科学的介護の実現に向けたCHASEの本稼働
Q3「CHASE」導入の支援策「ICT導入支援事業」の活用ポイントは?
Withコロナ時代の感染予防策として注目を集める、利用者と職員の接触を最低限に抑えるセンシング技術や遠隔ツールなどは、今般の人材不足や働き方改革への対応のみならず、ICT全般のインフラ整備の追い風となり、必要性が高まってきたといえます。
今回の「CHASE」対応のシステム改修など、介護現場へのICT化導入の支援策は、2020年度の地域医療介護総合確保基金における「ICT導入支援事業」に盛り込まれています。この事業では、介護事業所等における業務の効率化を通じてヘルパー等の負担軽減を図り、利用者に対して質の高いサービスを効率的に提供することを目的に補助金が設定され、「CHASE」対応や導入効果の報告等が要件となっています。
具体的な補助対象は、介護ソフト及びタブレット端末だけでなく、導入関連費用の一部も助成されます。そして、介護分野のICT化を全面的に進め、ICTを活用して介護記録から請求業務までが原則一気通貫で行うことができるよう、すべての介護保険サービスが対象となっています。
注目ポイントは、今般の感染予防の業務負荷を考慮し、業務負担の軽減や業務効率化を図るため、令和2年度補正予算における補助上限額の倍額のほか、Wi-fi購入や設置費、勤怠管理等の介護ソフトも拡充された点です(下図)。ただし、基金の運営は各都道府県の裁量になっているため、補助率や割り当ての件数が異なる点に留意しなければなりません。導入を検討の際は、介護業務ソフトを導入しているベンダーに確認し、「CHASE」対応も含めた業務全体の最適化を考えていきましょう。
ICT化への対応は介護事業所等における喫緊の課題であり、コロナ禍による感染対策や3密を避ける制限の長期化が予想される中、Withコロナ時代の環境変化をポジティブに受け止めて、制度的なトレンドに適合していくことが肝要です。補助対象経費・ソフト(購入またはリース)ソフトウェア(開発基盤のみは対象外)、クラウドサービス、改修経費(標準仕様対応、CHASE対応)、保守・サポート費、導入設定、セキュリティ対策、タブレット端末やスマートフォンなどのハード、インカム、導入研修、ICT導入に関する他事業者からの照会等に応じた場合の経費等要件等記録業務、情報共有業務、請求業務までが一気通貫となること、ケアマネ事業所との情報連携に際して標準仕様を活用すること、CHASEによる情報収集に対応すること、ICT導入に関する他事業者からの照会等に応じること、導入効果を報告すること、都道府県における導入事業所の公表等
出所:政府 全世代型社会保障会議(2020.02.19)厚労省提出資料「資料4 介護サービスの生産性向上に向けた取組」より一部引用
- 参考資料:厚労省「令和2年度 厚生労働省補正予算案(参考資料)P78」より一部引用
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000621170.pdf
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ワイズマン編集部