時限的・特例的な電話や情報通信機器による診療と服薬指導の取扱いを採決 厚労省
厚労省は4月10日、中医協総会を開催し、新型コロナウイルス感染症に伴う医療保険制度の対応として、時限的・特例的な電話や情報通信機器による診療と服薬指導の取扱いを採決し、4月13日により電話等による初診が実施可能となった。
今回の特例的な取扱いでは初診対面原則を緩和した。緩和した大きな理由は、医療崩壊を招かないために講じている救急の受け入れ態勢の再構築を進めつつ、院内感染を懸念して来院したくとも受診できない一般外来患者の受診抑制の問題点を解消する必要があったからである。
医療機関や薬局では、再来時の初診のみならず、新患に対しても電話等による診断と処方、薬局における服薬指導ができる前例のない取扱いとなった点に注目し、今回の特例的なスキームを理解して患者対応する必要がある。今回の特例的対応は原則3ヶ月ごとに検証を行い、感染が収束するまでの時限的措置とした。
医療機関では、患者から電話等による診療の求めを受けた場合、電話等による診断や処方が医学的に可能と判断した範囲において診療が可能である。電話等による診療実施の前提は、電話等の診療に適さない症状や疾病等には対応できない旨の患者への説明(診療が不要な場合は自宅療養、対面診療が必要な場合は受診勧奨)のほか、急病急変時の対応方針や対応が困難な場合の他医療機関への紹介などができることが求められ、通常の診療と同等の責務が課せられている。診療可否の判断は、「患者の診療録等の基礎疾患の把握」の有無を起点に、「新患or再来、初診or再診を判断」し、なりすましを防ぐため「健康保険証の確認」をはじめ、「患者負担金の支払い方法」や「医薬品の受け渡し方法(処方日数や処方薬は一部制限)」などを確認したうえで、診療を行う必要がある。
他方、薬局では処方箋の備考欄に「0410対応」または「CoV自宅・CoV宿泊」と明示された処方箋を医療機関からFAXで受信し、患者・服薬情報に基づき薬剤師が適切と判断した場合には、薬剤の適正使用を確保するとともに、不正入手防止策を講じた上で、当該患者が電話等による診療を受診した場合のみならず、対面診療を受診した場合においても電話等による服薬指導が可能となる。医薬品の配送に関しては、令和2年度 厚生労働省補正予算において、患者が負担する配送料の全額または一部が助成される方針が固められたため、その窓口となる地域薬剤師会における最新情報の確認が必要である。
■関連サイト: https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000212500_00069.html
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