7月の骨太方針の取りまとめに向けて社会保障制度改革の方向性を確認 厚労省
政府は6月22日、経済財政諮問会議を開催し、7月の骨太方針の取りまとめに向けて社会保障制度の見直しについて議論した。強靭かつ柔軟、安心できる社会保障の構築と包摂的な社会の実現に向けて、以下の制度改革の方向性を確認した。
① 「現状や課題を即時把握し、迅速・柔軟に対応する仕組みの構築」
民間や自治体等の保有するデータ等も活用し、医療提供体制や提供されたサービス、国民の健康状況等を活用する。治療薬の特例承認の活用を含め承認手続きを迅速化する。
② 「平時と危機に柔軟に対応できる医療提供体制の在り方」
都道府県が二次医療圏間の病床や検査能力等の迅速な状況把握と必要な調整を円滑に行えるようにする。
③ 「医療・介護におけるデジタル化の加速」
オンライン診療や電子処方箋の発行に要するシステムの導入を支援する。新たな日常では個人の健診・検診情報や蓄積された診療履歴等が健康予防や診療等に有効活用されるPHRを前提とする。
④ 「予防・健康づくりの推進」
簡易な血液検査等の実用化を前倒しするとともに、オンラインでの健康相談の活用を推進する。データヘルス計画の標準化2に向け、保険者努力支援制度の評価対象に追加する。
⑤ 「介護の生産性向上に向けた取組の加速」
介護文書の簡素化・標準化・ICT 化について、取組を早期に前倒しし、負担を抜本的に軽減する。ケアプランへの AI 活用や介護ロボット等の導入に資する人員配置の見直しを推進する。
⑥ 「包摂的な社会の構築に向けた取組の強化」
地域住民に身近な組織と連携し、高齢者等へのITスキルの取得・就業・生活サポートに対応する仕組みを構築する。
⑦ 「今次の経験の検証を踏まえた今後の取組」
地域医療構想を地域住民の安心・安全に直結し、また持続可能なものに進化させていく。緊急包括支援交付金等を活用し、新型感染症に対応する医療機関を支援しつつ医療受診の在り方を検討する。
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