2020.07.17
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病院経営動向調査・社会福祉法人経営動向調査の結果、想定を超える影響が  WAM

福祉医療機構は7月9日、病院経営動向調査と社会福祉法人経営動向調査(2020年6月調査)の結果を公表した。今回の調査では、全国に緊急事態宣言が発令された4月以降の経営状況において想定をはるかに超える影響が明らかになった。

病院経営動向調査によれば、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、感染症患者(疑い患者含む)への対応や病棟の受入制限、一般患者の受診控えなどの要因が重なり、一般病院の収益は大きく落ち込み、本調査の開始以降初めてとなる極端な落ち込みを記録した。一般病院の3 カ月後の先行き予測をみると、若干の回復を見込んで医業収益はやや持ち直すと予測されるが厳しい水準である。このような収支状況が続けば、現に厳しい資金繰り状況は一層厳しくなることが予想され、今後も予断を許さない状況にあるとした。新型コロナウイルス感染症の影響を受けたのは一般病院のみならず、療養型病院や精神科病院においても影響がみられるとした。収益がすぐに改善するという見通しはたてにくく、資金繰りはシビアに見積もり、融資を含めた各種対応の早めの手当てが望ましいとした。

病院運営の面では、今般の新型コロナウイルス感染拡大に際し、医療資材の不足が課題として浮き彫りになった。病院でできる工夫として、医療資材の使用や廃棄頻度の見直し、購入品目や調達ルートの見直しなどの取組みがあげられていた。また、非常対応として、ビニール袋や雨合羽で防護服替わりにしたり、フェイスシールドを手製するなど、医療資材を別のもので代替したところも多くみられた。

社会福祉法人経営動向調査では、特養の経営状況として、サービス活動収益だけでなく、サービス活動増減差額およびサービス活動収支も軒並み低下し、調査開始以来もっとも低い水準にまでの低下となり、近年の厳しい経営状況に追い打ちをかける形となった。サービス活動収益の内訳別にみると、短期入所や併設の通所介護における影響が大きく、半数以上の施設において前年同月比で減収となった。医療機関で外来患者が受診控えにより減少したのと同様に、短期入所や通所介護の利用控えも多くあげられ、稼働率の低下も収益減に拍車をかけた。

■関連サイト: https://www.wam.go.jp/hp/keiei-report-r2/

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