2022.10.21
トピックス

【斉藤正行のはなまる介護~介護現場での円滑なコミュニケーションの秘訣~】③「介護現場でのリーダーシップは、自分流と相手の価値観の尊重が大切」

今回は介護現場でのリーダーシップの在り方をテーマとした寄稿にしたいと思います。専門職種である介護現場の皆様の多くはリーダーシップやマネジメント業務等に苦手意識を感じている方も多いと思います。慣れない中で、介護主任やリーダー職を務める皆さんに少しでも参考になれば幸いです。

私はリーダーシップの発揮の仕方において大切なことは、無理をせず自分のスタイルにあった『自分流のリーダーシップ』を見出すことにあると考えています。皆さんは理想のリーダーを思い浮かべるとどのような印象を描かれるでしょうか?例えば、情熱に溢れ、強いビジョンと指導力を持ったリーダー像を思い描く方も多いのではないでしょうか?また、人間味あふれて、誰からも慕われるような親分肌なリーダー像を思い描く方もいるのではないでしょうか?これらのリーダー像を思い描いた時に、自分には不向きだなと思ってしまう介護職員も多いかもしれません。

しかしながら、私はリーダーシップの在り方は十人十色だと思っています。かく言う私も上記のような素養を兼ね備えているとは自己分析をするとお世辞にも思えません。それでも、どうにかそれなりに長く介護の分野でリーダーの役割を担ってくることが出来ました。世の中の名将と言われるリーダーを分析した場合にも、確かに共通する要素も一定あると思いますが、情熱的な「動」のリーダーもいれば、冷静沈着な「静」のリーダーもいます。そのどちらのタイプでも上手くいっている方もいれば、失敗している方もいます。従って、どちらが正解のリーダーだということではなく、どちらのタイプにも正解があり、不正解があるということだと思います。

つまり、介護現場でリーダーを務めている皆さんも、もしかしたら自分にはリーダーは不向きだと思って悩んでいる方や、ステレオタイプなリーダー像を演じることで無理をしている方も多いのではないでしょうか。『自分流のリーダーシップ』の在り方を見出していくことで良いと思います。世の中のいろんなタイプのリーダーを探すことや、他者から話を聞く中で、自分に向いたやり方を取り入れることとし、自分とは違うやり方だと感じたなら参考になる部分を探してみる程度にとどめるなどを意識してみてはいかがでしょうか。

そしてもう1つ大切な考え方は、部下である職員をまとめることや、他の職員とコミュニケーションを円滑に進める上において、『相手の価値観を尊重する』ことが不可欠です。介護現場で働く職員の中には、ご利用者に対しては傾聴の姿勢を示し、ご利用者の個別性を重んじて日々ケアを実践しているのに、こと、同僚の職員に対しては一方通行なコミュニケーションとなってしまう方もいるのではないでしょうか?

職員に対しても他者の考え方や価値観をお互いが尊重しあって接することが出来ればコミュニケーションは飛躍的にスムーズになると思います。また、『相手の価値観を尊重する』ことによって、自分は自分、他人は他人とお互いを尊重しあうことを徹底することで『自分流のリーダーシップ』に通ずることとなるのです。無理をし過ぎずに、自分のペースで、他者を尊重しながらのリーダーの在り方を是非模索してみてください。

斉藤 正行氏

一般社団法人全国介護事業者連盟 理事長

  • 一般社団法人全国介護事業者連盟 理事長
  • 株式会社日本介護ベンチャーコンサルティンググループ 代表取締役
  • 一般社団法人日本デイサービス協会 名誉顧問
  • 一般社団法人日本在宅介護協会東京支部 監査
  • 一般社団法人全日本業界活性化団体連合会 専務理事
  • その他、介護関連企業・団体の要職を歴任
今、知りたいお役立ち情報を厳選してお届け ワイズマンWebセミナー

メルマガに登録して最新ニュースをすぐに受け取ろう!