2023.01.12
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【小濱道博の介護戦略塾】介護保険部会意見の検証(2)

2,ケアマネジメントと施設関連の基盤の整備

ケアマネジメントに関する部分を見ていきます。ケアマネジャーの 資格の更新講習などについては、Eランニングなどでオンライン化を促進します。主任ケアマネ講習や更新講習でなどが対象となっていきます。令和6年度からは 居宅介護支援についても、LIFEへの位置づけがスタートします。ケアマネジメントについてもLIFEの活用というのが大きなキーワードになってきます。

いよいよLIFEのフィードバックデータが本格的に提供が始まります。12月13日にグラフ化されたフィードバックデータが提供されました。令和5年に入ると、いよいよ、加算別、利用者別データがグラフ化されての提供が始まります。そのサンプルデータが公開されています。フィードバック票については、ここ1年半の間、まったく使い物にならないというのが定説でした。今後は、フィードバックを改善していくということが意見も謳われています。また、事業所施設の入力負担の軽減ということで、更に入力データを簡素化するという方向が出ています。LIFEは令和6年から 新システムに移行して、次のステップにバージョンアップします。訪問サービスや居宅介護支援もLIFEに位置づけられます。医療のデータベースとの連動も始まります。

ケアプランの作成におけるAIの活用もポイントとなります。ケアプラン作成において、AIを活用する方向をさらに促進されます。ここにもLIFEが絡んでくることになります。厚生労働省主導のICT化はさらに加速していくでしょう。来年度からは、ケアプランデータ連携システムが始まります。さらにケアマネジャーの資格者証については 今後マイナンバーカードに位置づけていくという方向も出されています。

次に 施設関連の基盤の整備というテーマになります。 特に特別養護老人ホームにおいては、待機者がどんどん減少していて、地方においては、空き部屋が増えており人手不足が顕著ですから、100床の特養でも人が確保出来ないので半分の50床で運営しているというところも増えています。今特養は要介護3以上が入居できるという施設です。要介護1および2の方は認知症が進んでいるなどの理由があった場合の特例入所ということで対応しています。ただ、地域によって特例入所を認めていない地域があり、ばらつきが出ています。

今回、要介護1までを入所対象とする検討も進めていくことになります。2015年の制度改正で 特養は要介護3以上に限定されました。この前年 2014年に特養の待機者が50万人を超えたため、特養については 本当に必要な方に入所を限定するという意図から、要介護3以上に限定されたわけ です。しかし、現在の待機者は25万人を切っています。2014年の半分以下になっています。さらに待機者が25万人と言いましても、1人の方が1箇所の特養だけ申し込んでいるわけではありません。複数の特養に申し込んでいて、空いたところに入るということになります。ということは待機者が25万人と言っても実際1人3カ所申し込んでいたら10万人を切っているということになります。待機者が多いから中度者以上に限定するという必要がなくなってきております。この部分についても、来年の介護報酬改定の中で議論を進められていくことになります。

小濱 道博氏

小濱介護経営事務所 代表 株式会社ベストワン 取締役 一般社団法人医療介護経営研究会(C-SR) 専務理事 C-MAS 介護事業経営研究会 最高顧問

日本全国でBCP、LIFE、実地指導対策などの介護経営コンサルティングを手がける。
介護事業経営セミナーの講師実績は、北海道から沖縄まで全国で年間250件以上。
全国の介護保険課、各協会、社会福祉協議会、介護労働安定センター、一般企業等の主催講演会での講師実績は多数。
介護経営の支援実績は全国に多数。