2021年度介護報酬改定の報酬告示、4月以降の新たな単位や概要を明示　　　厚労省

厚労省は1月18日、社会保障審議会介護給付費分科会を開催し、2021年度介護報酬改定の報酬告示案を諮問・答申し、4月以降の新たな単位が明示された。 2021年度改定の改定率は0.7％のプラス改定となり、軒並み基本報酬が微増となった。ただし、新型コロナウイルス感染症への対応として0.05％相当が9月末までの特例的な評価として基本報酬に上乗せされている。 改定の内容は、（1）感染症や災害への対応力強化（2）地域包括ケアシステムの推進（3）自立支援・重度化防止の取組の推進（4）介護人材の確保・介護現場の革新（5）制度の安定性・持続可能性の確保－の5つのテーマで見直しが行われた。 全てのサービスの運営基準に、CHASE・VISITを活用した計画の作成や事業所単位でのPDCA サイクルの推進、ケアの質の向上を推奨する点が明示されたことを踏まえ、上記の介護報酬上の評価として、施設系・通所系・居住系・多機能系サービスに、科学的介護を推進する「科学的介護推進体制加算」が新設となった。該当事業所は、全ての利用者に係るADL、栄養、口腔・嚥下、認知症等のデータをCHASEに提出してフィードバックを受け、事業所単位でのPDCAサイクル・ケアの質の向上の取組が評価される。提出するデータは、サービス毎の特性や事業所の入力負担等を勘案した項目が設定され、施設系の加算Ⅱに関しては疾病や服薬情報等の情報が必要になる。4月以降はCHASE・VISITの統一した名称を「LIFE（Long-term care Information system For Evidence）」に変更されることとなった。 また、CHASE・VISITに関与するリハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養に関する加算等の算定要件とされている計画作成や会議については、専門職であるリハビリテーション専門職、管理栄養士、歯科衛生士の関与が明確化される。そして、リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養に関する各種計画書・実施記録に関して、重複する記載項目を整理し、実施計画を一体的に記入できる様式へと衣替えされ、評価も加算の整理統合や基本報酬への組み込みにより変更があるため、該当サービスの基本報酬や各種加算の詳細な要件を確認していく必要がある。

■関連サイト： https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_16033.html