医療DXの推進が色濃い骨太方針2022や規制改革実施計画などを閣議決定 政府
政府は6月7日、臨時閣議を開催し、「①経済財政運営と改革の基本方針2022(骨太方針2022)」、「②新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」、「③デジタル田園都市国家構想基本方針」、「④規制改革実施計画」を閣議決定した。 今回の政府の方針や計画には自民党の政策提言が広く反映され、社会全体のDXが推進される中、医療分野においても例外なく「医療DX」の推進が盛り込まれた。
①骨太方針2022における社会保障関連では、自民党政務調査会が提言していた「医療DX令和ビジョン2030」として、「全国医療情報プラットフォーム」の創設、電子カルテ情報の標準化、「診療報酬改定DX」の三本柱が盛り込まれた。首相を本部長とした「医療DX推進本部(仮称)」を設置して、行政と関係業界が一丸となって医療DXを進めていく。「全国医療情報プラットフォーム」はオンライン資格確認等システムのネットワークを拡充し、レセプト・特定健診等情報に加え、予防接種、電子処方箋情報、自治体検診情報、電子カルテ等、介護を含む医療全般にわたる情報について共有・交換できる全国的なプラットフォームとする。2023年4月以降、オンライン資格確認等システムへの対応を医療機関と薬局に原則として義務付ける方針も明示した。また、「診療報酬改定DX」は、デジタル時代に対応した診療報酬やその改定に関する作業を大幅に効率化し、システムエンジニアの有効活用や費用の低廉化を目指す。これにより、医療保険制度全体の運営コスト削減につなげることが求められている。
②新しい資本主義では、デジタルヘルスやマイナンバーカードの普及、医療DXの推進が明示され、③デジタル田園都市国家構想においても、DXを推進して地方創生に係る地方の社会課題をデジタル技術で解決しながら、都市との格差是正を図っていく方針を示した。
④新たな規制改革実施計画では、「医療・介護・感染症対策」を重点分野の1つに位置付け、オンライン診療・服薬指導の更なる推進に向けた医療DXの基盤整備等をはじめ、薬局における調剤業務の一部外部委託を検討する。外部委託に関しては決定事項ではなく、薬剤師の地域における対人業務の強化の一環として、2022年度に検討・結論を出す。実施に向けて、委託可能な調製業務の対象や委託先の範囲、委託元―委託先の役割分担及び責任関係の在り方(委託元薬局の薬剤師が故なく法的責任を負うことがないための配慮等を含む)を検討して結論を出していく。この他、デジタルデバイスに明るくない高齢者等の医療の確保の観点から、デイサービスや公民館など、オンライン診療を受診することが可能な場所や条件について、課題を整理・検討し、結論を得るとした。
■関連サイト: https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2022/0607/agenda.html
(規制改革実施計画)https://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kisei/publication/p_index.html
(デジタル田園都市国家構想) https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/digital_denen/index.html