将来に向けた医療・介護制度改革の視点、調剤報酬と薬価の適正化を示唆 財務省
財務省は4月23日、財政制度分科会を開催して、社会保障の政策に関わる高齢化の進展が財政に与える影響、将来の社会保障給付の見通しなどを踏まえた、医療・介護制度改革の視点を公表した。
「公定価格の適正化」として明示された「調剤報酬」に関しては、PTP包装の一般化や全自動錠剤分包機の普及など、業務の実態や技術の進歩を踏まえて、調剤料の水準と投与日数や剤数に応じた仕組みを見直すべきだとした。また、対人業務へのシフトさせていく中で、調剤基本料、調剤料及び薬学管理料といった調剤報酬全体の体系でかかりつけ機能を評価する一方で、こうした機能を果たしていない薬局の報酬水準は適正化が必要だとした。
「薬価制度」の抜本改革に係る次期薬価改定に向けた課題に関しては、医薬品の画期性や有用性を見極めてイノベーションを適切に評価しつつ、研究開発環境の改善、創薬コスト低減や産業構造転換といった対応も併せて重要だとした。毎年予定される薬価調査・薬価改定に関しては、2021年度薬価改定の対象範囲について2020年中に総合的に勘案し、今後の改定方針を決定していくとした。