介護サービスに係る新型コロナウイルス感染症の影響と取組み 人とまちづくり研究所
一般社団法人 人とまちづくり研究所はこのほど、「新型コロナウイルス感染症が介護保険サービス事業所・職員・利用者等に及ぼす影響と現場での取組みに関する緊急調査【法人調査】」の結果を公表した。この調査は、新型コロナが介護保険サービスを提供する法人・事業所に及ぼす影響、BCP(業務継続計画)の策定状況、法人の資金繰り、必要な支援や環境整備を把握することを目的としている。
調査の回収数(分析対象数)は2,091事業者、この経営主体は「社会福祉法人」が過半数(51.7%)を占め、次いで「営利法人(23.8%)」、「医療法人(10.3%)」と続いている。実施した介護サービスは「居宅介護支援(65.6%)」「通所介護(59.5%)」「短期入所生活介護(50.1%)」「訪問介護(47.0%)」「介護老人福祉施設(46.6%)」が上位となった。事業所の所在地は、「4月7日に緊急事態宣言の対象となった7都府県」に事業所が31.8%、「4月16日に特定警戒都道府県に指定されたそれ以外の6道府県」は17.6%、「13都道府県以外」が55.6%となった。
陽性ないし濃厚接触者となった利用者・入所者等が「いた」割合は3.9%、法人規模別にみると従業員数「500人以上」ではその割合が1割を超えた。陽性ないし濃厚接触者となった職員が「いた」割合は 6.2%、法人規模別にみると従業員数「500人以上」ではその割合が17.9%にのぼった。
新型コロナの影響により事業縮小、休業、廃止、新規受入を中止した事業所の有無において約6割で影響がなかったが、「新規利用の受入中止」は約3割、「事業縮小」が約2割、「休業」が7.9%、「廃止」は0.4%だった。新型コロナに関連する支援や環境整備で特に重要なこととして、「感染防御資材の優先調達(78.2%)」を筆頭に、「感染者等発生時の陽性者の速やかな入院(44.1%)」、「感染者等発生時の介護職等の応援要員の確保(41.7%)」「発熱・咳等の症状がある利用者・入所者等及び職員への積極的な検査の実施(40.2%)」が上位に挙げられた。
■関連サイト: https://hitomachi-lab.com/archives/277/