次期診療報酬改定に向けた基本認識・視点・方向性、重点課題は働き方改革 厚労省
厚労省は10月31日、社会保障審議会医療保険部会を開催し、12月に策定する次期診療報酬改定の基本方針に係る改定の基本認識、視点、方向性等について審議した。
改定のメインテーマとなる基本認識は、「健康寿命の延伸、人生100年時代に向けた『全世代型社会保障』の実現」「患者・国民に身近な医療の実現」「どこに住んでいても適切な医療を安心して受けられる社会の実現、医師等の働き方改革の推進」「社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和」-の4つが示された。前回の基本認識と同様に、人生100年時代を見据えている点は同じだが、将来の医療提供体制の展望を見据えつつ、医師等の働き方改革を推進して『全世代型社会保障』の実現を目指していく点が強調されている。
基本的視点としては、「視点1 医療従事者の負担を軽減し、医師等の働き方改革を推進」を重点課題に位置づけ、その他に「視点2 患者・国民にとって身近であるとともに、安心・安全で質の高い医療を実現」「視点3 医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進」「視点4 効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上」とする案を示唆した。地域包括ケアシステムは前回の視点1から視点3となり、重点課題に設定した働き方改革を全面的に推進していく方向性になる点が注目ポイントである。
視点1における具体的方向性の例として、「医師等の負担軽減等につながる取組の評価」や「業務の効率化に資するICTの利活用の推進」などが列挙され、時間外労働の上限規制の適用が開始される2024年4月を見据えて、今後、医療の安全や地域医療の確保、患者や保険者の視点にも留意しながら、総合的な医療提供体制改革の状況等も踏まえた診療報酬による適切な評価を行う必要があるとした。
■関連サイト: https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07615.html
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