一気通貫の在宅医療を目指したオンライン化の行方
Q3なぜ介護者が利用者の服薬状況を把握する必要性が高まっているのか?
2020年度改定の「基本方針」と「改定率」の決定を踏まえ、最後に今後の改定スケジュールを確認していきます(下図)。ほぼ例年並みに1月中に厚労大臣が中医協へ「点数改定案」を作成するよう諮問し、1月下旬には具体的な変更点が固まっていく予定です。その後、2月上旬に中医協が厚労大臣に「点数改定案」を答申し、新設や見直しの点数入りの「個別改定項目」が公表され、3月上旬には全ての新点数と算定要件等が告示されます。これ以降、厚労省の改定説明会においてポイント解説が行われ、この解説をもとに都道府県単位の説明会が開催される予定です。新設の点数や算定要件の見直し等に関する疑義解釈は、4月施行の前後に随時公表されていく予定となっています。
出所:厚労省 中医協総会(2019.12.20)「横断的事項(その5)について」より一部引用
- 参考資料:第443回中医協総会「総-3」より必要情報を一部引用
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000579017.pdf
今回、改定の基本方針に「全世代型社会保障」と「働き方改革」が新たに盛り込まれた点を確認しましたが、2025年に向けた「地域包括ケアシステム」の構築や「地域医療構想」の実現を目指す方向性に変化はなく、2040年を展望する中で2025年は単なる通過点ではなく重要な節目になります。2025年まで診療報酬改定は3回、介護報酬改定は2回、医介同時改定は2024年の1回と迫る中、上記の方向性に関連する事項の算定要件のテコ入れや厳格化は引き続き実施されると予想されます。さらには、医療計画や介護事業支援計画の遂行と改定の連動性が高まっているため、計画の見直しに伴う影響に対しても留意しなければなりません。
なお、診療報酬改定は介護事業者に直接関わらないものの、入退院関連や在宅医療の関与もあるため、改定ポイントを把握し、利用者の柔軟な相互の受け入れ体制を築きながら、医介連携のパートナーシップを強化していくことが肝要です。
レポートの著作権は当社に帰属します。許可のない無断使用および転用を固く禁じております。
ワイズマン編集部