2020.07.09
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規制改革推進に関する答申、データの戦略的な利活用が不可欠、迅速な整備を 政府

政府は7月2日、規制改革推進会議を開催し、規制改革推進に関する答申を行った。我が国の生産性向上や持続的な経済成長のためには、成長戦略分野の規制改革の推進として、ロボットやAI、ビッグデータといったデジタル技術やデータの戦略的な利活用が不可欠である一方、こうした第4次産業革命による技術の急激な発展に規制の枠組みが追い付いていないという指摘があり、迅速な制度整備が必要であるとした。医療・介護分野では、「①持続可能な社会保障制度の基盤整備」及び「②健康づくり・高水準の医療サービスの創出」を大きな柱に掲げつつ、「医療等分野におけるデータ利活用の促進」や「オンライン医療の普及促進」、「社会保険診療報酬支払基金に関する見直し」等についても重点的にフォローアップを行ってきた中で、今回、以下のような具体的な施策の方向性を確認した。

  • ◆チーム医療の推進と働き方改革の観点で設定された特定行為に係る看護師の研修制度に係る「2024年度までにパッケージ研修修了者数1万人」の目標の達成に向けて具体的な推進策を示す。
  • ◆介護現場では平成17 年通知による医行為ではない行為が整理されて示されてから15 年が経過し、当該通知に記載されていない行為についても医行為への該当性を改めて整理して介護職員が安心かつ円滑に実施できるようにする。
  • ◆介護分野におけるICT・ロボット・AI等の活用によって人が行う業務の効率化を積極的に認めて介護報酬等への評価につなげる。
  • ◆レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)及び介護保険総合データベース(介護DB)と通所・訪問リハビリテーションの質の評価データ収集等事業のデータ(VISIT情報)、CHASE情報等のデータベースの連結を行い、更に充実した経年分析や事業者間の比較等により、患者・介護利用者が継続性のある適切な医療・介護を受けることを可能とする。
  • ◆介護事業者の連携に当たって社会福祉連携推進法人制度が積極的かつ有効に活用されるよう、議決権に係る定款上の別段の定めに関する考え方を整理するなど、同制度を円滑に施行する。
  • スイッチOTC化の取組をはじめとするセルフメディケーションの促進策を検討するため、同省における部局横断的な体制構築を検討する。一般用医薬品および一般用検査薬への転用を促進する。
  • ◆ 医療等分野におけるデータ利活用の促進として、健康・医療・介護に係るビッグデータの民間開放PHRの推進に向けた取組を中心にフォローアップを行う。NDB・介護DBの連結などとともに被保険者番号等を用いて当該連結における名寄せ・連結精度の向上が可能となる仕組みを構築する。
  • 社会保険診療報酬支払基金に関する見直し、審査支払新システムの稼働(令和3年9月予定)、各都道府県に設置された現行支部の業務・組織の集約化(令和4年度以降)などを予定。
  • ◆ 新型コロナウイルス感染症が拡大する中で導入された時限的な特例対応の仕組みの検証の結果も踏まえつつ、オンライン診療・服薬指導の拡充に向けて引き続きフォローアップを行っていく。

■関連サイト: https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/meeting/committee/20200702/agenda.html

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