2022.07.08
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【斉藤正行のはなまる介護~現場に寄り添うこれからの介護業界展望~】第1回 介護に誇りと憧れを。介護は専門性の高いプロフェッショナルな仕事

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皆さん初めまして斉藤正行です。今後、定期的にコラムを寄稿させて頂くことになりました。

私は、約20年前にグループホームの1室に住み込みで働き始めたことからが介護のスタートであり、以来、約20年間、介護の現場と経営に身を置いてきました。現在は、全国介護事業者連盟という事業者団体の代表を務め、介護現場で働く皆さんの声に耳を傾けて、現場の声を、国や厚生労働省、世の中に伝えていく役割を担っています。

そのような立場と経験を踏まえて、変わりゆく介護業界・制度の動向、そして科学的介護・介護DX・生産性向上の推進など変わらなければならない介護現場の展望と、介護の未来を、決して悲観することなく皆さんにお伝えしていくことを通じて、日々、忙しく介護現場で働いている皆さんの仕事の一助になれる情報をお届け出来たらと思います。

まずは、この2年以上続くコロナ禍の中での、介護現場の皆さんの頑張りに改めて敬意を表したいと思います。他の産業の方よりプライベートを含む自粛生活を続けながら、感染リスクと向き合い、高齢者の命を守るために懸命に介護し続けていることを、もっと多くの人たちに知ってもらいたいと思います。コロナ禍では、医療従事者への敬意は多くクローズアップされていますが、最前線の介護現場での支えがあってこそ、欧米先進国で生じたような医療崩壊を水際で食い止めることが出来たのだと思います。まだまだ、終息に向けた感染拡大防止への取組みは継続していかなければなりませんが、皆さんとともに協力しながらこの困難を乗り越えていきたいと思います。

私はこれまで「介護に誇りと憧れ」をキャッチフレーズに活動をしてきました。介護の仕事を「やりがいがあって、素晴らしい仕事」だと、誇りに思っています。しかし、介護で働く私達に対する世間の目は、異なります。私自身が何度も経験したことですが、知人に「介護の仕事をしている」ことを伝えると、十中八九返ってくる言葉は「大変ですね。」「えらいですね。」「私には出来ない仕事です。」悪意があるわけではないでしょうが、同情の目を向けられることが多かったです。世間では、介護は一段地位の低い仕事、「きつい」「汚い」「給与が安い」いわゆる3Kの仕事であると見られています。そして、残念なことに、介護で働く私達も、このような世間の目に慣れてしまい、誇りを持って仕事が出来ないでいる人達も少なからず存在しています。もちろん、決して介護の仕事は楽ではありません。辛いことも多く、他産業と比べれば処遇が低いことも確かです。しかしながら、同時に、楽しく、やりがいがあることも、また間違いないのです。そして、何より介護は誰もが簡単に出来る仕事ではなく、奥の深い専門性の高いプロフェッショナルな仕事であります。これからの超高齢社会を迎えるにあたり、介護の仕事に多くの人が憧れを持てるような地位向上を目指していきたいと思います。

斉藤 正行氏

  • 一般社団法人全国介護事業者連盟 理事長
  • 株式会社日本介護ベンチャーコンサルティンググループ 代表取締役
  • 一般社団法人日本デイサービス協会 名誉顧問
  • 一般社団法人日本在宅介護協会東京支部 監査
  • 一般社団法人全日本業界活性化団体連合会 専務理事
  • その他、介護関連企業・団体の要職を歴任

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