2018.09.14
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特養ホームで子ども食堂 清風園 モットーは「誰でもウェルカム」

 社会福祉法の改正により、地域貢献事業の実施が責務となった社会福祉法人。東京都町田市の賛育会が運営する特養ホーム清風園(東京都町田市)は、「高齢者と子どもが交流する居場所作り」を目指し、2016年度から「にこにこ清風食堂」と名付けた子ども食堂を開いている。地域貢献事業のモデル的な取り組みとして、東京都社会福祉協議会高齢者福祉施設協議会が推進する現場の1つだ。きっかけは、2015年に地域の民生委員から「地域で困っているのは高齢者ばかりではない、子どもたちにも目を向けてほしい」と言われたことから。「実施する前は、他の子ども食堂を見学したりして勉強しました。”貧困”を全面に出すと子どもたちが来づらくなるという学校の先生のアドバイスを受けて、誰でもウェルカムにしました」(施設長・吉田美香さん)。予約不要、月2回の定期開催、対象は中学生以下、食事代は百円、グループホーム利用者と一緒に食事、地域ボランティア中心に運営という基本方針を決めた。補助金もなく、当初は寄付集めに苦労し、協賛企業を募ったり、HPを立ち上げて、PRに努めた。 食事づくりなどは全てボランティア。現在の登録ボランティア約30名は近隣住民が多く、仕事をリタイアした人やHPを見て参加してくれる人もいる。一緒に遊んだり、勉強を見てくれるお兄さん、お姉さん役として玉川大学で教員を目指す学生にもボランティアとして加わってもらい、特養の職員はローテーションを組んで、運営に携わる。 (シルバー新報2018年9月14日号)