介護保険部会意見の検証(1)
1,12年振りに新サービスが創設へ
今回は12月20日、正式に 決まりました、令和6年度介護保険部会の意見についてお話をしていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 まず、12年ぶりに 在宅サービスに新しいサービスが創設されます。
今回、訪問介護とデイサービスの複合型サービスとなる方向です。複合型サービスはもうすでに一つあります。看護小規模多機能型です。看護師小規模多岐型は小規模多機能と訪問看護が合わさったもので、これが第1号となります。ちょうど12年前に創設されました。当時、他の組み合わせも順次作るという話があったのですが、完全に立ち消えになって12年経ちました。11月14日の審議会に、唐突に厚生労働省から複合サービス創設という論点が出されて、特に反対意見も無いということで確定しました。指定要件、報酬体系等については、来年の介護報酬改定審議の中でまとめていきます。そのため、現時点に於いては、新サービスが出来るということ以外、細かい内容は全く未定となっています。
厚労省の資料から読み取れる一番近いイメージは、小規模多機能からショートステイを除いたものが一番近いのではないでしょうか。厚生労働省の説明では、コロナの特例措置を挙げています。デイサービスが休業したとき、事業所の介護職員が 利用者様の居宅を訪問してサービスをできるという 特例です。ということは、基本的にはベースにデイサービスがあり、ここの職員が時間の合間などで、利用様の居宅を訪問するというイメージが近いようです。そうしますと、小規模多機能からショートステイを除いたイメージだとした時に、1つのポイントは、小規模型機能は施設ケアマネージャー配置して ケアプラン作っています。これを一般の居宅介護支援が担当するかどうかという部分です。
また、訪問サービスを担当する職員に、初任者研修などの資格を求めるのか否かもポイントです。訪問介護の場合は 少なくとも初任者研修修理者以上の資格者がないと、介護サービスを担当出来ません。これがネックになって介護職員確保が非常に厳しい状況に陥っています。今回 厚労省が出してきた特例措置では、介護職員には特に資格を求めていません。小規模多機能の訪問サービス担当者も資格が不要ということで、この複合サービスにおける訪問 サービス担当者についても、資格を求めない事が期待されます。介護報酬については間違いなく月額包括報酬になります。これまでに創設された新サービスは、すべて月額包括報酬です。今回も間違いなく月額包括になると思われます。 これまで、新サービスが創設された時には、必ず初期段階の報酬は高めに設定されています。早期に開業することで、高い報酬体系の中で、経営の基盤を整備しやすくなると言えます。新たな複合型サービスは大きなチャンスと言えます。
また、今ある介護サービスの統廃合を進めるという方向も出されました。例えば定期巡回随時対応型訪問介護看護と夜間対応訪問介護を将来的に統合するということです。同時に、複合サービスという形で新しい組み合わせを作っていく。介護保険制度が始まって、20 年以上が経ちました。今あるサービス体系を整理整頓して、再構築していくという方向性が見えてきた制度改正と言えます。
小濱 道博氏
小濱介護経営事務所 代表 株式会社ベストワン 取締役 一般社団法人医療介護経営研究会(C-SR) 専務理事 C-MAS 介護事業経営研究会 最高顧問
日本全国でBCP、LIFE、実地指導対策などの介護経営コンサルティングを手がける。
介護事業経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで全国で年間250件以上。
全国の介護保険課、各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター、一般企業等の主催講演会での講師実績は多数。
介護経営の支援実績は全国に多数。