通信システムでは日機装は日本国内におけるリーディングカンパニーであり、三者がお互いに協力して業界に誇れる連携ソリューションを構築しようという、高い目標に向かって取り組む意欲的な姿勢を感じました。」(佐野 豪泰 さん)

こうした経緯で導入されたシステムは、電子カルテシステムER、病棟看護支援システムER、レセプトコンピューターシステムΣ、臨床検査システムER。また、電子カルテシステムとより連携しやすいように、透析通信システムをFuture Net Web+(日機装社)に切り替えました。

導入の効果

回診の際のカルテ記載が効率化
回診の際のカルテ記載が効率化

情報の一元化と共有により回診業務の効率化やフットケア管理が進展

透析通信システムと電子カルテシステム、看護支援システム、PACS等のシームレスな連携を実現したことにより、電子カルテを起点にあらゆる情報を一元的に参照でき、透析外来や病棟のスタッフは常に情報を共有できる環境が整備されました。また、透析中の回診も非常に効率化されました。従来、回診前に紙カルテをベッドサイドに準備しておき、透析通信システムでデータを参照し、患者様の話を聞きながら紙カルテに所見を記載していましたが、ワゴンに乗せたノートPCによりデータ参照と所見入力がその場で迅速にできるようになりました。

システム連携イメージ図
システム連携イメージ図

あさなぎ病院様 システム連携イメージ図

新たな試みとして、フットケア管理機能を電子カルテに実装しました。足病変がみられる患者様には定期的にフットケアを実施、アセスメント結果の入力、変化が見られる病変部をシェーマに描き込むなどして管理。

「これまで症状の軽い患者様に対しては、紙カルテの記載が人により異なっていましたが、システム化したことできちんと記録するようになり、確実かつ継続的に実施できるようになりました。」(看護部長 山口さん)

今後の期待

透析装置、透析通信システム、電子カルテシステムの連携を実現した透析センター
透析装置、透析通信システム、電子カルテシステムの連携を実現した透析センター

透析患者の状態を長期にわたって見ていくためには、医師、看護師、臨床工学技士をはじめとするスタッフのそれぞれの視点で多くの情報を管理・共有し、活用していく環境・体制が必要です。

「今後は、患者様のベッドサイドでアセスメント・結果入力ができるように、タブレットPCをもっと増やしたり、整備されたシステム環境をいかして、より安全で患者様のQOLやADLの維持を踏まえた透析療法の実現に向けて取り組んでいきたいです。」 (黒田先生)

※掲載内容は取材当時のものです

医療法人社団 睦心会 あさなぎ病院 様

1964年の診療所開業を端緒とする医療法人社団 睦心会あさなぎ病院様は、内科、消化器科、循環器科、糖尿病内科、リウマチ科を標榜し、生活習慣病や慢性疾患の管理に重点を置いた診療を行っています。

施設 中小規模病院
所在地 富山県高岡市五福町1番8号
URL http://www.asanagi-hp.or.jp/
施設種別 内科/消化器科/循環器科/糖尿病内科/リウマチ科/人工透析

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