2020.02.19
トピックス

一気通貫の在宅医療を目指したオンライン化の行方

Q2オンラインによる診療および服薬指導は、どのように提供されるのか?

オンラインによる診療および服薬指導では、ガイドラインにおける提供ルールを第一に遵守しなければなりません。さらに、公的保険の範疇では診療報酬上の算定要件において対象疾患をはじめ、算定頻度や提供回数などが設けられています。対面とオンラインを組み合わせた提供を原則とし、2020年度改定では患者の安全性を担保したうえで厳格な要件を緩和していく方向となっています。また、オンライン診療等は誰でも好きな時に利用できる訳ではなく、対面による診療や服薬指導を補足する位置づけにあり、顔の見える関係がある中で、双方の意向がマッチした場合の提供に限られることから、予約診療の進化版のような仕組みだといえるでしょう。

さて、2020年度改定におけるオンライン服薬指導の評価は、①オンライン診療時と、②在宅訪問診療時が予定されています(下図)。①はオンライン診療で処⽅箋が発⾏された患者、②は在宅時医学総合管理料が算定されている患者を対象とする予定で審議が進められています(※詳細は2月中旬の答申で明らかになる予定です)。

これらの対象は、例えば日中に受診する時間がとれないサラリーマン、雪深いエリアで外出が困難な高齢者、そして居宅で安定した状態にある在宅患者などが該当し、それぞれの通院負担の軽減と利便性の向上が期待できます。なお、オンラインシステムの利用では、通院時の交通費はかからなくなるものの、システム利用の経費や医薬品の配送費が実費相当かかるため、患者負担の差異が生じる点は導入前に確認しておきたい事項です。

医療機関および薬局においては、定期的な受診や来局の離脱防止、重症化予防の補助ツール、在宅患者に対する訪問指導の効率化などに寄与する点を踏まえ、新たな受診ニーズに対応した仕組みとして、個々の患者状態の把握やその意向を確認しながら活用していく必要があるでしょう。

出所:厚労省中医協総会(2019.12.20)「横断的事項(その5)について」より一部引用

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ワイズマン編集部

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